カルチャーフィットの意味やメリットとは?どんな場面で有効なのか

カルチャーフィットの重要性を理解してみよう!

社会人経験のない新卒採用においては、業務スキルや経験などよりも、性格や人柄、コミュニケーションスキルなどの抽象的な概念が重要視されています。矢野経済研究所(2009)の新人採用に関するアンケート調査によると、企業が新卒採用面接で最も重視する点は「性格・人柄」の回答が最も高い割合を占めています。

面接で一番目に重視する点
出典元『矢野経済研究所』企業における09年度新人採用に関する意識調査

日本経団連の調査によると、選考時に重視する要素として「コミュニケーション能力」が2004年以降1位となっています。

選考時に重視する要素の上位5項目の推移
出典元『日本経済団体連合会』2018 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果

人柄やスキルを重視して評価する日本の新卒採用では、コミュニーケーション能力などの言葉の曖昧さから評価基準の画一化が起きてしまっているとの指摘もあります。
出典元『日本の人事部』 服部泰宏さん: 採用活動の新たな指針となる「採用学」とは(前編)

日本の新卒採用において、性格や人柄を重視するカルチャーフィット採用はとても適しているようにみえます。採用担当者はカルチャーフィットという曖昧な言葉の意味をどのようにして定義したら良いのでしょうか?

カルチャーフィットを理解するためには、「カルチャー」と「フィット」のそれぞれについて、共通認識を持つことが大切です。具体的に自社の「カルチャー」とはどういうものかを明文化・可視化する、どのような状態を「フィット」というのかを明文化・可視化できれば、カルチャーフィットを明文化・可視化できます。

本記事では、多くの採用担当者が重視しているであろう「カルチャーフィット」の定義を明確にし、どのような場面で有効なのかを明らかにしていきます。カルチャーフィットという概念を理論的にまとめたクリストフ教授のレビュー論文(1996)をもとに紹介していきます。

カルチャーとは何なのか?

ミライセルフの定義するカルチャーとは「共有された価値観、人物特性、キャリアへ対する姿勢などの組織風土」を指します。

カルチャーとは一般的に「文化」と訳されますが、ミライセルフの考えるカルチャーはビジネスの文脈に応用したものになります。つまり、カルチャーとは「会社のメンバーがそれぞれ共有している理念や風土」であり、カルチャーフィットとは「カルチャーの共有度」を指します。

カルチャーは組織全体の中でも発生しますし、各部署の中でも発生します。新入社員がある企業に入社したとしたら、新入社員とすでにいるメンバーとの間にもカルチャーが発生します。あらゆる集団間で共有される価値観や理念こそが、カルチャーです。

カルチャーの厄介な点は、価値観や企業理念は物理的には存在しない抽象的な概念であることです。もちろん、目では直接確認できません。カルチャーが組織内にどの程度共有されているかの度合いは非常に掴みづらいでしょう。

ミツカリでは適性検査を使って、主観では捉えにくいカルチャーを可視化しています。ミツカリはカルチャーフィットを大事にしたい採用担当者のために作られています。

フィットとは何なのか?

フィットとは「どれくらい共有されているのか」を指します。

カルチャーフィットとは、あるカルチャーがどの程度共有されているのかを指します。学術的なアプローチで見ていくと、カルチャーフィットには色々な種類と場面があります。

相補的・補助的なフィット

カルチャーフィット研究の第一人者であるクリストフ教授の理論的枠組みによると、
フィットの分類には大きく分けて「相補的・補助的」の2種類があると提案しています。

相補的なフィットとは

相補的なフィットとは、空いた穴を埋める目的のフィットです。企業の不足している技術やリソースが明確であり、比較的専門能力の高い即戦力を求める中途採用でよく使われます。

相補的なフィットは、求職者側も自分のスキルを即生かせるという点でメリットがあり、求職者と企業側の双方にメリットが生まれやすいです。双方にメリットがある点でも「相補的」です。

補助的なフィットとは

補助的なフィットとは、指定する職業スキルがなく比較的多くの人数を一度に採用して穴を埋めたい場合を指します。

補助的なフィットは価値観や性格特性、キャリア思考など、カルチャーに注目したフィットです。補助的なフィットは、職業スキルがない新卒採用でよく使われます。

ミツカリの測ることのできるカルチャーフィットは「補助的なフィット」です。

職業スキルとカルチャーのフィットを測るために

即戦力を求める相補的なフィットでは「職業スキル」、スキルを求めない補助的なフィットでは「カルチャー」を重視しますが、それぞれの測りやすさには違いがあります。

職業スキルの測りやすさ

職業スキルの程度は、一般的には評価しやすいのが特徴です。

エンジニア採用であれば、社員の課した問題に答えられるかどうかが一つのスキルの指標になります。資格や学位なども客観的な指標の一つです。

(カルチャーに比べて)職業スキルの評価のしやすさは、優劣をつけることができる点です。一つの課題に最低ラインを設け、クリアしない限りは採用を考慮しないと言う場合もあるでしょう。

職業スキルのフィットを重視する場合は、企業はより高い職業スキルを持った人物を上から高い順に採用していくことが望まれます。

カルチャーフィットの測りづらさ

性格特性の部分でのカルチャーフィットは、具体的に可視化しづらいのが特徴です。

性格特性に優劣はないため、誰が一番高い性格を備えているかよりも、適材適所の考え方がより現実的です。わかりやすい基準点と言うのが設けにくいのです。

カルチャーに関しては、個人の成長の過程で変化することも十分に有り得ます。具体的なビジョンのない若手であれば、リスクをとり新規事業に果敢に挑戦していきたい価値観が育ちやすかったり、家庭を持ったら堅実的なキャリア志向になりやすかったりすることもあります。

キャリアについての考えや性格特性には優越はなく、「合うか合わないかが重要だ」という前提から、適材適所に特化したマッチングを手助けするのがミツカリの特徴です。

中途採用・新卒採用での活用場面

中途採用・新卒採用では、どの部分でのフィットを重視するかが変わってきます。

中途採用ではチームで強化したい職業スキルが明らかである場合が多いため、相補的なフィットが重視されてきます。

新卒採用では、職業スキルのある程度備わっていない段階での人材に募集をかけるため、カルチャーフィットはより重要になってくると言われています

カルチャーフィットのメリットとは

定義が曖昧になりがちで測ることが難しいカルチャーフィットですが、そのぶんカルチャーフィットの利点を指摘する研究も増えてきています。

カルチャーフィットのメリットを定量的に分析した研究の代表的なものに、シェリダンが会計事務所を対象に行った研究があります(Sheridan, 1992)。彼の分析によると、作業重視の事務所はカルチャーフィット重視の事務所よりも一人あたり最大470万円の損失を出していることがわかりました。

彼の研究によると、作業重視の事務所に比べて、カルチャーフィットを重視する事務所ほど新卒社員が6年以内に退職する確率が低いことがわかりました。作業重視の事務所では、入社して12ヶ月後の退職率が上昇する傾向にありました。

全体的に見ると、作業重視の事務所の社員よりも、カルチャーフィットを重視する事務所の社員の方が、約14ヶ月長く従事する傾向がありました。6年間のうち、14ヶ月早く辞められてしまうことによる損失は、一人当たり最大で470万円にも及ぶようです。

どの段階の採用をしたいのか定義しましょう!

カルチャーフィットは、職業スキルなどの定量化が比較的しやすい領域ではなく、性格や人柄を考慮に入れたマッチングで実現します。比較的欲しい技術が明確である中途採用よりも、新卒採用でカルチャーフィットが多く見られます。

カルチャーフィットは定義しづらく可視化が難しいです。しかし、カルチャーフィット採用を実現できれば、早期離職に伴う金銭的、機会的なコストをより効果的に削減することができます。

効果的なカルチャーフィットを実現するためには、カルチャーフィットの定義を明確にし、どのような状況でカルチャーフィットが起こりうるのかを把握することから始めましょう。採用担当者は、自社がどのような人材が欲しいのかを念頭において、「相補的か補助的なフィット」なのか、「職業スキルかカルチャー」なのか優先順位をつけると良いでしょう。

中途採用ならば、第一選考の段階で職業スキルの評価を基準にし、第二選考からカルチャーフィットを測っていく方法があります。新卒採用ならば、第一選考の段階でカルチャーフィットを重視し、第二選考からスキルのポテンシャルを評価するのも良いでしょう。

中途・新卒採用の種類に関わらず、自社の求める人材を明確に定義することができれば、職業スキルとカルチャーフィットの両方をバランスよく評価する方法もあるでしょう。

弊社ミライセルフは、誰もが簡単にカルチャーフィット採用ができるようになる「ミツカリ」というサービスを開発・運営しております。ご興味がございましたら、是非ともご覧ください。

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