採用の現場でよく言われる「ポテンシャル」とは?
スポーツや音楽でも「あいつはポテンシャルが高い」と評価することがあるように、採用現場でも「ポテンシャル採用」という言葉があります。
ポテンシャルは「潜在能力」を示していて、専門性や技術そのものを指す言葉ではありません。抽象的なイメージが先行し「なんとなくすごい」といった曖昧さを感じている方も多いのではないでしょうか?
「ポテンシャル採用」は新卒や第二新卒など、社会人経験がほとんどない人材の採用でよく用いられます。現状の専門性やスキルでなく、伸びしろを重視した「今後の可能性」を採用基準としているのです。
この記事では、中途採用でも広がりつつある「職務経歴」や「スキル」だけでなく「ポテンシャルや熱意を重視した採用」を重視する採用についての要点を紹介します。
ポテンシャルの意味や定義とは?
「ポテンシャル」とは「潜在能力」という意味で、採用現場では新卒や第二新卒、若手社員などによく使われる言葉です。
「内在しているけれども、まだ表には現れていない能力」ということを意味していて、「伸びしろ」という言葉にも言い換えることが可能です。「センスがある」なども「ポテンシャル」に相当することだと言えるでしょう。
ポテンシャルの種類について
「伸びしろ」や「センス」と言っても漠然としすぎていますので、より具体的に「ポテンシャル」の中身を見ていきましょう。
自己分析能力の高さ
ポテンシャルが高い人材の特徴は、成長意欲に現れます。とりわけ「どうしたらもっとよくなるか」という思考・計画・行動・確認のPDCAサイクルを自分でしっかり回せる人はポテンシャルが高いと言えます。
重要なのが「自己分析能力」です。自分のことを客観的に捉え、目指す姿との差異を正確に知り、修正できる人はポテンシャルが高いと言えます。
成長意欲の高さ
自発的に成長できる人材は、そもそもの成長意欲が高いという特徴があります。
「仕事で好成績を残したい」「新しいビジネスに挑戦したい」という野心や前向きなスタンスは、その人のポテンシャルの高さに直結します。
柔軟な思考ができる
成長意欲やそれに向けたPDCAサイクルの実行の他にも「常識にとらわれない発想」もポテンシャルの高さになります。
例えば前職が全く違う業界の人でも、前職の知識を予想外な方面で応用し成果をあげるということがしばしば起こります。そうした人は物事を抽象的な次元で捉え、共通点を見出すのがうまいという特徴があります。
常識にとらわれない柔軟な思考というのは、大きな伸びしろにもなります。
なぜ「ポテンシャル」が注目されるのか?
「即戦力人材」だけでなく「ポテンシャル人材」が注目されるのでしょうか?
昨今問題となっている業界・業種を問わない人材不足の深刻化や「人材の流動化」などの流れをくんだものなど、複数の要因が考えられます。「人材の有効活用」が大きな課題となるなか「専門やスキルにとらわれない採用」が「ポテンシャル採用」として注目を浴びています。
新卒や第二新卒になると経験やスキルの不足が前提となるので、必然的に「ポテンシャル」を評価する必要があるのです。
人事担当者が使う「ポテンシャル」とは
人事担当者視点でもう少し「ポテンシャル」を見てみましょう。
企業単位、あるいは担当者単位で異なってくる部分もあります。しかし、基本的には「将来業績を上げるだろう」と期待される人について「ポテンシャルが高い」という評価を与えます。
具体的なスキルとして「ポータブルスキル」と呼ばれる業界・職種に依存しないビジネススキルを持っている人材も「ポテンシャルが高い」という評価がされています。
ポテンシャルとうまく付き合っていきましょう
ポテンシャルとは「将来活躍する可能性」のことです。「業績を上げる」ために必要なことは職場ごとに異なり、さまざまにあります。会社から与えられるミッションに対して柔軟な姿勢で順応していけることがまず大切です。
現職で「ポテンシャル」を期待されるのであれば、「まだ伸ばすことができるスキル」について期待される場合が多くあります。転職時には「すぐに活躍してくれるポータブルスキル」などが採用基準になりやすいと考えられます。
何を期待されているのかを見極め、更に掘り下げることが、ビジネスシーンにおける「ポテンシャル」とうまく付き合う方法なのです。