内定者研修にかかる費用とは?賃金・給料や交通費の考え方について

内定者への入社前研修の賃金や費用は会社が払うべき?

内定者フォローの重要な施策の一つに、入社前研修があります。

入社前研修は、企業戦略や実業務について事前にレクチャーしつつコミュニケーションをとることができ、会社にとっても内定者にとっても互いの理解を深められる施策として、多くの企業で実施されています。

入社前研修を行うにあたって人事担当者が直面する悩みとして、プロジェクトの内容もさることながら、費用を挙げる人が多くいます。支出に関する話なので重要視する企業が多く、人事担当者としては研修前にどれくらいの費用がかかるのか把握しておきたいところです。

費用に関して考える前に、内定者の立ち位置を整理しておく必要があります。「内定者研修の対象者(=内定者)」の立ち位置は、法律でいうところの「雇用関係に準ずる者」と考えられるのが一般的です。新卒者の採用内定の法的な性格は「始期付解約権留保付労働契約」であるとする考え方が判例上確立されています。

「始期付解約権留保付労働契約」とは、卒業後の4月1日を就業開始日として(始期付)、就業開始日までは契約を取り消すことが出来る(解約権留保付)とする労働契約です。つまり正式な採用内定の段階で、条件付きではありますが、内定者と企業の間に労働契約が成立しているということになります。(参考URL:労働政策研究・研修機構 労働問題Q&A

内定期間中の入社前研修の参加義務については、内定によって成立した労働契約の解釈の問題とされています。企業から事前に説明があり、内定者側が特に異議を述べていない場合などは、合意が成立していたと解釈される場合が多いでしょう。

今回の記事では、内定者フォローとして入社前研修を実施する際にかかる費用と、コストをかけてでも研修を行うメリットについてご説明します。

入社前研修にかかる賃金や費用とは?コストをかけて行う研修の効果とは?

内定者フォローとして入社前研修を行う場合、内定者と会社の間には既に労働契約が交わされている扱いとなるため、研修にかかる費用は全て会社側が負担するのが一般的です。

会社側が払う費用にはどんなものがあるのか、コストをかけてまで行う入社前研修にどれほどの効果があるのか、確認してみましょう。

入社前研修にかかる費用とは?会社が払うべき理由とは?

入社前研修にかかる費用とは、旅費や宿泊費などの交通費、テキスト代や講師料などの研修にかかる実費、参加した内定者への賃金の3種類に大別されます。

  1. 交通費(研修所までの往復にかかる旅費、宿泊代など)
  2. 研修にかかる実費(講習などで必要なテキスト代、外注の講師料など)
  3. 賃金

1.交通費

内定者と会社の間には「始期付・解約権留保付労働契約」が締結されている状態とみなされるため、交通費は企業負担が一般的です。

内定者と企業の間には労働契約が交わされているわけですから、従業員の賃金に交通費別途支給するのと同じと考えれば、あまり違和感が無いかと思われます。

2.研修にかかる実費

入社前研修の時間は労働時間であるという解釈になるため、研修にかかる実費費用は企業負担が一般的です。

内定者と企業の間には労働契約が交わされているわけですから、業務で使うパソコンや制服を会社が購入するのと同じと考えれば、あまり違和感が無いかと思われます。

3.賃金

入社前研修が会社からの指示による強制参加の場合、研修の時間は基本的に労働時間とみなされ賃金が生じます。

内定者と企業の間には労働契約が交わされているわけですから、拘束した時間分の賃金を従業員に支払うのと同じと考えれば、あまり違和感が無いかと思われます。

本来入社後に行う新人研修の前倒しのような研修では、研修への参加自体が企業の業務命令に基づく労働の範疇となります。ただし入社前研修の賃金は、入社日以降の正式な賃金ではなく、実際の研修時間分のみの支払いでよいと考えられています。支払い時期は、会社の規定にならって設定しましょう。

内定者フォローとしての入社前研修は学生側からも好評!

DISCOキャリスタリサーチが入社間近の学生1043人に対して行った調査によると、学生が実際に受けた研修の中で、受けてよかったと思う課題や内容として「資格取得・業界特有の専門知識」が8割近くも挙げられており、他のどの研修も半数以上の学生が「受けてよかった」と答えています。

内定先の業界や職種によって研修の内容と評価はさまざまですが、入社前の研修で学習できたことを前向きに考える学生が多い傾向を見て取れます。

課題や研修の学習内容
出典元『株式会社ディスコ』調査データで見る「内定者フォロー」2017

研修自体を有意義にするためにも、費用や賃金の部分はすべてクリアにしておくことが大切です。

無駄のない研修は費用削減だけでなく研修効果アップにもつながる!

入社前の事前研修は、あくまで内定者フォローの一貫です。

入社前研修にかかる費用は、内定者と会社の間には既に労働契約が交わされていると扱われることや、会社の一員となる人材への先行投資であると考えれば、賃金と共に会社側が支払うことが当然といえます。

自社で本当に必要となる能力を見定め、最近の世代が得意とする基礎的なPCスキルの研修は不要にするなど無駄のない入社前研修の設計を行うことで、研修費用を抑えるだけでなく受講者が満足・納得のいく、効果的な内定者フォローを行うことができるでしょう。

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