新卒採用の選考基準とは?人材の人柄を構成する3つの要素について

新卒採用では選考基準の明確化が重要になる

現在の日本の求人市場は、求人倍率が増加の一途をたどり、企業間の人材獲得競争が激化しています。人材獲得が難しい中で、採用活動が上手くいっていない企業の特徴として、選考基準や採用要件が明確化されていない傾向があります。

なぜ、選考基準や採用要件の明確化が必要なのでしょうか?

マイナビの調査によると、企業への「なぜ新卒正社員を採用するのか」という質問に対して「事前の計画による定期的な採用」という回答が圧倒的に多いという結果が出ています。

雇用形態別採用の理由
出典元『マイナビ』2017年マイナビ企業人材ニーズ調査

リクルートキャリアの「就活白書2017」では「新卒採用において企業が採用基準として重視する項目」のアンケート調査の結果「人柄」が他の項目に大差をつけて1位となっています。

企業が採用基準で重視する項目と学生が面接等でアピールする項目
出典元『リクルートキャリア』就職白書2017

マイナビとリクルートキャリアの調査結果を鑑みると、新卒採用市場で求められているのはいわゆる「即戦力人材」ではなく「長期にわたって自社で活躍してくれる人材」であると考えられます。つまり「早期離職しない人」がターゲットになるのです。

リクルートキャリアの調査結果を詳しく見ると、新卒採用において企業が重視する項目として「人柄」に続く2位は「自社/その企業への熱意」、3位は「今後の可能性」と続いており、スキルや経験よりも性格や価値観といった要素が重要視されている傾向にあります。

新卒採用において、スキルよりも人柄や性格といった要素を重視する傾向は、大企業だけではありません。中部大学の企業説明会に参加した企業に実施した調査でも、新卒学生に対して求める要素は「素直さ」や「誠実さ」といった「一般的に良い性格かどうか」を挙げる企業が大半でした。

重視項目の因子分析結果
出典元『中部大学教育研究』企業が学生に求めるもの

企業ごとに規模や採用目標が異なるにもかかわらず、採用ターゲット像の差別化が行われていない可能性があり、中小企業が採用競争で苦戦を強いられる結果につながっていると考えられます。

今回の記事では、新卒採用における選考基準の設定方法についてご紹介します。

新卒採用における選考基準の設定方法とは?

新卒採用の選考基準になる3つのポイント

新卒採用では、スキルや経験よりも性格や価値観などの「人柄」が重視されがちなため、求職者の価値観と社風・組織風土のマッチングが非常に重要になります。

「人柄」という言葉のままではかなり漠然としているため、構成要素を細分化してみると、以下の3つの要素に分類できます。

  1. 性格
  2. 価値観
  3. 対人スキル

今回の記事では、上記3つの要素ついての概要をご説明します。

1.性格

人材の「人柄」を構成する1つ目の要素として「性格」が挙げられます。

「三つ子の魂百まで」という言葉があるように、性格は幼少期で軸となるものがほとんど決まります。性格は、人柄を構成する要素の中で、価値観・対人スキルに比べて最も変化しにくい要素です。

人材の性格については「ビッグファイブ理論」という理論が有名です。ビッグファイブ理論によると、心理学では性格は以下の5つの要素で構成されていると考えられており、それぞれの程度を数値化することで「性格の可視化」が可能になるとされています。

  • 開放性 ー 知的好奇心などの程度
  • 勤勉性 ー 自己統制力やまじめさの程度
  • 外向性 ー 社交性や活動性の程度
  • 調和性 ー 利他性や協調性の程度
  • 神経症傾向 ー ストレスに対する程度

性格を考える上で大切なのは、5つの要素が「どれだけ似ているか」という点です。各項目の程度が近い人同士は性格が似ていると言えるため、自社で活躍している社員の性格の傾向を分析すれば、新卒採用における重要な選考基準にすることができます。

人材の性格については「性格と価値観の違いとは?適性検査を最大限活用するための知識について」の記事で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。

2.価値観

人材の「人柄」を構成する2つ目の要素として「価値観」が挙げられます。価値観は性格ほどではないものの、基本的には変化しにくい要素であると考えられています。

そもそも「性格」と「価値観」の違いとは何でしょうか?

価値観の定義は「人生の様々な場面での自分の行動や意思決定などに影響を与える、自分自身の中で優先順位のつけることができる抽象的な概念」とされています。つまり価値観とは「ものの見方や考え方」を意味する言葉であると言えます。

弊社サービス「ミツカリ」では、人材の持つ価値観を以下の7つの要素から分析します。

  • 理念重視・ビジネス重視
  • 自己評価・他己評価
  • 過程重視・結果重視
  • 専門追求型・組織貢献型
  • 仕事重視・プライベート重視
  • 給与重視・仕事内容重視
  • 私仕混同・私仕分離

ミツカリによる分析では、社員と応募者の性格や価値観を見える化し、自社の優秀な社員と応募者のデータを比較・分析することができます。採用活動における選考基準を明確化する採用支援ツールとして、是非導入をご検討ください。

人材の価値観については「仕事の価値観とは?種類や例を知って面接やマネジメントに活かす!」の記事で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。

3.対人スキル

人材の「人柄」を構成する3つ目の要素として「対人スキル」が挙げられます。

対人スキルとは、他者と良好な関係を構築・維持する能力の総称で、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力などを意味する言葉です。

対人スキルは、性格や価値観と比べて後天的な要素が強く、入社後の教育研修で育成することができます。入社前から身に付けているに越したことはありませんが、人柄を構成する要素の中では、性格や価値観よりも優先度が下がります。

対人スキルについては「ヒューマンスキル(対人関係能力)とは?項目や種類を知ろう!」の記事で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。

新卒採用の選考基準では性格や価値観を重視しよう!

新卒採用では、スキルや経験よりも性格や価値観などの「人柄」が重視されがちなため、求職者の価値観と社風・組織風土のマッチングが非常に重要になります。

新卒採用の選考基準として重視される「人柄」は「性格・価値観・対人スキル」の3種類に分類できます。選考基準を明確化するためには、性格・価値観・対人スキルをより詳細化・具体化して、データとして可視化する手段を用いることが有効です。

新卒採用の選考基準を明確化するためには、自社で活躍している優秀な社員の人柄の特徴を把握して、応募者の人柄を評価するようにしましょう。応募者の人柄を評価する際には、入社後の教育研修で育成しやすい対人スキルはある程度妥協した上で、変化しにくい性格や価値観を重視することをオススメします。

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