求人票とは?意味や目的、法定項目などの記載事項や必須項目について

求人票は目的ではなく手段である

「売り手市場で、求める人材が応募してくれない」「応募があったが、自社に適した人材ではなかった」「そもそも応募してくれる人がいない」

こうした課題意識から、求人票の中身を改善しようとしている人事担当者も多いでしょう。今回は、求人票のそもそもの定義や使用目的、そして求人票を書くにあたって重要な「法的制約」と「法的に避けたい表現」について紹介していきます。

求人票の定義と使用目的について

求人票とは、社員の採用を予定している企業が募集概要や労働条件を記載し、求人を申し込む際に提出する書類のことです。

求人票の目的とは、自社の応募者を増やし、母集団を形成することにあります。応募したくなる求人票を作るためには、自社の業務内容や条件の魅力を効果的に伝えていく必要があります。

求人票の提出先は、公共職業安定書(ハローワーク)や民間の人材紹介会社、人材派遣会社、そして大学・短期大学・専門学校の就職課など多岐にわたります。

求人票に明記すべき6つの項目とは

ハローワークや人材紹介会社などに求人票を提出するにあたっては、職業安定法にもとづいて、以下の6項目を明示することが定められています。

  1. 労働者が従事する業務内容
  2. 労働契約期間
  3. 就業場所
  4. 始業及び就業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日
  5. 賃金額
  6. 健康保険、厚生年金、労災保険、雇用保険の適用に関する情報

これらの項目は、求職者が求人を判断し、適切な職業選択をするために欠かせない事項とされています。ハローワークや人材紹介会社などでは、上記の明示がない求人申込は受理されないので注意が必要です。

求職者の正しい理解を促すには、内容の具体性が非常に重要になります。例えば、賃金額は前年度実績や、年齢・経験ごとにモデル賃金を書くなど具体的な内容の記載を心がけましょう。繁忙期時と閑散期で所定労働時間を超える労働の時間が異なる場合はその旨を明記しましょう。

基本的には求人票よりも労働条件通知書に書かれた内容が優先されます。しかし、「求人票の記載と違った」という食い違いによるトラブルを避けるには、例えば初任給については「見込」であることを明示するとよいでしょう。求人票の初任給見込額は、労働契約と見なされず、その金額に拘束されることは原則ありません。

1.労働者が従事する業務内容

業務に携わったことがない人でも具体的にイメージできるように書きましょう。

例)△工場での製品製造 →○工業製品で用いるネジの製造

2.労働契約期間

無期雇用なのか有期雇用なのかという点を明示しましょう。

とりわけ安定を求める求職者にとっては「無期」「正社員」かどうかは大事な判断基準になります。

3.就業場所

採用された場合、実際に就労する場所を記載します。

就業場所の候補地が複数ある場合は候補地をすべて列挙し、転勤の可能性の有無についても書きましょう。

4.始業及び就業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日

所定労働時間を超える労働については、月平均の時間を記載します。例えば「月末前後は残業になることが多いです」というように、求職者がイメージできる内容にするのがポイントです。

休日については、毎週の休日だけでなく、年末年始休暇や夏期休暇などの特別休暇も記入してください。

5.賃金額

月額の基本給には残業代や各種手当は含めないように注意しましょう。賃金を時給や日給、年棒制とする場合であっても、月額換算して記入しましょう。

基本給や時間額は幅を適度にもたせることをお薦めします。過去の実績や同業種の求人情報などを参考にしましょう。

6.健康保険、厚生年金、労災保険、雇用保険の適用に関する情報

社会保険には、健康保険、厚生年金保険、労働者災害補償保険、雇用保険の4つがあり、すべてを満たす場合は「社会保険完備」としましょう。

一部の保険にのみ加入している場合は「雇用・労災保険あり」などと記載します。フルタイムで雇用する場合は健康保険、厚生年金保険、雇用保険にすべて強制加入となります。

求人票を書く際に注意すべきこととは何か?

上記6つの項目さえ満たしていれば、あとは自由に求人票を書いてもいいかというと、そうではありません。求人票の書き方には法的な制約があるのをご存じでしょうか。

求人票は母集団形成の手段として使われますが、その意味や目的を正しく理解して書かないと、思わぬ法的なトラブルだけでなく、企業のブランドイメージの毀損、そしてモラルに関わる問題を引き起こす可能性があります。

求人票には法的な制約、法的に禁止されている表現がある

法的に禁止されている表現の具体例の一部を簡単に紹介します。

性別制限や「看護婦」「保母」などの性差別につながる表現を使わないことが挙げられます。男女を特定せずに「看護士」「保育士」などと表現しなければなりません。年齢制限についての記載も、一定の合理的な理由がない限り禁止されています。

あえて求人票に好条件を記して労働者をだます行為は禁止されています。故意に虚偽の記載を行った場合は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金刑に処せられるので注意が必要です。

求人票の表記がもとで、求職者と企業との間に意図せぬトラブルが相次いでいます。まずはトラブルを引き起こさない求人票をつくる必要があります。

魅力的な求人票の書き方を知る必要がある

母集団形成をはかり、募集・採用を有利に進めていくためには、求人票の見せ方において、他社との差別化が求められます。まずは法的に何を記載しないといけないのかの「必須項目」と法的に書いてはいけない「禁止項目」を押さえておく必要があります。

応募したくなる求人票を書くためには、数字などの書きやすい「定量情報」よりも、仕事内容などの言語化しにくい「定性情報」を分かりやすく記載しながら、他社の求人票との差別化を行うことが大切です。そのためには、競合他社と差別化できる自社の強みだけでなく、求職者が仕事に求めているニーズについても把握しておく必要があります。今回は...
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