インターンシップは給料や賃金報酬を設定すべき?有償・無給を法律視点で考える

インターンシップの報酬(給与)はどう決まる?

インターンシップは、1日から数日限定の「社会見学的」なものから、ワークショップ型、現場で実務をこなす長期間のものまで多様です。インターンシップの報酬は、プログラム内容に加え、契約内容などによって「無給」「有償(有給な場合でも幅がある)」で異なってきます。

インターンシップは『学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと』と定義されています。通常『就業体験』は就労に当たらないため、報酬は発生しないという扱いでしたが、実際に取り組む内容によっては、インターン生が労働基準法上の『労働者』とみなされ、労働基準法や最低賃金法等の労働関係諸法令が適用される場合もあります。

インターンシップ参加者が労働者とみなされる場合は、企業はインターン生に対して適正な金額の賃金支払義務が発生するため、無給はもとより、最低賃金以下の賃金で働かせることは違法と見なされます。

なお、労働者とみなされるかの判断基準は、大きくは以下の2点の総合判断になるとされています。(労働基準法9条参照)

  1. 使用者(企業)とインターン生との間に、実質的な指揮命令関係があるかないか
  2. インターン生の作業によって得られる利益・効果が、使用者(企業)に帰属しているかどうか

企業の生産的活動に寄与しているとみなされる場合(有償)は、以下のような場合が挙げられます。

  • 企画や営業の業務に携わる(一緒に営業にいくなど)
  • インターン生が作成した資料を社員が業務に使用する

就業体験とみなされる場合(無償)は、以下のような場合が挙げられます。

  • グループワークのような、自社で採用している手法であっても実業務と関係ない内容にする
  • 企業の実業務と関係のないプログラムに参加する

報酬(給与)を支払うべきインターンシッププログラムであるのに、支払っていない(無償)の場合は、法律違反になってしまいます。「インターンシップ」の内容にもしっかりと留意して、実施する必要があります。

報酬(有償・無償)の内容と金額とは

有償であるインターンシップと無償であるインターンシップはどのような割合になっているのでしょうか?有償であることでインターンシップを選ぶ学生はどの程度いるのでしょうか?

これらの情報を踏まえて、インターンシップを「有償」にする場合の賃金設定についても説明します。

有償インターンと無償インターンの比率

2017年「リクルートキャリア」発行の『就職白書2017-インターンシップ編-』によると、有償のインターンシップは全体の12.6%となっております。そのため、80%以上の企業(プログラム)では、無償で行っているという結果でした。

インターンシップでの報酬等の支給状況
出典元『リクルートキャリア』就職白書2017-インターンシップ編-

インターンシップ制度とは? 種類や目的とメリット・デメリットについて」でも触れましたが、「無給」「有給」それぞれに該当するプログラムは、多くは以下のようになっています。

  • 無給:1日〜1週間程度のいわゆる短期インターンに多い
    ワークショップや説明会の延長のようなものがほとんど
  • 有給:「実務型」の長期インターンに多い
特に新卒採用活動において、早いタイミングで人材と接触し、自社で働くメリットを十分に伝えられる「インターンシップ制度」を導入する企業が増加し続けています。インターンシップ制度は、短期・長期だけでなく、プログラムの内容によっても様々な種類に細分化できます。自社でインターンシップ制度を導入するには、どのような課題を解決したい...

学生の志向「有償であることを重視する」かどうか

株式会社ディスコのキャリスタリサーチ「インターンシップに関する調査」によると、「とても&やや」で11.6%となっています。

インターシップ先を探す際(申し込む際)に重視したこと
出典元『キャリタスリサーチ』2018年卒特別調査 インターンシップに関する調査

他の要素よりは必須事項ではない様子ですが、少なからず意識している人がいることは把握しておきたいところです。

有償の場合の賃金設定

これは、企業の考え方や内容によりさまざまということをまずは前提として、ある統計(『ゼロワン』)では、以下のような価格帯が一般的とされています。

  • 時給の場合:時給1,000円〜2,000円
  • 日給の場合:日給5,000円〜日給1万円
  • 成果報酬の場合:1作業や1成約につき1,000円〜5万円

出典元『ゼロワンマガジン』インターンシップの報酬・給料は平均いくら貰える?

「交通費」「源泉徴収の扱い」「科目」などに関しては、さらに別の範疇になります。こういった実費に関しては、企業別に税理士や弁護士などの専門家の意見も参考にしてみましょう。

報酬の発生の有無や金額などは事前の確認を徹底すべし

まずは自社のインターンシッププログラムが「業務内容」に該当するのかどうかを把握しましょう。インターン生を労働者としてみなす場合は必ず報酬が必要(その場合は、労働基準法に準拠する待遇が必要)となることは、プログラムをスタートさせる前に押さえておきましょう。

インターンシップの内容によっては、報酬を支払う義務がなくとも「有償」にすることで、競合他社との差別化ポイントに繋がる一つの事項にもなります。(インターンシップの全体で12.6%しか有償のものがないため、インターシップの比較がされる際には目立ちます。)

学生視点で最も重要なのは、インターンの内容が魅力的かどうかです。プログラム内容は有償・無償で考えるのではなく、魅力的なプログラム内容を考えた上で、業務に該当するのかを見極める手順でインターンシッププログラムを設計することが、インターンシップを成功させるためには必要です。

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