離職率の高い会社の特徴とは?定着率の悪い会社には共通点がある!

離職率は長らく改善されていない指標である

人事担当者が自社のデータの中でも気になる指標として挙げられるのが「離職率」です。

「離職率」が低ければ、新卒や中途の採用においても有利なデータになるため、求人広告や自社の採用ページなどでもアピールすることができますが、「離職率」が高い場合、採用に不利になってしまうためアピールにならないばかりか、求職者から質問されても、答えに窮してしまいます。

大卒の入社3年以内の離職率は長らく30%前半で推移しています。バブルが崩壊した平成3年~平成5年、リーマンショックが起きた直後である平成21年が30%以下ですが、経済危機がない年だと30%を超えています。

新卒の3年以内の離職率
出典元『厚生労働省』新規学卒者の離職状況

これだけ多くの人事担当者が「自社の離職率が高い」と感じていることもあり、人材採用において離職率の改善は非常に重要なテーマとなっています。そして、就活生や転職検討者にとっても非常に関心の高いテーマが「離職率」です。

離職が発生することで、人事担当者は欠員補充のための採用活動が求められます。従業員規模100名の企業の場合、3年以内の離職率が30%としても、1年で10人を採用しなければなりません。

マイナビの調査によると、1人あたりの採用費平均は48万円となっています。10人を採用する場合には、毎年480万もの採用費用をかけなければなりません。売り手市場によって採用費用は増加傾向にあり、コスト負担はより増加していくと考えられます。

2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査
出典元『マイナビ』2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査

内定者1人あたりのエントリーシート提出数は19.3件であることが報告されています。内定者1人を決めるためには、約20人ものエントリーシートを読み、選考判断を行わなければなりません。内定者10人であれば、200人ものエントリーシートを読み込む必要があります。また、1次面接の実施回数は86回にも至ります。

内定者1人あたりの平均値
出典元『マイナビ』2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査

リクルートの調査によると、10人の採用をするためには、内定を16.7人に出しても、実際には9人しか入社しないとの調査があります。逆算すると、10人を採用するためには18.5人の内定者が必要です。18.5人の内定者を決めるためには、約370件ものエントリーシートを毎年読み込み、1次面接だけでも約160回実施しなければ、欠員補充ができなくなります。

内定出し人数および内定数の割合
出典元『リクルートキャリア』就職白書2019

離職率については、多くの企業で数値を下げようと努力している企業が増えてきています。例えば「育てた人材を手放したくない」「新規の人材採用が困難」などの理由で実際に離職率の改善対策に取り組んでいる企業もあります。

離職率改善の取り組みを行っても、なかなか簡単には離職率が下がりません。そこで、そもそも離職率が高い会社に特徴はあるのでしょうか。もし、あるとしたらどのような特徴なのかを分析して、離職率の削減の参考にしてみましょう。

離職率の高い会社には特徴がある

実際に離職率が高い企業を分析したところ、多くの企業で共通する特徴がありました。共通する離職率が高い企業の特徴を解説した上で、自社とどのくらい共通しているのか、自社の問題点を認識した上で離職率を削減できる改善方法をご紹介します。

離職率が高い会社の5つの特徴とは

離職率の高い会社を分析した結果、離職率が高い会社には5つの特徴があることが判明しました。その5つの特徴を紹介します。

1.労働基準法に違反している

離職率が高い企業の特徴として多くの企業が当てはまっている点が「労働基準法に違反している」点です。「労働基準法に違反している」点にも会社によって程度の差がありますが、基本的には「労働基準法に違反している」会社は離職率が高くなっています。

「会社としては労働基準法を遵守しようとしているが、現場が忙しすぎて守られていない」などの場合は、離職率が必ずしも高い企業ばかりではありません。しかし「そもそも会社として労働基準法を守ろうとする姿勢がなく、社内ルールや約束事すら守られていない」ような場合、離職率が非常に高くなる企業が多く存在します。

労働基準法を遵守しようとすれば、それだけで離職率を下げられる可能性が高まると言えます。

2.求人票(求人広告)と労働条件通知書の内容が異なる

求人票や求人広告と実際に雇用者に渡す労働条件通知書の内容が異なる企業も離職率が高い特徴があります。特に入社した人がすぐに離職をしてしまう定着性に課題のある企業の場合は、この理由が大きくなっています。

労働条件通知書の内容をしっかりと確認する転職者などは、内容が異なれば内定の時点で辞退を行いますが、そうではない転職者の場合には、入社してから、不満を感じて早期離職に繋がる可能性が高くなります。

入社後での早期退職は、入社手続きや教育研修コストなど、内定辞退よりも多くの問題を引き起こします。新入社員とのコミュニケーションがうまくいかないことで、既存社員にも「教育すらちゃんとできないのか」とコミュニケーション不和を生み出す要因となる可能性もあります。

実際に労働者は労働条件通知書よりも求人票や求人広告の内容を見て応募してきていますので、求人票や求人広告の内容によって期待値が高くなる傾向にあります。実際の労働条件が悪ければ「裏切られた」と感じて早期に辞めてしまうため、離職率が余計高くなってしまいます。

リアリティーショックとは、入社前に描いている職場や仕事の理想と現実のギャップのことを指す言葉です。ある調査では、入社後1か月という短期間にも関わらず、新入社員の6割以上がリアリティーショックを感じていると報告されています。理想と現実のミスマッチは、早期離職だけでなく、様々な問題を引き起こします。また、新入社員だけでなく、既存の社員であってもリアリティーショックは起こりえます。リアリティーショックが引き起こす問題について、説明します。

3.メンター・教育者が不在、もしくは適した人材を選出していない

同じく直近で入社した人の定着性の観点ですが、入社した人をサポートするメンター・教育者がいないような会社やメンター・教育者がいない、いたとしても適した人材を選出していない場合にも離職率は高くなる傾向があります。

メンター・教育者がいない会社であれば、入社者に対して「困ったことがあれば誰に聞いてもいいよ」と伝えています。しかし、実際は入社者は困ったことがあっても、周囲に遠慮してしまい気軽に質問できず、大きくストレスを抱えてしまいます。不安やストレスを抱えたまま、仕事に馴染めず、離職に繋がってしまうこともあり得ます。

せっかくメンター・教育者を設置したとしても、メンター・教育者に適格ではない人物を指名した場合には、却って逆効果となることもあり得ます。メンター・教育者の性格や指導が不適切なため、それが起因して退職となってしまうことも起こりえます。

若手人材の教育だけでなく、離職率を低下させる手法としてもメンター制度が注目されています。日本政府も、メンター制度導入で受給できる助成金を設けたり、メンター制度導入マニュアルを無償で公開したりと、企業にメンター制度の導入促進を行っています。メンター制度を導入すれば必ず効果が得られるわけでなく、メリットだけでなくデメリットにも着目し、事前に対策を練っておくことが効率的な運用には欠かせません。今回はメンター制度導入のメリットやデメリット、デメリットへの対策について説明します。

4.評価制度が存在しない

評価制度が存在しないような会社も離職率が高くなる特徴があります。実際に評価制度がない場合には、労働者がどのように努力をすれば良いのかが分からないだけで無く、努力や成果を出したとしても、適切に評価をされているように感じない事が起こりえます。

「会社に認めてもらえない」「この会社に自分は不要な人材として扱われている」と不満を感じて退職に至るため、離職率が高くなります。

5.福利厚生などがない、もしくは少ない

福利厚生がない企業や少ない企業も離職率が高くなる特徴があります。

福利厚生があることで自社に所属する満足度を高めることができるだけでなく、労働者が知人などと比較したときに自社が福利厚生がなかったり、少ない場合、それが起因して転職を行う事が起こります。

社員の満足度だけでなく、社員を繋ぎ止めることや入社者を増やすためにも福利厚生は重要な取り組みと言えます。

離職率の高い企業に共通する特徴を見直す

離職率の高い企業には、共通する特徴があります。「自社は離職率は高くないので大丈夫」と思っていたとしても、この記事で紹介した「離職率の高い企業に共通する特徴」に当てはまる事があるのであれば、今一度見直してみるのはいかがでしょうか?

「労働基準法に違反している」「求人票(求人広告)と労働条件通知書の内容が異なる」などは、すぐに改善すべき内容です。仮にすぐに改善できないとしても、改善する取り組みについてはすぐに実施できます。

「メンター・教育者が不在、もしくは適した人材を選出していない」のであれば、新たにメンター制度・教育制度を導入する、適した人材を選出するために適性検査を利用して、相性の良い上司の元に配属するなどの改善が必要です。メンター制度の導入については、助成金が受給できる場合もありますので、検討してみるのも良いでしょう。適した人材を選出するには、ミツカリのような、人間関係の相性が確認できるサービスを利用してみましょう。

メンター制度導入によって得られる効果には、人材育成だけでなく離職率の低下や社内コミュニケーションの活性化など、様々なメリットがあります。政府としても近年の離職率に課題意識を持っており、メンター制度導入によって離職率を低下させた場合に助成を行う人材確保等支援助成金の雇用管理制度助成コースを設けています。メンター制度を導入することで助成金を受けるためにはどうしたら良いのか、助成金の概要や受給要件、受給金額などについて説明します。

「評価制度が存在しない」「福利厚生などがない、もしくは少ない」は短期的な改善が難しいものの、中長期的な改善は可能です。自社で活躍してくれる人材はどのような特徴があるのか、どのようなスキルが会社に貢献してくれているのか、ハイパフォーマーの特徴から、自社での評価制度の土台を作ってみましょう。福利厚生についても、自社の従業員がどのような福利厚生を求めているのか、実際に社員の声を聞いてみることで、様々なアイディアが生まれるはずです。福利厚生を無償で実施するのは難しいですが、離職に伴うリスクを考えれば、必ず安くなります。

採用活動を成功させるためには、自社で活躍する可能性の高い応募者を見極めることが大切です。一般的に優秀とされている人物が自社で活躍する保証はないため、自社で活躍している社員から特徴を抽出するためにハイパフォーマー分析を行うことが、採用要件定義や教育研修などに落とし込む上で大切です。採用選考では、育成しやすいスキルよりも変化しにくい性格や価値観に焦点を絞る方法が有効です。今回はミツカリを使いながら、ハイパフォーマー分析をする方法をステップごとに説明します。

実際に離職率が高いことで悩んでいる企業の場合には、早速ここで挙げた共通する特徴を一つ一つ見直していきましょう。

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