ITエンジニアにおけるジョブホッパーとは?業界特有の特徴について

ジョブホッパーとキャリアビルダーとは

明確な定義はありませんが、半年や1~2年という短期間で転職し、転職回数が4,5回を超える人を「ジョブホッパー」と呼びます。

一数年で転職を繰り返すという点は同じですが、次々と転職を成功させる人もいます。この人たちは、計画的に転職してキャリアを積み重ねるので「キャリアビルダー」と呼ばれ、転職をするたびに収入や待遇がアップしていくのが特徴です。

キャリアビルダーは、転職する前に次につながる結果を積み上げる傾向があるため、転職するたびに幅広いスキルを身につけていきます。自身の人材価値を高めてからの転職であるため、企業からは即戦力として期待され、転職回数が多くてもポジティブに見られることが多いのです。

ジョブホッパーの特徴について

  • これまでの職務経験が一貫していない
  • 辞める理由が曖昧。人間関係や労働条件の悪化など
  • 転職のたびに給料が下がっている

キャリアビルダーの特徴について

  • これまでの職務経験に一貫性がある
  • 転職理由が明快で筋が通っている
  • 転職のたびに給料やポジションが上がっている

IT業界は転職回数が多いのか?

厚生労働省の調査では、情報通信業で転職者がいる割合は48.7%と、約半数の事業所に転職者がいることがわかります。

産業別転職者がいる事業所割合
出典元『厚生労働省』平成 27 年転職者実態調査の概況

DODAの調査では、WEBデザイナーなどのクリエイティブ系の職種は、転職回数が多くても比較的成功率が高い傾向にあることがわかります。

職種別:転職回数と成功率
出典元『doda』転職は何回まで許される?転職回数と成功率の関係性

IT業界では転職者が珍しくはなく、転職回数が多くても、転職に成功する割合も他の業界と比べ高いことがわかります。

では何故IT業界では転職回数が多いのでしょうか。IT業界におけるキャリアビルダーとジョブホッパーの違いはどこで生まれるのでしょうか。

この記事では、この2つの点について説明します。

IT業界で転職回数が多い理由とは

IT業界で転職回数が多くなることに理由はあるのでしょうか。以下に、理由を挙げていきます。

専門職でスキルが身につくため、転職しやすい

IT業界では、勤続年数よりも、どんなスキルを持っているかが重要です。

「エンジニアの35歳定年説」と言われていたように、IT業界では30代になるとプロジェクトリーダーやマネージャーという立ち位置で仕事をしていくことが多いようです。それまでに経験を積み、将来いい仕事をしていきたい、という考えがあります。「新しいことにチャレンジしたい」「より高度なレベルの仕事がしたい」というスキルアップを目的とした転職が目立ちます。

IT業界では、他の業界に比べ、スキルのない人でも意欲があれば、チャンスが与えられる土壌があるようです。スキルアップに意欲的な人、チャレンジ精神が旺盛な人は、様々なスキルを身につけていきます。スキルアップし実力をつけた人は、オファー年収が高くなる企業に転職でき、さらに自分のスキルを磨いていきます。

つまりやる気があるため、チャンスが与えられる。チャンスがあるから、スキルが身に付く。スキルが身につけば、年収が上がるような転職ができる。転職すれば、さらにスキルアップする。という好循環の転職サイクルが生まれるため、転職回数が多くなります。

今の場所ではもう成長できなくなったため、新しいチャンスや成長を求めて転職する、という考えが多数を占めているようです。

分野も多様なため、専門を活かせる場所を探して転職する

一括りにIT業界といっても、業界内には様々な業種や職種があります。業界としては技術職のイメージが強いかもしれませんが、中には営業やエンジニアをサポートする事務職もあります。

業種としては、インターネットビジネス系統、情報処理関連分野、ハードウェア関連/ソフトウェア関連、インターネットビジネス系統、アプリを開発したり、SNSビジネスを展開したり、インターネットの世界に関連するビジネスを行う分野などがあります。

業種も職種も多種多様なため、自分のスキルアップのため、新しいチャンスを求めての転職がしやすい傾向にあります。経験を積んで転職し、さらに成長する。IT業界にいる人は、関われる業務内容も多く、経験も豊富な人材が多くなると捉えられているため、マネジメント力や営業力・技術力を磨き上げた人は、ヘッドハンティングされる可能性もあります。

ヘッドハンティングされれば、さらに転職回数は増えます。

技術進歩が激しい業界であるため、最先端の技術を活用できる企業に転職する

技術進歩のスピード感が早いことも、転職回数が多くなる1つの要因でしょう。

WEB業界の言語や技術環境は、日々進化しています。成長意欲のある人は、自分の技術力が試せる、新しい技術が身につけられる、といった環境があれば、積極的に飛び込んでいきます。

特にエンジニア系は、1つの会社で技術を極めるよりも、色んな技術を知っていて対応できる人が重宝される傾向があります。仮に会社で問題が発生しても、前の職場で培った技術力で対処できることがあるからです。

IT業界の多くの企業は、世の中にはない技術や方法を成し遂げようとしているため、色んなことをどんどん試して、どんどん失敗して、成功に近づけていく傾向があります。そのため、試行錯誤の速度がとても速いのが特徴です。

試した失敗の数だけ、その試行錯誤は経験となり、スキルとなります。このように最先端の技術を求めて転職する人も多いのです。

エンジニアは手に職がある職種なので、会社にずっと居座り続けるというよりも、将来的にはフリーランスになることを視野に入れている人も多いようです。若いうちに技術力を磨き上げて、将来はフリーランスとして活躍する。そのための転職のため、長く勤務するという考えは、もともとないのかもしれません。

IT業界におけるジョブホッパーとキャリアビルダーとは

IT業界では、他の業界に比べて転職回数が多く、ジョブホッパーとキャリアビルダーが二極化していると言われています。ではIT業界におけるキャリアビルダーとジョブホッパーの違いはどこで生まれるのでしょうか。

近年、IT業界では、新卒でも即戦力を求める風潮が強まっています。名の通ったベンチャー企業でも、業界としての歴史がまだ浅いため、即戦力になる新卒の採用を希望しています。そういった事情からも、中途採用は即戦力であることが求められます。自社にない経験やスキルを持ち込んでもらって、会社自体を底上げしたいというニーズも見え隠れしています。

企業が中途採用者に求めていることは、スキルを持っているかどうか、というところに尽きるでしょう。

スキルアップを目指し、実行している転職者は、企業から人気のある転職者、つまり、キャリアビルダーとして認められるというわけです。特に意欲的な人、具体的には、希少価値のあるアプリのエンジニアや、自分でサービスを作っている人などは、採用担当者からの人気は高いようです。

反対に、転職する理由を「上司とウマが合わない」「仕事がつまらない」といった環境のせいにしている人は、ジョブホッパーとみなされます。IT業界では、問題があっても自分の力で何か変えられるのではないかと、あらゆる試行錯誤ができる人が求められているからです。

IT業界で、キャリアビルダーになるために必要なこと

自社にはない経験やスキルを持ち込んでもらい会社自体を底上げしたい、と考えている企業にとって、中途採用のコストは、経営戦略の中でも重要度の高い項目です。

採用してから育成し、売り上げに貢献するまでは、企業側からするとマイナスの投資です。1年未満での転職が多い人や、転職理由に一貫性がない人は「またすぐに辞めるのでは?」と、企業側の評価は悪くなります。

「すぐに辞めるかもしれない」という懸念が払拭でき「自社で活躍してくれそうだ!」という期待を持つことができれば、転職回数が多い人でも採用されるのが、IT業界の特徴です。

IT業界では、試行錯誤を繰り返し、経験を積むことで、自分のスキルを磨いている人がキャリアビルダーとして認められます。

自分のスキルを磨いていけば、どこかに所属していなければ仕事ができない、ということはなくなり、例えフリーランスであっても働くことができるようになるのです。

キャリアドリフトという考え方について

転職回数が多い人でも、意欲がありスキルアップを目指している人は、比較的転職しやすいのがIT業界の特徴です。しかし変化の激しい業界のため、キャリアを積み重ねるためのプランを明確にすることが難しい業界でもあります。

あらかじめキャリアを積む方法を決めておくのではなく、大きな方向性だけを決めておき、人生の節目がくれば自分のキャリアについて考え方向修正をする方法が新しく出てきました。この考え方を「キャリアドリフト」といいます。

「キャリアドリフト」の考えでは、自分のキャリアについて事前に事細かに決めることはしません。大きな方向性だけを決めておき、重要な決断を迫られるような人生の節目までは、あえて流れに身を任せます。節目を迎えるたびに立ち止まり、次のステップをしっかりとデザインします。

10年、20年後のキャリア設計をいくらきちんとしようとしても、実際は不可能に近いものです。特に変化の激しいIT業界では、キャリアドリフトという考えが合っているのかもしれません。

目的を持って転職をするということ

IT業界は転職回数に対するハードルが低いことが特徴ですが、「転職回数の多い人は離職率も高いから避けたい」ことが企業の本音であることは、押さえておきたいポイントです。

自社・他社含め、財務状況はもちろんのこと、キャリアアップ・スキルアップの観点でも状況が急変しやすいため、キャリアを積み重ねるためのプランを明確にすることが難しい業界でもあります。だからといって、自身のキャリアについて考えないままに転職を繰り返していると「ジョブホッパー」として認識され、気付いたときには自分の人材価値が下がっていた、となっては問題です。

「明確かつ一貫している目的を持っている」転職を繰り返している「キャリアビルダー」として認識されるためにも、「嫌だから転職する」といったネガティブな理由だけでなく「将来こうなりたいから転職する」といったポジティブな理由を見つけて転職するように心がけましょう。

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