職務適応性検査とは?適性検査はほとんどの企業が実施している!
適性検査とは、ほとんどの企業が実施している、採用活動において重要なプロセスです。リクルートの「就職白書2019」によると、採用活動プロセスで「適性検査・筆記試験」を実施している企業は全体の91.8%で、面接や内定出し、説明会に次ぐ実施率という結果が出ています。
職務適応性検査とは、将来的な予測・予見までを含めて、人材が職務をスムーズに遂行するために必要な知識や技術をどれだけ速く身に付けられるかを測る検査です。
職務適応性検査や適職診断などの適性検査では、心理学研究にもとづいた性格や価値観による得意・不得意を仕事の職務内容に照らし合わせることで、受検者の自社への適性を見抜く速度と確度を上げることができます。
今回の記事では、職務適応性という言葉の意味や定義について説明した上で、職務適応性検査のメリットとデメリットをご紹介します。
職務適応性検査とは?言葉の意味や検査のメリット・デメリットについて
職務適応性検査とは、将来的な予測・予見までを含めて、人材が職務をスムーズに遂行するために必要な知識や技術をどれだけ速く身に付けられるかを測る検査です。
職務適応性検査について、言葉の意味やメリット・デメリットなどをご紹介します。
職務適応性という言葉の意味や定義とは?
職務適応性検査で測る「職務適応性」とは、適性検査の中で「能力的側面」とも呼ばれるもので、職務の遂行に必要な知識・技術獲得のための基礎的な能力を意味する言葉です。
「適性」という言葉は、単に「人物特性と職務・職場の特性・特質がマッチしているか」を意味するように思われがちですが、実際には「職務要件を獲得するための可能性や将来性を持ち合わせているか」を意味する言葉です。
職務適応性検査を活用するメリットとは?
職務適応性検査を活用するメリットは様々ですが、代表的なものを5つご紹介します。
- 人材の性格や仕事への適性を測れる
- 雇用のミスマッチを防止できる
- 客観的な基準で評価できる
- 応募者が持つ潜在的なリスクを把握できる
- 応募者の将来的なポテンシャルを推測できる
1.人材の性格や仕事への適性を測れる
職務適応性検査を活用すると、具体的な作業効率や時間配分、長時間の集中力や作業の正確性といった、人材の性格や仕事への適性を心理学的なアプローチから測ることができます。
従来の面接や筆記試験などでは実際に働いてもらうまで分からなかった、作業の効率や正確性を判断できるようになることは、採用活動において大きなメリットです。
2.雇用のミスマッチを防止できる
職務適応性検査を活用すると、採用活動における雇用のミスマッチを防止することができます。
雇用のミスマッチとは、採用活動で人材が集まらなかったり、採用できても早期離職されてしまうといった、企業側と求職者側のニーズが一致していない状態のことです。
職務適応性検査では、雇用のミスマッチ防止を念頭に、応募者が本当に自社の求める人材かどうかを客観的に見極めることができます。
3.客観的な基準で評価できる
職務適応性検査を活用すると、応募者の自己評価や面接担当者の主観などの不確かな基準ではなく、客観的な基準で応募者を評価することができます。
応募者の自己評価は、面接対策や過大評価などのリスクがあるため信用性に欠け、面接担当者の主観は、どうしても個人の経験や価値観による判断が入るため公平性に欠けます。
職務適応性検査による客観的な評価基準があれば、信用性・公平性のある統一した基準で応募者を評価できます。
4.応募者が持つ潜在的なリスクを把握できる
職務適応性検査を活用すると、面接時に応募者が隠したがるような、潜在的なリスクを把握することができます。
人は誰でも何かしらの苦手や欠点を抱えているものですが、面接で自分のマイナス要素を包み隠さず話す応募者はまずいません。職務適応性検査のような選択式の性格検査では、いくつかの質問の間に関連性があり、回答に矛盾が生じていれば応募者が嘘やいい加減な回答をしている可能性に気付くことができます。
職務適応性検査の結果を参考にすれば、面接時には良さそうに思えた人材が、雇用してしばらくすると最初のイメージと全く違ったというようなリスクを軽減できます。
5.応募者の将来的なポテンシャルを推測できる
職務適応性検査を活用すると、応募者が現時点で持っているスキルだけでなく、将来的なポテンシャルを推測することができます。
職務適応性検査で測れる内容は、応募者の知能や知識だけではなく、性格や価値観などの将来に影響を及ぼす要素も含まれます。
現在の時点でスキルが低い応募者でも、教育研修や個人の経験次第で大きく成長し得る可能性を分析できることは、職務適応性検査の大きなメリットです。
職務適用性検査を活用するデメリットや注意点とは?
職務適応性検査を活用する際には、注意すべき点が大きく分けて3つあります。
- 検査結果だけで完全な評価はできない
- 利用する適性検査によっては、応募者が事前に対策できてしまう
- 客観的な評価に頼りすぎてしまう
1.検査結果だけで完全な評価はできない
職務適応性検査に限らず、どの適性検査でも言えることですが、検査結果だけで人材を完全に評価することは困難です。
人材のスキルやモチベーションには、企業や部署の職場環境や、職場でのコミュニケーションなど、様々な要因が影響を及ぼします。職務適応性検査の定性的なスコアだけの評価では、人材のスキルや性格は見抜けても、自社の社風や人間関係に合うかどうかの判断はできません。
職務適応性検査の結果だけを見るのではなく、面接やディスカッションなど、他の選考結果と合わせて総合的に評価することが必要です。
弊社サービス「ミツカリ」では、AIによって会社全体や部署ごとの価値観と人材の価値観を可視化し、採用・配属におけるマッチ度を測りミスマッチを防ぐことができます。
2.利用する適性検査によっては、応募者が事前に対策できてしまう
職務適応性検査のような論理的な能力検査は、応募者が事前に対策できてしまうというデメリットがあります。
SNSが発達した現代では、企業の検査内容が簡単に第三者に共有されてしまうため、後にテストを受験する人の方が有利になる可能性を想定しておく必要があります。
3.客観的な評価に頼りすぎてしまう
職務適応性検査のメリットの1つに、人材を客観的な目線から評価できることがありますが、客観的な評価に頼りすぎると自社特有の強みが薄れてしまう可能性があります。
職務適応性検査による客観的な評価だけを頼りに採用活動を行うと、単に世間一般の基準で評価が高い人材を採用するだけになり、自社ならではの人材を確保することが難しくなります。
自社にどのような人材が必要かを判断し、求める人物像を定めておくことで、職務適応性検査のメリットを最大限に活かすことができます。
職務適応性検査による客観的な評価は、重要な採用基準になる!
職務適応性検査とは、将来的な予測・予見までを含めて、人材が職務をスムーズに遂行するために必要な知識や技術をどれだけ速く身に付けられるかを測る検査です。
職務適応性とは、人材の性格や価値観から、どのような職務・業務に適しているかを評価した指標です。職務適応性を活用するためには、自社の業務でどのような能力がどの程度求められるのか、業務分析を行うことが大切です。
応募者の自己評価や面接担当者の主観などの不確かな基準ではなく、客観的な基準で応募者を評価できる職務適応性検査は、今後の採用活動において重要な採用基準の1つになるでしょう。