自社の成功者のマインドセットを理解しよう!
様々な経営者や教授が提唱している「マインドセットの重要性」について、一度は聞かれた方もいるかと思います。スタンフォード大学心理学教授、キャロル・S・ドゥエック氏が書かれた書籍『マインドセット「やればできる!」の研究』も大変話題となりました。
様々な場面で耳にする「マインドセット」という言葉。抽象的なイメージは持っていたとしても、具体的な言葉の意味や定義を知っている人はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。マインドセットの定義やその重要性についてご紹介しながら、個人に限らず企業組織内で活かす方法について説明致します。
マインドセットの意味・定義とは?
マインドセットの定義とは、そもそもどんな意味なのでしょうか。人事労務用語辞典では、マインドセットは次のように定義されています。
「マインドセット」とは、経験や教育、その時代の空気、生まれ持った性質などから形成されるものの見方や考え方を指す言葉です。信念や心構え、価値観、判断基準、あるいは暗黙の了解や無意識の思い込み、陥りやすい思考回路といったものもこれに含まれます。
(2011/10/24掲載)
個人におけるマインドセットとは、心構えやあらゆる物事に対するスタンス、覚悟、信念といった個人そのものが持つ思考、心理状態が表される言葉として使われます。
組織におけるマインドセットとは、その企業の理念や文化、価値観という意味合いで使用されます。現在の事業内容や今後の達成目標、そのための手段等を定める際の指針となり、マインドセットは企業の意思決定のうえで重要な役割を担います。
マインドセットの重要性とは?
マインドセットがなぜ重要視されているのでしょうか?
行動原理と価値観形成に役立つ!
マインドセットとは行動原理に紐づき、人の行動を支える全ての土台と言われます。
アメリカ大リーグのプロ野球選手イチローはある書籍で「なにかをしようとした時、失敗を恐れないで、やってください」と発言しています。「失敗を恐れずにやる」というイチロー選手のようなマインドセットを持つと、なにか目の前にハードルがあったときに自動的に失敗を恐れず挑戦する道を選ぶことができます。マインドセットを何も持たない人はその度に迷ってどう行動するのか悩んでしまうでしょう。マインドセットが行動原理に紐づいていると言われる所以です。
どう行動するかを判断する上でマインドセットは大きな影響を与えます。行動するもしないもその人個人のマインドセットに起因しているのです。イチロー選手でいうと、多くの人が困難な道を避けることを選択する中、「挑戦する」というマインドセットにより、失敗を恐れず新たなハードルに挑み、ますます自分を鍛えることができています。
マインドセットが個人の価値観を形成していき、自分という存在を形作ります。イチロー選手が活躍しているのも、「恐れずに挑戦する」マインドセットがあるからだと言われているのも納得できます。
参考URL『Fesh 』イチロー262のメッセージ
成功者によく見られるマインドセットの傾向とは
イチロー選手の例のように成功者はきちんとマインドセットを持っていると言われています。成功者によく見られるマインドセットの特徴とは何なのでしょう。
成功者のマインドセットは「素直で前向きに達成のために努力する」や「失敗した経験を学び次に活かす」など様々あります。
成功する秘訣はマインドセットであることは間違いありません。ですが、実は成功するためのマインドセットは会社や職場環境、職種等によってそれぞれ異なるのです。
参考URL:「成功している人」が共通して持っているマインドセット7つ
参考URL:成功者に共通するマインドセットとは?
自社ならではの成功するマインドセットを見抜く
成功するマインドセットは職種はもちろん、同じ職種であっても会社が違えば異な
ります。会社のカルチャーや価値観が個社それぞれですのでどういうマインドセットを持っている人が成功するのかは各社によって変わるのです。
自社で活躍している、ハイパフォーマー社員はどんな人でしょうか。何か共通しているものはありませんでしょうか。活躍している社員を分析すると、考え方や価値観等のマインドセットが似通っているということが多いことが、様々な研究で指摘されています。自社のハイパフォーマーを分析することが、自社ならではの成功者のマインドセットを見つける方法です。
「自社の成長マインドセット」をきちんと見抜くことで、社員の採用選考や教育研修、人事評価にも繋がることができます。
自社の成長マインドセットを見抜く方法とは
この成長マインドセットを見抜く方法として、ハイパフォーマー分析などをしてみるのが効果的でしょう。
ハイパフォーマー分析とは、高い業績を出している活躍社員を分析することで、活躍社員の傾向を見つけ出すことが目的です。弊社のサービス「ミツカリ」を使えば、自社の社員の価値観を測り、活躍している人がどんな要素を持っているか抽出、分析することが簡単に出来ます。ハイパフォーマー特有の要素が浮かび上がれば、採用選考において、成功する可能性が高い人材を効率的に採用することができます。
もちろん既に他の方法でハイパフォーマー分析を行っても問題ありません。重要なのは、自社の活躍社員を分析することで「どんなマインドセットが自社で重要な要素なのか」を見つけて、採用や評価教育に活かすことです。
ハイパフォーマーは同じ会社であっても、部署やチームごとに異なる可能性があります。既存社員が成功するマインドセットを持っていないからと諦めるのではなく、今持っているマインドセットで成功する部署やチームはないか、配属や異動を検討し、活躍できる可能性があることを従業員に客観的なデータに基づいて伝えることができます。
マインドセットを企業組織で活かすためには
マインドセットはもちろん個人の成長にも大変効果的な要素ですが、それだけでなく企業組織にもそれぞれ存在しており、組織活性化にも活かすことができます。
組織で活かしていくためには、企業や組織が定義した成長マインドセットだけでなく、従業員のマインドセットも考慮する必要があります。なぜなら、マインドセットは「考え方」「価値観」だからです。誰かに言われてすぐ変えられるものではなく、その人自身そのものを表すものだからです。
まず行うことは、社員のマインドセットを理解し、きちんと向き合うことです。社員がどんな考え方をしていて、何が一番心地よいと思うのか。向き合うことで、どんな仕事をアサインするか、組織の配置や役割などが形づくられていきます。
次に「自社の成長マインドセット」を社員が実践できるよう、向かっていけるよう、職場環境の整備や任せる職務の内容や量の調整をはかることが大切です。自社制度や体制を整え育んでいく環境を作ることも重要だと言われています。
個人1人1人違うマインドセットを自社のマインドセットと中和していくのは難しい作業かもしれません。ですが、社員のマインドセットを理解した上で、きちんと配置した組織であるならば大きなパフォーマンスが期待できると言えます。
企業組織活性化や従業員の教育、成長においてマインドセットを重要視することは今後ますます必要になってくるでしょう。