リアリティショックの対策例とは?引き起こす原因・要因から考える

リアリティーショックから引き起こされる問題とは

「リアリティーショック」とは仕事の理想と現実のギャップで悩むことを表す言葉です。リアリティーショックによって「組織コミットメントの低下」や「組織社会化の阻害」、「離職意思の高まり」などの様々な問題が引き起こされていしまいます。

リアリティーショックとは、入社前に描いている職場や仕事の理想と現実のギャップのことを指す言葉です。ある調査では、入社後1か月という短期間にも関わらず、新入社員の6割以上がリアリティーショックを感じていると報告されています。理想と現実のミスマッチは、早期離職だけでなく、様々な問題を引き起こします。また、新入社員だけでなく、既存の社員であってもリアリティーショックは起こりえます。リアリティーショックが引き起こす問題について、説明します。

リアリティーショックは「本人の甘さが原因」や「企業や業界分析不足が要因」と個人の問題として捉えがちです。しかし、求職者よりも自社のことに詳しいはずである人事担当者にも、現実を伝えきれていなかった部分で、少なからず原因があります。

人事担当者として、どのようにリアリティーショックと向き合うべきか、どうして発生してしまうのかを紐解き、リアリティーショックへの対策を説明していきます。

リアリティーショックが発生する原因とは

リアリティーショックはなぜ起きてしまうのでしょうか。

前提として、「営業はこうあるべき」「アルバイトと社員はこのように分けられるべき」といったステレオタイプのようなものを持ち合わせていることが挙げられます。また「幼少期に身近にそのような人物がいた」「採用過程でそうあるべきと学んだ」などの要因も関わってきます。職務内容やキャリアなどについて、口で説明はできないが何かしらの期待(イメージ)を持っていることが挙げられます。

社会人経験のない新卒はもちろんのこと、中途であっても「前職はこうだった」、昇進した在職中の社員であっても「管理職はこうあるべき」などの期待を持っています。

期待と組織での現実のギャップがリアリティーショックを引き起こしています。では、具体的にどのようなことに対して期待を持っているのでしょうか?

甲南大学の尾形真実哉准教授が、「リアリティ・ショックが若年就業者の組織適応に与える影響の実証研究」にて、リアリティーショックが発生する要因について説明しています。

この研究では、若年ホワイトカラー就業者 合計227名を対象にアンケートを行い、どのような要因に対してリアリティーショックを感じているのかを探索的に調査し、4つの因子がリアリティーショック発生に起因しているとわかりました。

1.仕事ショック

仕事から得られる成長機会や達成感、仕事上与えられる自律性についてギャップがあることです。

営業や開発などに携われると思っていたのに業務は書類の整理やコピーばかりであったり、華やかなイメージを持っていたのに地道な作業ばかりなどが挙げられます。

2.対人関係ショック

職場の上司や配属先の同僚、同期との人間関係についてギャップがあることです。

配属された部署やチームとの人間関係がうまくいっていない、同期のグループ間で仲が悪いなどが挙げられます。

3.他者能力ショック

職場の上司や同僚、同期の能力についてギャップがあることです。

非常に優秀な同期との仕事量の差に悩む、上司に怒られているばかりで尊敬できる先輩がいないなどが挙げられます。

4.評価ショック

給料・昇進機会についてギャップがあることです。

入社後3年でこの程度の給料があると思っていた、自分より上の年齢層が厚くて役職者になるために想定以上の期間を要するなどが挙げられます。

ホワイトカラー(オフィスワーク)の職種は、仕事⇒組織の人間関係⇒能力⇒キャリアといった仕事や職場全体を通して、理想と現実の乖離が起こりリアリティーショックを引き起こしています。

優先して解決すべき要因は?

最も優先すべき要因は②の「対人関係ショック」です。

若年ホワイトカラーの場合、仕事に馴染むためには「職場での良質な人間関係を構築する」ことが重要です。人間関係が構築できなかった場合、組織の文化や仕事に関する有益な情報を得ることができず、結果的に組織文化や仕事にも馴染むことができなくなります。

次に解決すべきなのは③の「他者能力ショック」で、離職意思に影響を与えています。

上司や同僚の能力が低かった場合に、自分自身も将来そうなるのではないか?と不安を抱き、自社のキャリア展望や目標の喪失につながります。また若年層は、終身雇用や年功序列が一般的だった時代と比べ、「よりよい環境を求めて転職すること」が一般的になったため、結果的に離職意思が高まっていると言われています。

リアリティーショックを引き起こさないためには?

リアリティーショックは理想と現実とのギャップによって引き起こる現象です。このギャップを埋めることが一番の解決策になります。

1.仕事ショックの対策例

現場社員とのヒアリングを行い、仕事に対してどう感じているのか、成長や達成とは何か、どんな働き方が理想なのかなどをお互いに確認し、現場全体として認識を共有して理解することが大切です。成長や達成を得られないのであれば、ジョブローテーションなどの仕組みを考えることなども対策として挙げられます。

採用選考時においては、年齢の近い現場社員をメンターとすることで、求職者が抱えている理想がどういうものか、現場とのギャップはどうかなどの相談をさせることも有効です。

2.対人関係ショックの対策例

職場内の人間関係がうまくいっているのかの現実を知ることが大切です。仕事のコミュニケーション上で問題がある場合は、早急に原因を追究して改善する必要があります。

採用選考時においては、多くの社員と話してもらうなどでコミュニケーションで問題が発生しないかを見極めることが重要です。弊社ミツカリであれば、人間関係がうまくいくかをマッチ度として見極めることが可能です。

3.他人能力ショックの対策例

考慮しなければならない「能力の低い上司や同僚」に対して、人材を育成する教育・研修制度を導入するなどの対策が挙げられます。

新入社員などが優秀な人材であれば、キャリアアップできる制度となりますし、そうでなくても社員全体の能力を引き上げることができます。業務に特化した内容であれば、部署ごとに内容を変えるなどしましょう。

4.評価ショックの対策例

評価制度の仕組みなどを考える必要があります。客観的かつ正当に評価できているか、が重要です。何をしたらどれぐらいの昇給があるのか、どうすると昇進できるのか仕組みを作り、全社員で共有します。

「社員の市場価値はいくらなのか」という観点も重要です。社員の市場価値が600万なのに実際の支払額は300万となると、期待はおろか現実(市場)とすらギャップがあると言わざるを得ません。

対策をすればリアリティーショックは防げる

何も対策をしなければリアリティーショックは起こってしまいますが、なぜ起こるのかの原因を追求し、理想と現実のギャップを事前に埋めることで、リアリティーショックは防げます。

現実を伝えることによって、応募者が辞退してしまうなども起こるため、抵抗のある人事担当者の方も多いでしょう。しかし現実を伝えなかったことにより、仕事や組織に馴染むことができず、組織全体の人間関係を悪くして早期離職してしまうことと比べたら、現実を伝えるべきでしょう。

リアリティーショックの種類によって、組織文化や仕事に馴染めなくなるのか、離職につながるのか、などの問題に分類できます。まずは自社が解決すべき要因を定めて、リアリティーショックを防げるように対策を打ちましょう。

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