性格適性検査を実施する目的とは?パーソナリティを理解しよう!

適性検査とは一体なに?

人の様々な能力や性格特性を測る適性検査は、新卒採用選考をはじめとして、様々なビジネスシーンで使用されています。

就職売り手市場かつインターネットから大量に応募ができるようになった現代において、採用担当者は求める人材を効率的に確保することが難しくなってきています。そのような背景から、適性検査は求職者と企業との相性を測る際に使われ、採用においての需要はますます高まってきていると言えます。

適性検査にはオンラインで無料で受けられるものから、商品化された適性検査を含めると、日本だけで少なくとも100もの適性検査が存在します。更に日本国内での市場規模は150億円にのぼります(※ミツカリによるマーケット調査から独自に試算)。

適性検査には、論理的思考能力や言語能力などの「能力」を測るものと性格や価値観などの「心理」を測るものの2種類に分けられます。中でも汎用性が高く、最も多く使用されている適性検査は「心理」を測っているものです。

心理を測るパーソナリティ研究に基づく適性検査は、様々なビジネスシーンで利用されてきました。その中でも最も有効な活用方法は、自社にあった人材か(人間関係がうまくいくか、社風に馴染めるかなど)、カルチャーフィット判定に活用する方法です。

適性検査を採用に使う場合には、注意すべき点もあります。しかし適切に使うことによって、精度の高いカルチャーフィットが実現できます。

本記事では、適性検査の有効活用について興味がある経営者様や採用担当者様に向けて、カンタンな歴史と使い方に関する注意点を整理しながら、カルチャーフィットのための適性検査の活用法を紹介します。

「みんなちがって、みんないい。」
適性検査の礎、パーソナリティー研究

金子みすゞさんは、世の中にあるモノの違いの良さを詩によって表現しました。この言葉はしばしば、「人間、みな人それぞれ」という事実を強調するためにもよく使われるでしょう。

実は「みんなちがって、みんないい。」を科学的に学問しようとした人たちがいました。それが心理学者たちです。元々、パーソナリティー(=性格)研究は、「個人間の違い」を研究する学問として生まれました。

学派によって微妙な違いはあるものの、性格とは「モノについて感じたり、考えたり、行動する時のある一定の傾向や特徴」と定義されています。

性格とは各個人に内在していて、外部の環境との関わり合いに影響する要素であると考えます。この定義に従えば、同じ景色を眺めていても人それぞれに感じ方が違うのは、内部にある性格の違いによると言えるでしょう。

心理学者は「心理尺度」と呼ばれる手法を用いて、人の心理を定量化します。性格検査における心理尺度とは、ある記述に対して「当てはまらない=1」「当てはまる=5」などの数値を記入していき、複数の記述に対する数値の合計点を算出し、特定の性格を定量化する方法です。

ビジネスシーンへの応用

パーソナリティー研究の理論を用いた適性検査は、アメリカをはじめ、ビジネスにおける様々な場面で使われてきました。

最も長く使われている使用方法は、職業適性検査に応用する方法です。実際に、誠実性の高い人ほど営業の成績が良い、という実証データ(Barrick, Mount, and Strauss, 1993)もあるように、性格によって向き不向きの職業や業務内容があるという研究が数多く行われました。

ここで注意しておきたいのは、性格と職業適性の研究は、採用選考時の判断材料として使われるためではない、ということです。

あくまで各職業のハイパフォーマーの性格を調べることで、職選びの際に有益なアドバイスを与える、という意味合いが強かったのです。

カルチャーフィットの測定に応用

職業適性検査の他にも、カルチャーフィットを測る方法が近年になって確立されました。

この場合の適性検査の使い方は、様々な性格や価値観が、組織と求職者との間でどれだけ共有しているかを測る目的で使われます。

カルチャーフィットが高いと業務満足度の増加や離職率の低下も見込め、結果的に組織の生産性も向上することを示す実証研究も数多く報告されてきました。そのため、カルチャーフィットの視点は近年になって急速に注目を浴びています。

では具体的に、適性検査をカルチャーフィットに活用するにはどのような点に注意すれば良いのでしょうか?

どの軸で比べたら良いか?

職業適性検査にしろ、カルチャーフィットにしろ、心理尺度で心理を測る場合には、
「一体どの部分を基準に測れば良いのか?」を考えるのが難しい問題になります。

例えば大学入試における学力試験の科目は、各大学や各学科によって異なります。それは、それぞれの大学や学科によって学ぶ内容が異なるからです。それぞれに求められる「学力」を構成する要素がそもそも違うため、異なる科目を試験していると言えます。

では、適性検査を使う際はどのような「軸」を基準にして測ったら良いのでしょうか?(パーソナリティ研究では、このような性格を構成する「科目」に当たる部分を「因子」や「次元」と呼びますが、本記事では直感的にわかりやすいように「軸」と表現します。)

ビッグファイブ(Big Five)理論

性格とは個人に内在する特徴や傾向の違いです。しかし、その違いが最も現れやすい、かつ最も「意味のある」ように分類するにはどのような軸が存在するのでしょうか?

その問いに対し、暫定的な答えを出したのがビッグファイブ理論です。

ビッグファイブ理論は、辞書から人の特徴や傾向を描写する単語を全て抽出するところから始まりました。統計的な処理を施し、幅広い人口に対して何度も調査した結果、発展してきた理論です。

ビッグファイブ理論によると、性格の違いを最も的確に正しく捉えることのできる軸は、次の5分類に分けられます。

  • 開放性 ー 知的好奇心などの程度
  • 誠実性 ー 自己統制力やまじめさの程度
  • 外向性 ー 社交性や活動性の程度
  • 協調性 ー 利他性や協調性の程度
  • 神経症傾向 ー ストレスに対する程度

普遍性の高さから、ビッグファイブは採用や職業適性検査の多くの研究で使われています。日本にある適性検査の多くも、このように一般的に広く使われているという理由で、ビッグファイブ理論を取り入れているようです。その汎用性の高さから、選択するのには最も無難な軸であると言えます。

性格ではない他の軸

適性検査をカルチャーフィットで応用するならば、性格だけではなくキャリアについての価値観も考慮する方が良いでしょう。

例えば「プライベード重視か仕事重視か」や「スピード感を重視かゆっくり確実を重視か」などはビッグファイブに基づいた心理尺度では測れない側面ですが、企業のコアバリューに選ばれやすい価値観です。

適性検査を使用する際の注意点とは

人の性格を「分類」するためのパーソナリティ研究から生まれた適性検査ですが、
採用選考などビジネスシーンで使用する際に何を注意しないといけないのでしょうか?

適性検査の使用目的を明確に提示する

適性検査を使用する際に最も大事な点は、採用担当者側が適性検査をどのような目的で使用しているのかを受検者側に明確に提示することです。

適性検査の主な目的は、スクリーニングとカルチャーフィットがあります。

スクリーニングを目的に使う場合

適性検査を新卒採用選考のスクリーニングに応用する際には、特に注意が必要です。

なぜなら適性検査は100%自己申告制なので、受検者が回答をごまかすインセンティブが生まれるからです。

あくまでパーソナリティ研究は「みんなちがって、みんないい。」を定量化するために発展してきたので、心理尺度に回答する通常の状況では、嘘をつくことを想定して作られていません。

適性検査を「スクリーニング」の目的で使用すると、ビッグファイブ理論は本来、人の性格の違いを単に「分類する」ためのツールであったにも関わらず、採用選考という文脈においては「優劣のつくもの」として意味合いが変わってきてしまいます。これだと、パーソナリティ研究に込められた本来の意味を失ってしまいます。

適性検査をスクリーニングの目的で使うということは、本質的には大学入試問題と同じでしょう。大学入試においては、求められる学力がはっきりしているため、試験の目的もはっきりしています。学力は能力であるので、ある程度正解が存在し、優劣をつける目的で測ります。

しかし適性検査の多くは、回答をいくらでもごまかせるのにも関わらず、検査の目的が明示されないため、受検者も何についてごまかせば良いのかすらも推測せざるを得なくなります。

このようにお互いに共通理解がない場合だと、適性検査が一体何を測っているのかが全くわからなくなってしまいます。

一般的には、パフォーマンスと性格との関係性について根拠を示すデータなども存在します。もし適性検査をスクリーニングに使うのならば、「自社は営業を中心に募集している。営業職には高い誠実性が必要とされるので、適性検査を使って測ります」という明確な目的の提示が必要でしょう。

人事担当者なら、性格診断や面接において嘘をつかれる不安は誰しもが一度は悩まされたことがあるもの。人事担当者として「嘘をつく」行動を理解し、うまく付き合うことでより選考は強固なものとなります。学術的研究も踏まえて解説いたします。

カルチャーフィットを目的に使う場合

適性検査のもう一つの使用方法は、カルチャーフィットを測る方法です。

カルチャーフィットを測る際には、お互いのマッチ度が基準となるので、ごまかすインセンティブが最小化されます。

適性検査を実施する採用担当者側が「この適性検査はカルチャーフィットを測るために使用しています」と目的を明確に提示することで、カルチャーフィットについて真剣に検討している姿勢も見せることができ、受検者側にごまかすことのメリットは無くなります。

適性検査の歴史的背景を踏まえると「一般的に優秀な人材であるか」のスクリーニングではなく「自社にあった人材であるかか」カルチャーフィットを判定する使い方が最も適していると言えるでしょう。

適性検査は性格の優劣ではなく分類するためのもの

多くの適性検査は、心理学のパーソナリティー研究に基づいています。人の性格などを測り定量化する適性検査は、近年、様々なビジネスシーンで応用されるようになってきました。

パーソナリティー研究の本来の背景を考えると、カルチャーフィットの目的で使用される場合が最も適切です。カルチャーフィットにおいて比べるべき軸は、企業によって異なります。明確な人材要件定義をするか、もしくは適性検査を使って求める人材像を明確化するのが良いでしょう。

適性検査を実施する際には、受検者に適切なインセンティブを与えることによって、より精度の高いマッチングを実現することができます。

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