トライアル雇用とは
トライアル雇用とは職業経験の不足などから、技能、知識が十分にないと思われる求職者、また安定的な就職が困難な求職者に対して早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることを目的として生まれた制度です。本採用となる前に適性や能力、また今後成長の見込みがあるか等を見極めできるメリットがあります。
売り手市場で人材の確保が難しくなる中、若手人材の育成も含めた採用戦略の重要性が増しています。教育体制の整備や現場負担の増加に対する理解など、超えなければならない課題も多いです。スキルの高い人材の採用難易度が上がっていく中、特に中小企業などにおいては、中長期を見据えた採用戦略が数年後に大きな差を生むことでしょう。
トライアル雇用制度とは別に「トライアル雇用併用求人」というものが存在します。今回の記事ではトライアル雇用併用求人がどのようなものなのかについて説明します。
トライアル雇用併用求人とは
トライアル雇用併用求人とは、企業が募集する求人のうち、トライアル雇用をする場合もあれば、トライアル雇用をせずに正規社員などとして採用する場合もある求人のことです。「併用」ということで、同時に募集しているという意味合いになります。
トライアル雇用は見極め期間(トライアル雇用期間)が発生するのに対し、そうでない雇用は見極め期間が存在しません。経験者を歓迎するが、未経験者からの応募でも問題ない場合には「トライアル雇用併用求人」が用いられます。
一般求人とは
一般求人は、トライアル雇用と違って見極め期間がない求人となります。
従来の選考プロセスを踏み、書類選考や面接を通して正社員として採用するかを判断します。トライアル期間を経ずに即正社員として入社してほしければ、内定を出して受諾してもらえれば、正規社員として入社してもらえます。
トライアル雇用併用求人のメリットとデメリットについて
トライアル雇用併用求人を使用する企業のメリットとして、一般求人枠でもトライアル雇用枠でも同じポジションで募集ができるので、多くの人から募集を募ることができ採用に繋げられる点です。
トライアル雇用の場合は見極め期間があるため、適正があるかのジャッジをすることも可能です。経験が不足していると感じる求職者は、トライアル雇用からスタートし、経験者の場合は正社員として採用するといったように、スキルや経験によって判断することができます。
デメリットとして、求人がスキルのある経験者を求めているのか、未経験者を採用し育てたいのかが曖昧になり求職者に伝わりづらい点が挙げられます。トライアル雇用で未経験者が入社し見極め期間が発生する可能性もあるため、現場側の受け入れの負担も大きいでしょう。
具体例からイメージしてみよう
例えば、あなたの会社で営業担当を採用したいとします。
正社員として雇用したいが、未経験で営業の実績がない方の場合は、働きぶりを見極めてから正社員として雇用することができるトライアル雇用で採用します。
逆に特に見極め期間が必要ないと判断した場合は直接正社員として雇用する、このようなケースもトライアル雇用併用求人で可能になります。
トライアル雇用併用求人をうまく活用しよう
トライアル雇用併用求人は、トライアル雇用と正社員雇用を併用した求人であり、スキルがある人は正社員として、スキルがない人であっても見極めのトライアルとして雇用できる制度です。
求めるスキルを持った人が応募してくれるのが理想ですが、教育などでも素質を見極められるのであれば、是非活用したい求人制度だといえるでしょう。