OJTの失敗事例とは?運用方法や目的、トレーナーを見直そう

OJTを失敗すると新入社員の戦力化が遅れる

OJTは現在多くの企業で定着しているため、誰でも一度はOJTを受けるトレーニーの立場になったことがあるかと思います。OJTを受けていて「このOJTは良くないなあ」と感じたこともあるのではないでしょうか。

リクルートワークス研究所の調査によると、OJTを実施しているのにも関わらず、OJTが機能していないと感じている企業は12.6%もあると言われています。せっかくOJTを実施していても機能していない場合、トレーニーが独り立ちするまでの期間が半年近く延びてしまいます。

OJTと独り立ちするまでに必要な期間
出典元『リクルートワークス研究所』人材流動性とOn the Job Trainingに関する探索的研究

今回の記事では、自社でOJTを実施する際に失敗しないための方法を、OJTの失敗例をもとにご紹介します。

OJTの失敗例とは?OJTを失敗しないための方法とは?

OJTを実施する際に気を付けるべきポイントを学ぶため、OJTの失敗例をいくつかリストアップします。

OJTの失敗例に自社のOJTと重なるところが無いかを振り返り、自社のOJTの問題点や課題点の発見に役立ててみてください。

  1. OJTに計画性が無く、現場の部署任せになっている
  2. OJTに割ける時間的な余裕が無い
  3. OJTのトレーナーが適切な指導方法を知らない

1.OJTに計画性が無く、現場の部署任せになっている

OJTの失敗例として1つ目に挙げられるのが、OJTに計画性が無く、現場の部署任せになっているケースです。

人事部がただ「OJTを実施してください」と現場の部署に依頼しても、現場の部署が「OJTとは何か?何のために、どのように行うのか?」を知らなければ、望んだ効果が得られることはまずないでしょう。

現場の部署がOJTの適切な進め方を理解しておらず、とにかく目の前の業務を覚えさせれば良いと思っていた場合、OJTを受ける側のトレーニーはただ作業をしているだけに感じて、成長実感を得にくくなってしまいます。

OJTを行う際に現場の部署との連携を取るためには、OJTについての認識を共有したり、OJTシートで目標やスケジュールを設定したりすることが効果的です。具体的な目標やスケジュールがあれば、OJTを行うトレーナーも受けるトレーニーもOJTの効果を実感して、OJTの成功につながります。

OJTの実施方法については「OJTによる教育研修の実施方法とは?PDCAのサイクルを意識しよう!」の記事で詳しく説明していますので、あわせてご覧ください。

2.OJTを実施するための時間的な余裕が無い

OJTの失敗例として2つ目に挙げられるのが、現場の部署がOJTの重要性を理解してはいるものの、人手不足や業務の忙しさからOJTを実施するための時間的な余裕が無いケースです。

忙しさを理由に新入社員へのOJTが行えず、とりあえずで簡単な業務だけ任せたままでいると、新入社員が「しっかり教えてもらえない」と感じてしまい、勤続意欲や成長意欲を失うきっかけになる危険があります。

OJTを実施する時間を作るためには、現場の部署全体にOJTの重要さを再認識してもらい、トレーナー以外の社員もOJTの実施に協力する体制を作ることが大切です。トレーナーの時間を作るために周囲の負担が増えてしまうことは事実ですが、OJTによって新入社員の早期戦力化ができれば、長い目で見れば部署の戦力アップや負担軽減につながります。

周囲の協力があっても時間が足りない場合は、Off-JTの活用を検討してみてもよいでしょう。Off-JTを活用すれば、外部のトレーナーが基礎の教育を済ませてくれるため、コストはかかりますが大幅に時間を節約できます。

Off-JTについては「Off-JTとは?言葉の意味やOJTとの違い、研修効果を高める方法とは?」の記事で詳しく説明していますので、あわせてご覧ください。

3.OJTのトレーナーが適切な指導方法を知らない

OJTの失敗例として3つ目に挙げられるのが、OJTの理解や実施するための時間は足りているものの、OJTのトレーナーが適切な指導方法を知らないケースです。

トレーナーが教える際に、感情的に怒ったり、トレーニーに自分で考えさせずすぐに答えを与えてしまったりすると、トレーニーが委縮してしまったり、自分で考えるのをやめてしまったりと、OJTの失敗につながります。

トレーナーが感情的に怒ることは、OJTを行う際に特にやってはいけないタブーです。怒るということは相手を非難し不満をぶつけることなので、怒られた側は「怒られた」という感覚だけが残り、ミスの理由や改善の方法について考える機会を逃してしまいます。

OJTにおいては、トレーニーに自分で考えさせない指導方法も好ましくありません。トレーニーに普段から自分で考えて解決する力を身につけさせなければ、先輩や上司がいないと業務が進められなくなり、自立が遅れてしまいます。

OJTで適切な指導を行うためには、トレーナーが「怒る」と「叱る」の違いを認識する必要があります。怒ってはいけないといっても甘やかせという意味ではなく、ミスに対して「感情的に」怒るのではなく「相手の成長のために理論的に」叱ることが大切です。

トレーニーに自分で考える力を身につけさせるためには、トレーニーのミスに対してただ注意するだけでなく「Why(なぜ)?」「How(どのように)?」を問いかけることが大切です。「なぜミスしてしまったのか?」「どのようにすれば次は上手くいくか?」をトレーニーが自分で考えられるようになれば、成長速度が飛躍的に向上し、トレーナーの負担も軽減されます。

OJTのトレーナーに求められる要素は人柄や価値観によるところが大きいため、OJTを失敗させないためには、トレーナーの人選が重要になります。

OJTトレーナーの人選については「OJTトレーナーに向く人とは?トレーナーの人選がOJTの質を決める!」の記事で詳しく説明していますので、あわせてご覧ください。

OJTを失敗しないために自社のOJTを振り返ろう!

OJTは現在多くの企業で定着していますが、実施してはいるものの上手く機能しておらず、OJTを失敗している例が存在します。

OJTの失敗例としては、教育研修を現場の部署に丸投げしていたり、現場にOJTを実施する余裕が無かったり、トレーナーの指導方法に問題があったりなど、OJTが失敗する原因になる要素は様々な段階に潜んでいます。

自社でOJTを失敗しないためには、人事部で計画を立てるだけでは不十分です。失敗例から自社のOJTを振り返り、現場にOJTを行える余裕があるか、OJTトレーナーの人選は適切かなどを確認することで、新入社員の早期戦力化につながる効果的なOJTを実施できるでしょう。

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