新卒採用での求める人物像とは?人柄やポテンシャルを見極めるために

新卒採用の採用要件は「伸びしろ」が大切

人材採用の手法はさまざまありますが、基本は求人票や求人広告を使った公募が一般的です。

公募で重要しがちなことは「どうしたら求職者に興味を持ってもらえるか?」ですが、本当の問題はもっと手前の段階にあります。採用がうまくいっていない企業ほど「どうしたら興味をひけるだろう」という表面的な問題にとらわれがちです。

求人とは、採用を行う「手段」であり「目的」ではありません。

会社になんらかの経営的問題が生じ、解決方法のひとつとして「求人」という手段を講じます。求人でまず考えなければならないのは「どのような人材を獲得できれば課題が解決するか」を明確にすることです。目的を達成するための採用要件を明確にし、どのように実現するかの求人を検討する順番を意識する必要があります。

今回は「新卒採用」について考えてみます。

新卒採用の一般的な目的は、中長期的にみたときに会社の主軸となって活躍してくれる人材の獲得と育成です。新卒採用の対象となる人材のほとんどはキャリアはなく、スキルもまだまだこれからです。だからこそ、入社後にどれだけ成長するかという「伸びしろ」を見極めることが大切です。これが新卒採用の多くが考え方や性格などの「人物重視採用」を行なっている理由です。

今回は、人物重視の採用の課題と対策を3つ紹介します。

人柄重視ゆえの「ばらつき」をいかに防ぐか?

人物重視の採用で最大の課題となるのが「人材評価のばらつき」です。

キャリアやスキルなどの客観的な指標を設けやすい項目とは異なり、「伸びしろ」などの主観的な印象の影響を強く受ける人柄・人物像重視の採用では、面接官が違えば評価が変わってしまう恐れがあります。面接官ごとの評価を統一し、採用すべきかを正確に判断するためには、客観的な指標を導入することが不可欠です。

「客観的な指標」を取り入れるひとつの方法が「ヒューマンスキル」を評価項目として導入することです。

ヒューマンスキルとは、ハーバード大学の経営学者ロバート・カッツにより考案されたビジネススキル分類のうち、コミュニケーション能力を軸としたスキルです。ヒューマンスキルに含まれる話し合いの舵取り技術や、ヒアリング能力、向上心・成長意欲などをリストアップし、評価項目・基準を設定しましょう。

カッツモデル
出典元『日本の人事部』マネジメント・管理職に求められるスキル

抽象的で曖昧な項目を、具体的かつ明確にする採用要件の整備が「客観的な評価ができる仕組み作り」となります。

評価項目の優先順位をどうするか?

評価する項目はヒューマンスキルを細分化するなどの方法でリストアップが可能ですが、問題は「挙げ出せばキリがない」ということです。

「人物像」を明確にするためには多くの評価項目が必要になります。すべての評価項目を採用候補者に求めるのも酷な話であり、「全ての要件を兼ね備えた人材」がそもそも新卒市場にいない可能性もあります。採用選考の限られた時間で全ての項目を見極められる保証もありません。

重要なるのが「評価項目の優先順位の設定」です。リストアップした評価項目を「MUST/WANT」で分類してみましょう。

「MUST/WANT」を職種の特性、自社で活躍しているハイパフォーマーの特徴などを参照して設定することにより、MUSTを兼ね備えていない採用すべきでない人材が明確になるだけでなく、WANTを兼ね備えている採用すべき人材が明らかになります。どれだけWANTを兼ね備えているかによって、人材評価を客観的に数値化することもできます。

いかに「採用ミスマッチ」を防ぐか?

職種の特性やハイパフォーマーの特徴を分析することで、求める人物像である「MUST/WANT」の要件が明確になります。MUSTは書類選考や1次面接で見極める、WANTは2次選考以降で見極めるなど、採用プロセスも明確になるでしょう。

採用ではコミュニケーション能力だけではなく、会社との相性も大切です。人材としては極めて優秀で、伸びしろも豊富にあったとしても、会社と考え方が合わなければ「早期離職」を引き起こす可能性があります。

転職会議の調査によると、入社3か月以内に離職・離職を検討している新卒社員の理由の中で、1位は時間外労働で62%、2位の社風が36%となっています。新入社員が考える「時間外労働」の多さについては、週○時間、月○時間などと説明ができるはずです。(優秀な人材の囲い込みのために、不利な情報を意図的に隠している可能性がありますが、早期離職になることで採用や教育コストの回収ができない事態につながっています。)

新入社員のスピード退職理由
出典元『転職会議 Report』スピード退職は自己防衛?!新卒入社3ヶ月未満退職者が明かす離職理由ランキング【2016年度版】

「自社の社風」は、採用候補者にとってわかりやすく伝えることが大切です。そのため、採用のテーマなどにキャッチコピーをつけることも有効です。自社のコンセプトを明確に提示した採用活動を行うことで、セルフスクリーニング効果が起こり、「価値観」を基準に自社を選んでくれる求職者も現れやすくなります。

採用の「コンセプト設計」が人事の仕事

新卒採用は、社会人経験のない人材を採用する活動です。客観的で誰もが分かる経験年数などの情報だけでなく、抽象的な伸びしろやコミュニケーションスキルなどに採用基準が設けられることが多々あります。

新卒採用での求める人物像を決めるためには、「伸びしろ」や「コミュニケーションスキル」が具体的にどのようなものか、面接官だけでなく現場社員や役員などとも共通認識を持つことが大切です。抽象的な採用基準が具体的かつ客観的な指標に落とし込み、必ず必要なものやあると望ましいものなどの優先順位をつけましょう。

入社後にスキルや経験を身に付けてほしいと考えるのであれば、早期離職の防止も採用要件に組み込む必要があります。時間外労働の時間であれば、客観的に伝えられるはずです。多すぎて問題がある場合は、労働環境の改善に取り組む必要があります。隠して採用しても離職を引き起こし、採用活動費用だけでなく新卒社員や教育担当者の時間や人件費などのコストが発生していまいます。

社風といった抽象的な概念の早期離職を防ぐためには、自社の社風を明確にするところから始め、キャッチコピーをつけるなどして「コンセプトを持った採用活動」を行うようにしましょう。

採用は企業にとって「課題の解決手法」であり「目的」ではありません。根本的な問題を見つめることで「求める人物像」は自ずと浮き上がってきます。その過程で評価項目・優先順位を設定し、客観的に評価できる仕組みを選考に導入することが重要です。

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