内発的動機付けとは?社員のモチベーションを上げる方法について

内発的動機付けが注目される背景とは?

現代の日本では、労働人口の減少による人手不足が深刻な問題となっており、社員一人ひとりの生産性が重要になっています。また、AIの発達や経済のグローバル化が加速している現代のビジネスにおいては、マニュアルワークではなくナレッジワークが求められるようになっています。

ナレッジワークとは、モノづくりを意味する「マニュアルワーク」に対して、知的生産物の創造を意味する言葉です。知識労働者とも呼ばれるナレッジワーカーは、自らの知識によって企業や社会に貢献する労働者を意味する言葉として、社会学者・経済学者として知られるピーター・ドラッカー氏が提唱しました。

ドラッカー氏は、ナレッジワーカーの特徴として、報酬よりも社会的な影響や貢献度などの評価を重要視すると指摘しています。企業でナレッジワーカーに活躍してもらうためには、従業員のモチベーションをアップさせるための動機付けが重要になってくるのです。

今回の記事では、内発的動機付けの意味や定義、組織のマネジメントに活用する方法やメリット・デメリットなどについてご紹介します。

内発的動機付けとは?意味や定義、マネジメントに活用する方法について

内発的動機付けの意味や定義とは?

内発的動機付けとは、物事に対する強い興味や探求心など、人の内面的な要因によって生まれる動機付けを意味する言葉です。

動機付けとは、目標に向かって行動を起こさせたり持続させたりするための、心理的過程を意味する心理学用語です。

動機付けに繋がる要因は、人の内部に湧き上がる欲求が要因となって行動を起こす「内発的動機付け」と、外部からの干渉が要因となって行動を起こす「外発的動機付け」があります。

内発的動機付けと外発的動機付けの関連性とは?

外発的動機付けとは、報酬や評価などの人為的な干渉によって生まれる動機づけを意味する言葉です。

外発的動機付けは汎用性が高く、誰にでも実践しやすいメリットがありますが、受動的な動機付けであるために持続性がないというデメリットがあります。また近年では「報酬が欲しい」といった外発的動機を持って物事を行うと、その物事に対する内発的動機に悪影響を及ぼすという研究結果も出ています。

内発的動機付けだけでビジネスを成り立たせることは難しいため、外発的動機付けは「内発的動機付けを生み出すキッカケ」として活用することが重要なポイントとなります。

内発的動機付けを活用するメリットとは?

内発的動機付けは、仕事に対する興味や関心、そこから生まれるやりがいや達成感など、自分自身の内からなる動機付けです。行動をすること自体が目的になるので、高い集中力が発揮され、質の高い行動を自ら進んで長く続けられるというメリットがあります。

企業においては、社員の内発的動機付けが高ければ高いほど職務満足感(=従業員満足度)が高くなり、自社で長く活躍してくれる人材を育成できます。

内発的動機付けを活用するデメリットや注意点とは?

内発的動機付けを活用する際は、動機付けのキッカケを社員の内面的な要因に頼ることになるため、個人差が非常に大きくなる点に注意が必要です。

内発的動機付けが生まれる前提条件として「その仕事に対する強い関心・好奇心」が必要となるため、実施方法が明確でなく、短期的には効果が出にくいというデメリットがあります。

内発的動機付けをマネジメントに活用する方法とは?

内発的動機付けは、社員の仕事に対するモチベーションを長く・高く保つ上で効果的なため、組織のマネジメントに活用できれば大きなメリットがあります。

内発的動機付けをマネジメントに活用する方法として、代表的な例を3つご紹介します。

  1. 部下の動機付けにつながる表現で承認やフィードバックを行う
  2. 内発的動機付けを引き出す目標を設定する
  3. 成長段階に合わせた最小限のルールで自律的な行動を促進する

1.部下の動機付けにつながる表現で承認やフィードバックを行う

内発的動機付けをマネジメントに活用する1つ目の方法として、部下の動機付けにつながる表現で承認やフィードバックを行うという方法があります。

社員の内発的動機付けを促し、仕事に対して継続的に前向きに取り組むためには、上司が部下の性格や価値観を理解して承認することが大切です。一人ひとりの性格や価値観に合わせた表現で部下と一緒に仕事の現状を分析し、今何ができていて何ができていないのか、フィードバックを行いましょう。

2.内発的動機付けを引き出す目標を設定する

内発的動機付けをマネジメントに活用する2つ目の方法として、内発的動機付けを引き出す目標を設定するという方法があります。

社員の内発的動機付けを促すために、上司は部下が適切な目標を設定できるように、多角的な視点を与えるようなアドバイスを行うことが大切です。目標の方向性が決まったら、具体的な数値や期限などを決めて具体化していきます。

目標設定によって内発的動機付けをする際は、部下が目標達成のために本気になれるように、実現可能な範囲でほどよく高い目標を設定することが大切です。

3.成長段階に合わせた最小限のルールで自律的な行動を促進する

内発的動機付けをマネジメントに活用する3つ目の方法として、成長段階に合わせた最小限のルールで自律的な行動を促進するという方法があります。

内発的動機付けによって部下に行動を起こさせただけでは、マネジメントとしては不十分です。部下が始めた行動を持続させるためには、必要に応じて部下をサポートして、結果が出せるように導かなければなりません。

行動計画の進捗を定期的に確認して、進捗状況が悪い場合には、なぜできていないのか理由を確認していきます。行動はしているのに結果が出ていない場合には、なぜ行動が結果に繋がらないのか原因を探った上で、計画の改善策や行動の改善点について具体的なアドバイスを行いましょう。

部下の動機付けを持続させるためには、部下の成長段階に合った必要最小限のルールに留めることが大切です。人からルールを強制されてしまっては、内発的動機付けで始めたはずの行動が外発的動機付けにすり替わってしまうため、注意が必要です。

内発的動機付けによる社員のモチベーションアップを図ろう!

内発的動機付けとは、物事に対する強い興味や探求心など、人の内面的な要因によって生まれる動機付けを意味する言葉です。

知識や知恵を活用して働くナレッジワークでは、報酬や評価などの外発的動機づけよりも、自身の好奇心や探求心による内発的動機付けがより重要となります。

どんなことに対して好奇心や探求心を持つかは個人の性格や価値観によって異なるため、内発的動機付けによる社員のモチベーションアップを図るためには、採用の段階で会社の価値観や行動理念にあっているかを見極めることが大切です。

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