多くの企業が「求める人物像」が明確化できていない理由とは?

自社にあった「求める人物像」を設定できていますか?

求人票や求人広告を書くにあたり、「求める人物像」の具体化・明確化が重要だとお伝えしてきました。自社にあった人物像を具体的に定義し、経営者、採用担当者の間で共有することは、採用戦略上の重要ポイントの一つといってもよいでしょう。

しかし、多くの企業が「自社にあった人材」ではなく、「一般的に良いとされる人材」を求めているのが現状です。

採用担当者は「性格の良い人物」を選考で高く評価しがち?

早稲田大学大学院教授の小塩真司氏が行った、企業の担当者を対象としたアンケート調査では、次のような興味深い事実が明らかになりました。

学生を採用する際にどんな要素を重要視しているか、各項目に5段階評価で答えてもらったところ、「自主性」「協調性」「忍耐力」「誠実さ」「明るさ」「元気さ」「素直さ」「好奇心」「成長意欲」といった、性格に関する項目が平均して全て4.00以上を記録したといいます。

つまり、多くの企業の担当者が「自主性」などの性格に関する全ての項目が「良い」と評価される学生を求めているということです。

性格の良し悪しよりも、自社の社風にあう・あわないのほうが大事

先述した調査で企業が高く評価するのは、いわゆる「性格の良い人」の特徴です。

しかし、人間的にも成熟した「一般的に良いとされる人材」を採用するのは、よほど応募がひっきりなしにくる人気企業であっても、かなり難しいといえるでしょう。そもそもこれだけの要件を満たす人物が、世の中にどれだけいるのでしょうか?

人気企業であっても難しいのであれば、中小企業やBtoBビジネスの企業など、学生への知名度が低い企業の場合はなおさら母集団形成に苦労することは想像に難くありません。母集団形成に苦労している企業ほど、他社とは違う「求める人物像」の設計が求められます。

他社とは違う「求める人物像」とは?

他社とは違う「求める人物像」とは、どのような人物なのでしょうか?

それは、自社の社風に適した「人物像」であることです。例えば、昼食を皆で食べに行く・夜も定期的に食事に行くなどであれば、一緒にいきたいと思ってくれる人であったり、ベンチャー企業で一人で仕事を進めるのが中心であれば、自発的に動く「自主性」であったり、わからないことに興味を持つ「好奇心」などが必要であるなどです。

上記調査の性格に関する項目は「自社の社風とどれだけ合っているのか」「自社で活躍できそうか」の判断材料にするには、心もとないのも事実です。本来、会社が目指すサービスの方向性や社風などを含めた「自社らしさ」は、会社によってさまざまです。つまり、その会社で活躍する人材像も千差万別だといえます。

企業には、存在目的(Mission)、あるべき姿(Vision)、大切にする価値観(Values)があります。この3つを指すMVVの達成に寄与してくれる人材こそが、自社にあった人材だといえます。

これまでブログの中で、「自社にあった人材」を採用することの重要性をお伝えしてきました。いくら性格が良くて優秀な人材であっても、入社した企業の社風とあわなければ、職場になじんで活躍することが難しくなります。

こうしたミスマッチの結果として、早期退職が発生すると大きな損失につながります。企業にもよりますが、早期離職の損害は最低でも1000万円近いという報告もあります。(参考URL『日本の人事部』コラム 社員が定着しないことによる企業の損失 Vol.1)これでは応募者も会社も双方にとってマイナスになってしまうでしょう。

こうした状況を避けるためには、自社にあった人材像を、一般的な言葉ではなく、より具体的に定義する必要があります。そのためには、まず自社のことを理解しなければなりません。

選考で性格診断テストを作成したり、面接で質問する項目を検討したりする際にも、自社に「あう」「あわない」を測定するには、その概念を客観的に定義することが求められます。

しかも、一定以上の規模の会社であれば、性格やスキルなどを含めて、部署やチーム、職種によっても、求められる人物像も変わってくるはずです。

例えば、販売・サービス系や事務・アシスタント系は「配慮・サービス性」が、技術系(IT・通信)なら突発的なトラブルなどに対応できる「柔軟性」が、より求められるといったことが考えられます。

mitsucari適性検査で、多くの企業の社風を確認する中で、同じ業種・職種であっても企業ごとで社風が全く異なることを実感しています。それは業務内容は似ていたとしても、経営方針や従業員の価値観は会社それぞれであるからだと思います。

上記の例は一般的なものですが、まずは自社の社風を確認するところから始めてみては如何でしょうか?

人事担当者の役割は、自社にあった「求める人物像」を明確化すること

これまで述べてきたことから、求める人物像は「一般的に良いとされる人材」でなく、「自社にあった人材」にしたほうが、早期退職におけるコスト削減や、採用のパフォーマンスの向上につながるといえます。

まずは自社と、自社の従業員の特徴を理解するところから始めましょう。求める人物像を具体的に定義する作業は、人事担当者だけでなく、現場や経営層をうまく巻き込んでいくことをおすすめします。各部署やチームの管理監督職、メンバーに直接インタビューをする、現場の雰囲気を観察するといった機会を増やすのもよいでしょう。

自社ならではの個性・特徴を理解したうえで、自社にあった「求める人物像」を具体的に設計する方法については、次回以降の記事で紹介していきます。 ぜひご一読ください。

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