組織文化(企業文化)の構成要素や具体例とは?自社のカルチャーを定義しよう!

企業文化が会社に影響を与える要素とは

ベイン・アンド・カンパニーによる「経営管理の手法と傾向に関する世界調査」で、グローバル企業の上級幹部1200人のうち91%が「企業文化は戦略と同じぐらい重要である」という意見に賛同しているという調査結果が出ています。別の調査によると、企業幹部の81%が「文化なき企業は並の業績しかあげられない」意見に賛同しています。市場を勝ち抜くために「企業文化」が「事業戦略」と等しいレベルで重要視されていることが分かります。

出典元『PRESIDENT Online』なぜ、優秀な会社は、企業文化を大切にするのか

企業文化には、自社の企業文化に惹かれた母集団形成ができることで従業員の定着率が向上する、意思決定の指針が定まることで迅速化するなどの効果もあります。そのためには社内だけでなく社外に向けてもアピールできるように、企業文化を明文化することが必要です。

企業文化は組織風土と異なり、外部からの影響も受けながら徐々に形成・変化するものです。自社の10年前の企業文化と現在の企業文化が異なることは往々にして起こりえます。今回は、企業文化に影響を与える要素として、どのような要素があるのかを説明します。

企業文化に影響を与える要素とは

企業文化とは「企業や従業員が意識的・無意識に共有している独特の価値観や企業規範、前提条件・ルール」などで「行動原理となる価値観」を指しています。外部からの影響も受け、徐々に形成されたり変化したりするものです。

企業文化を形成・変化させる主な要素としては、以下の要素が挙げられます。

  1. ビジョン(Vision)
  2. 価値観(Values)
  3. 慣行(Practices)
  4. 人材(People)
  5. ストーリー(Narrative)
  6. 場所(Place)
  7. 外部からの影響(Environment)

ビジョン(Vision)

ビジョン(Vision)とは、会社の理想の状態や目的のことを指します。会社は理想の状態や目的を達成するために活動するため、企業が活動する理由となる価値観を形成します。従業員も、会社が達成しようとする理想の状態や目的を共に達成しようとすることで、その目的に適した意思決定を行うようになります。

ビジョン(Vision)が社会貢献などにおいて魅力的かつ明瞭、企業の活動も伴っている場合は、社内の従業員だけでなく、社外の顧客やパートナーなどにも伝わります。

  • お客様に笑顔と満足を届ける
  • 社員一人ひとりがやりがいを持てる環境に
  • 何ごとも誠意と熱意で取り組む
  • 世界中の人々から愛される企業であり続ける

思い描くビジョンを表現したスローガンが、企業の価値観を支え、社員の意思決定をあるべき方向へ導きます。

価値観(Values)

価値観(Values)とは、会社が何に価値を置いているかという評価基準です。コアバリューとも言われています。

ビジョン(Vision)は企業の目的を明確に示していますが、価値観はビジョンを達成するために必要な行動様式や判断基準、考え方を示しています。目的を達成するための過程(プロセス)に影響を与えています。

  • 自分らしさや個性が発揮できる
  • マニュアルに沿った仕事をする
  • チームワークを重視している
  • 失敗を恐れずチャレンジする

価値観は顧客や取引先への対応、社内での行動、仕事の質や成果などに影響を与えます。

慣行(Practices)

ビジョンや価値観を作成しても、従業員の考え方に浸透し行動にあらわれていなければ意味がありません。定めたビジョンや価値観が実際の業務一つひとつに組み込んでいく必要があります。

例えば、失敗を恐れずにチャレンジするという企業文化を浸透させたいのであれば、新しいアイデアや企画などを評価する制度を作りチャレンジを後押ししたり、挑戦した結果としての「失敗」に対する企業の評価姿勢を示したりすることで企業文化が浸透していきます。

人材(People)

ビジョンや価値観に共感してくれる人材がいなければ、企業文化を形成していくことはできません。会社の価値観にマッチした人材は離職率が低くなる傾向にあり、生産性は向上すると言われています。

「優秀」とか「能力がある」などといったことだけではなく、自分たちの会社の企業文化にふさわしい人材を採用することが重要です。

優れた企業文化を持つことで有名なアメリカの靴の通販会社「Zappos(ザッポス)」では「優秀な人材ではなく、普通の人材で良い。」と言い切っています。「カルチャーフィットしない人材は、どんなにスキルがあっても採用しない」として、採用合格率1%ほどの厳しい基準を設けながらも、「採用されたけど、文化に合わない」と判断された人には2,000ドルの採用辞退ボーナスを提示するなど、自社の企業文化に合う人材の採用に注力しています。

ストーリー(Narrative)

創業時のエピソード、創業者の生い立ち、など企業の歴史が繰り返し語り継がれながら企業文化は形成されていきます。同業界で類似したサービスを提供する企業同士であっても、創業時のエピソードや企業の歴史は異なるため、異なる文化が生まれる要素となっています。

Appleのスティーブ・ジョブズは、最初のMacintoshをデザインしている時に、10年前に大学を退学しながらも受けた「カリグラフィー(Calligraphy、文字を美しく見せるための手法)」を全て詰め込むことで、美しい書体を有した初めてのコンピュータを開発しました。その結果、デザイン戦略に富んだ、現在のMacBookやiPhoneなどの製品が生まれたとも考えられます。

場所(Place)

企業文化の形成は会社の存在する場所も大きな影響を与えています。どんな場所で、どんな建物なのか、どんな内装なのかなどによって、そこで働く人の価値観を形成していくことになります。場所(Place)は、東京などの立地はもちろんのこと、社内オフィスの環境も含まれています。

例えば、課やチームごとにデスクを配置することでチームワーク力を活かすような文化が生まれたり、個々のデスクを廃止することで、生産性や効率を考えたり自由な発想が生まれやすくなる文化を築いたりします。

社長室などの執務室でなく、大部屋のオフィスで社長も一緒に働いている会社であれば、従業員が社長の働き方を見て学ぶことはもちろんのこと、社長も現場のことを身近に感じてくれていることが伝わるでしょう。

外部からの影響(Environment)

企業文化は、外部からの影響を受けながらどんどん変化していきます。取引先やクライアント、業界などからも影響を受けます。

例えば、工業製品を扱う安定・保守的なメーカーにおいて、競合他社が「安定・保守的」な企業文化から「挑戦的・革新的」な企業文化に変わり市場のシェアも奪われている状態であれば、自社の今後について「安定・保守的」なままか「挑戦的・革新的」に変わるべきかを考えなければなりません。また、市場の需要が「安定・保守的な製品」から「挑戦的・革新的な製品」に変わっていった場合は、「挑戦的・革新的な製品」を作るだけでなく、企業文化自体を新しい企画案などが生まれやすい文化に変えるべきかを検討する必要もあるでしょう。

企業文化を理解することで活用に繋がる

企業文化は組織風土同様に、様々な抽象的な概念も含め影響が組み合わさってできあがっていくものです。

企業文化を上手に活用するためには、現状の企業文化を把握することはもちろんながら、何故このような文化が形成されたのか、各要素を掘り下げて考えることも重要になります。

自社が目指したい企業文化を明確にしながら、現状との乖離を理解することで課題を明らかにし、その原因については「組織文化を構成する要素」から探ってみてはいかがでしょうか。

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