採用コストの推移や動向とは?求人広告費と人材紹介費の予算配分

採用コストの増加が続く背景とは?人手不足に悩む日本企業

採用コストとは、名前の通り「人材採用にかかる経費」のことを意味します。

現在の日本は売り手市場が続き、多くの企業が人手不足に苦しんでいます。売り手市場は今後も加速し、人材獲得競争が激化するにともなって、採用コストも上がっていくことが予想されます。

日本の採用市場で売り手市場が続く最大の理由は、労働人口の減少と仕事の数の増加が同時に起こっていることが原因です。求人倍率の分母が減って分子が増えているのですから、求職者にとっては仕事を好きに選べることになり、企業同士の採用競争が激しくなるのは当然です。

帝国データバンクによる2018年の調査では「正社員が不足している」という企業が、調査対象2万3,089社のうち51.1%を占め、過半数を超えました。

従業員の過不足感
出典元『帝国データバンク』特別企画:人手不足に対する企業の動向調査(2018年1月)

正社員不足の自覚が最も強い業界は「情報サービス」で、74.0%が「正社員が不足している」と答えており、約4社に3社が人手不足に苦しんでいる状態です。

従業員が「不足」している上位10業種
出典元『帝国データバンク』特別企画:人手不足に対する企業の動向調査(2018年1月)

売り手市場は最低でも2020年までは続くと見込まれており、採用競争の更なる激化にともなって、採用コストの増加が予想されます。人事部が採用活動に使える予算は有限ですから、他企業との採用競争に負けないためには、コストパフォーマンスの高い予算運用が重要になります。

今回の記事では、採用コストの推移と予算配分の現状についてご紹介します。

採用コストの推移と予算配分の現状とは?

採用コストの推移を読み取る際は、当時の求人倍率についても知っておく必要があります。採用競争が激しくなれば、企業は他社との差別化を図るために採用活動の予算を増やすことになるので、求人倍率と採用コストは密接に関係しています。

過去に採用競争が激しかった時代を振り返ると、バブル期までさかのぼります。バブル期のピークと言われる1990年の求人倍率は1.46倍でしたが、2018年卒の新卒求人倍率は1.78倍であり、現在の採用競争は企業にとってバブル期以上に厳しい状態であることが分かります。

求人倍率と密接な関係にあるはずの採用コストは、バブル期以上に採用競争が激化しているにもかかわらず、バブル期よりも非常に安くなっています。バブル期の一人当たりの平均採用コストは、文系が100万円、理系が150万円程度だと言われていますが、現在は約50万円未満でバブル期の半額以下の相場になっています。

採用コストがバブル期と比べて安くなっている理由は、求人広告媒体の多様化が主な原因です。バブル期は現在のようにインターネットが普及しておらず、求人広告といえば全て紙媒体で、新聞や電車などへの広告掲載の単価は非常に高かったのです。

広告媒体が多様化して様々な方法で求人広告を出せるようになった現代では、予算の少ない中小企業でも、工夫次第で大企業に負けないほど高い効果のある求人広告が出せるようになっています。

採用コストの推移状況とは?

採用コストの一人当たりの平均単価は、最近数年でどのように推移しているのでしょうか。

新卒採用の採用コストは、2015年度で一人当たり約45.9万円、2016年度で約45.5万円、2017年度で約46.1万円と、ほぼ横ばいですが微増の傾向にあります。

マイナビ転職の調査によると、中途採用の採用コストの内訳は、求人広告費と人材紹介費が大半を占めています。中途採用では合宿や会社説明会などを行うことはほとんどないため、中途採用の採用コストを見直す際には、求人広告費と人材紹介費を見直すことが基本となります。

採用コストの推移
参考『マイナビ転職 中途採用サポネット』中途採用状況調査

採用コストの内訳としては、2014年ではほぼ同額だった求人広告費と人材紹介費が、2017年には人材紹介費が求人広告費の1.5倍以上になっています。人材紹介会社を介した採用活動は、スキルや経験を持っている優秀な人材を獲得する際に利用されることが多く、優秀な人材の紹介費は単価が高い場合がほとんどです。

求人広告費に比べて人材紹介費が増加している状況からは「多少コストを割いてでも、優秀な人材を確実に確保したい」と考える企業が増加していることが読み取れます。

採用コストの予算配分が不安定な理由とは?

採用コストの予算データを見ると、採用コストの予算は全体的に増加傾向にあるものの、毎年の求人広告費と人材紹介費への予算配分が不安定なことが分かります。

採用コストの予算配分が不安定な理由としては、決定的な採用手法が不明であることが、大きな原因として挙げられます。

中途採用市場では、業種・職種によって採用コストのばらつきが多く、統一的な傾向を見出すことが困難です。統一的な傾向が分からないため、効果が出やすい決定的な採用手法が確立されておらず、求人広告費と人材紹介費に予算を分散してリスク軽減を図っている企業が多いと考えられます。

採用コストの効果的な運用が採用競争を勝ち抜くカギになる!

採用コストとは、名前の通り「人材採用にかかる経費」のことを意味します。

現在の日本は売り手市場が続き、多くの企業が人手不足に苦しんでいます。売り手市場は今後も加速し、人材獲得競争が激化するにともなって、採用コストも上がっていくことが予想されます。

採用コストの一人当たりの平均単価は、過去の売り手市場の頃と比べて半額以下の相場になっており、予算の少ない中小企業でも全国の求職者にアピールするチャンスが増えています。しかし採用手法が多様化した分、決定的な採用手法は未だ確立されておらず、常に時代に合った戦略・手法を打たなければ「お金をかけたのに採用できない」という結果を招きかねません。

売り手市場が続く人材市場で採用競争を勝ち抜くには、中小企業は少ない少ない予算でアピールできるチャンスを活かすために、大企業は他社より予算が多いアドバンテージを無駄にしてしまわないために、採用コストをいかに効果的に運用するかが重要になります。

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