タレントマネジメントとは?目的やメリット・デメリットについて

タレントマネジメントとは?人材難に悩む日本企業

現在の経済市場では、グローバル化が進むだけでなくロボットや人工知能などの発達により、知識や知恵を自社の付加価値へと昇華するナレッジワークが求められています。

日本は少子化に伴う労働人口の減少や労働力不足が深刻化しており、帝国データバンクの2019年1月調査では、正社員不足に陥っていると答えた企業は53.0%と、過半数の企業が労働力不足を実感しています。

従業員が不足している企業の割合
出典元『帝国データバンク』人手不足に対する企業の動向調査(2019 年 1 月)

人材難が深刻化している日本において、競合他社との人材獲得競争に勝利することは、人事業務の中でも自社の維持や発展に直結する特に重要な課題です。

人材難は今後も継続すると考えられ「タレント(優秀な人材)」の獲得を含めた「タレントマネジメント」が注目されています。

今回はタレントマネジメントの意味や目的、タレントマネジメントを行った際のメリットやデメリットについてご紹介します。

タレントマネジメントの意味や目的、メリット・デメリットとは?

タレントマネジメントとは、自社の抱える「タレント(優秀な人材)」の能力や特性を把握して、パフォーマンスを最大化するために「マネジメント(最適な人材配置や人材教育など)」を行う人事戦略です。

タレントマネジメントの具体的な取り組みは定義や企業によって異なります。タレントマネジメントの主な内容としては、人材の採用や人材教育、適材適所の実現などを通して、職場の生産性の向上や優秀な人材の維持・能力開発を総合的に進めていく取り組みになります。

タレントマネジメントの「タレント」の意味とは?

タレントとは、英語の「talent(才能・素質)」から派生した言葉で、才能や素質のある「優秀な人材」を意味します。

優秀な人材といっても、どのような才能や素質の持ち主を優秀とするかは企業や業種によって異なります。タレントマネジメントにおける「タレント」とは「自社にとって必要な人材」のことを指します。

タレントマネジメントの施策内容について

タレントマネジメントでは、人材の適切な評価が重要です。各人材がどのようなスキルや特性を持っているのかを把握することが、人材の活用や育成方法を考える基礎になります。

各人材の能力を把握したら、人材の適切な配置・育成・評価・処遇の方針を立てます。採用活動で獲得した新たな人材も同様に、入社後の活躍方針を考慮しながら採用計画を立てていきます。

将来性を見据えたタレントマネジメントの実現のために、人事戦略と経営戦略の連携・推進部門を設立する、キャリアアップの機会を増やして社員のモチベーション向上を促すなどの施策を行うことが大切です。

タレントマネジメントを行う目的とメリットとは

タレントマネジメントを行う目的は、短期的には効果的な人材戦略の実現ですが、長期的には企業の利益の最大化が目的です。

タレントマネジメントを効果的に行えば、社外からタレントを獲得できるだけでなく、既存の社員の能力を最大限に活かすことができます。

新しくタレントを獲得するだけでなく、自社にいる人材のスキルや特性を把握し、人材が最も価値を生み出せるポジションに配置して適切な人材教育を行うことで、現代の労働力不足を乗り越え、将来的な企業の利益を最大化できます。

タレントマネジメントを行う注意点やデメリットとは

タレントマネジメントを行う上での注意点として、人材の採用や育成、配置など様々な段階において、マッチングの見極めを行う必要があります。

育成の段階では、育成可能なスキルと育成不可能なスキルを分類した上で、それぞれの人材がより活躍できるようになるスキルを割り出し、教育や研修を行います。

採用や配属の段階では、採用後の育成が困難な性格や基本的な価値観を見極め、会社の社風や配属先の既存の社員とのミスマッチが起きないように気を付けることが大切です。

適切なマッチングは人材の能力を引き出しますが、ミスマッチを起こすと反対に人材の能力や意欲を削いでしまうデメリットが発生します。

弊社サービス「ミツカリ」では、AIによって会社全体や部署ごとの価値観と人材の価値観を可視化し、採用・配属におけるマッチ度を測りミスマッチを防ぐことができます。

タレントマネジメントで人材難を乗り越えよう!

タレントマネジメントとは、自社の抱えるタレント(優秀な人材)の能力や特性を把握してパフォーマンスを最大化するために、最適な人材配置や人材教育などを行う人事戦略です。

タレントマネジメントを行う目的は、効果的な人材戦略の実現による企業の利益の最大化ですが、人材の獲得や配置などの際には能力や素質を見るだけでなく、組織や業務とのミスマッチに注意が必要です。

労働力不足が深刻化している日本において、競合他社との人材獲得競争に勝利することは、自社の維持や発展に直結する非常に重要な課題です。社外から優秀な人材を獲得するだけでなく、既存の社員の能力を最大限に活かすタレントマネジメントは、現代の人材難を乗り越えるためのカギになるでしょう。

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