内定者SNSとは?内定者の不安解消に役立てよう!
内定者フォローとは、採用した人材からの内定辞退を防ぐために、会社側が内定者に対して行う様々な施策の総称です。内定者フォローの施策の内容は企業や時期によって様々ですが、最近多くの企業が力を入れているのが、内定者SNSによるフォローです。
DISCOの『調査データで見る「内定者フォロー」2017』によると、内定者の約4割が「内定者向けサイト(SNS等)」でのフォローを受けたと答えています。約4割という数字は「社内報送付」や「社内や施設などの見学会」と同程度の割合であることから、多くの企業が内定者SNSによる内定者フォローを行っていることが分かります。
同調査で行われた、学生が受けた内定者フォローの中で実際に入社意欲が高まったフォローについてのアンケートでは、約4人に1人の学生が内定者SNSによって入社意欲が高まったと答えています。
出典元『株式会社ディスコ』調査データで見る「内定者フォロー」2017
内定者の入社に対するモチベーションは、内定決定時がピークと言われています。内々定から入社までの期間に企業とのコミュニケーションが途切れると、内定者のモチベーションの低下や不安の増加を引き起こし、内定辞退の大きな要因になります。
内定者SNSは、内定辞退のリスクを軽減するためのツールとして活用できます。SNSの活用範囲は非常に広く、内定者同士や先輩社員との人間関係の構築だけでなく、eラーニングと連携した通信教育・通信研修を補うためのツールとしても活用できます。
今回の記事では、内定者フォローとしてSNSを活用する目的と、SNSならではのメリットやデメリットについてご紹介します。
内定者SNSの目的と種類、メリットとデメリットとは?
内定者フォローとして内定者SNSを活用する際には、SNSを利用する目的を理解してメリットを引き出し、デメリットを回避することが大切です。
内定者SNSの目的と種類とは?
内定者SNSの目的とは、メールやSNSなどを活用して内定者の不安を取り除き、入社前から自社への帰属意識や入社のモチベーションを高めることです。
SNSサービスの種類としては、代表的なものにTwitterやFacebookなどがありますが、最近ではメッセージ・グループチャット・掲示板などを使った、内定者に特化したSNSツールを複数活用している企業が多くあります。
FacebookやLINEなどの内定者が普段使いしているようなSNSは、内定者フォローには避けたほうがよいと言われています。
参考URL『HR pro』なぜFacebookやLINEを内定者フォローに使ってはいけないのか?
企業と直に接する必要のないSNSフォローを求める内定者のニーズを背景に、最近は内定者フォロー専用のSNSサービスを展開している外部の専門企業を活用する企業が増えています。
内定者向けSNSサービスを展開している専門企業とは?
外部の専門業者による「内定者フォローSNS」サービスは、内定者同士や内定者と企業のコミュニケーションを促すための、メッセージ機能や掲示板機能を主軸としたものが主流です。
専門業者の内定者SNSサービスでは、企業や内定者のコミュニケーションを促進するだけでなく、オンライン上での教育機能や研修の日程調整機能など、様々な機能が活用できます。
外部の専門企業を活用するメリット
- ツールのシステム開発をしなくてよい。
- 必要な機能のみオプションで申し込むことで、費用負担を減らせる。
- 定期的な更新があり、使いやすい。
- コンスタントなコミュニケーションスケジュールが管理できる。
- 内定者が企業の情報に触れる機会が増える。
専門企業の内定者SNSサービスによくある機能
- 内定者と企業の連絡機能や、先輩社員や同期入社の学生とのコミュニケーション機能。各種イベントや採用スケジュールの連絡にも活用できる。
- 研修開始前の新入社員教育(eラーニング)機能。従来のような教材の発送などが不要になるため、企業側の負担が軽減する。内定者側もスマホなどで学習ができるため、実施率の向上も期待できる。
- ビジネスマナーのスキルチェック機能。
内定者SNSのメリットとは?
内定者SNSを活用するメリットには、大きく分けて以下の4つが挙げられます。
- 定期的かつ頻繁な交流ができる
- 内定者同士の一体感を構築できる
- 内定者全員への連絡が容易になる
- 各種機能が装備されている
1.定期的かつ頻繁な交流ができる
内定者との接触不足が入社へのモチベーション低下につながることを考慮すると、受け手側の内定者が使い慣れていてコミュニケーションしやすいSNSを活用することは、内定者フォローの方法として効果的です。
2.内定者同士の一体感を構築できる
初対面でのコミュニケーションが苦手な内定者や、懇親会や研修などの限られた時間では十分に交流しきれなかった内定者へのフォローとして、内定者同士で広く交流する場になります。内定者同士だけでなく、先輩となる既存の社員との交流にも活用できます。
3.内定者全員への連絡が容易になる
一度の操作で一斉に連絡が可能なため管理がしやすく、内定者への連絡の漏れや未達などのリスクを軽減できます。
4.各種機能が装備されている
事前の内定者用研修やeラーニングなどでの学習、課題の提出管理を一元管理できるため、内定者一人ひとりの嗜好や傾向、習熟度管理が容易になります。
内定者SNSのデメリットとは?
内定者SNSを活用デメリットには、大きく分けて以下の2つが挙げられます。
- 会社・同期との距離感に疲弊するリスクがある
- 監視されている雰囲気が出てしまう
1.会社・同期との距離感に疲弊するリスクがある
過剰な接触や一方的な情報発信などで、企業側の熱意と内定者のモチベーションに大きなズレが生じると、SNSでの接触にネガティブな印象が出てしまう場合があります。
企業と内定者の気持ちにズレを生じさせないためには、内定者全員に目を配ると同時に、頻度の確認や、必要に応じてSNS以外のフォロー施策で個別に対応するなど、強弱織り交ぜた対応を行うことが大切です。
2.監視されている雰囲気が出てしまう
SNSへの配信や交流の促進などは頻度が高すぎると、内定者が企業に監視されていると感じてしまう危険があります。
内定者フォローにSNSを活用する際には、内定者に専用のアカウントを与えることを強くオススメします。「内定者のプライベートには踏み込まない」という企業側の配慮を見せることは、企業と内定者の信頼関係を築く上でも非常に重要です。
内定者SNSは適切な頻度で活用しよう!
内定者SNSとは、数ある内定者フォローの施策の中でも、内定者が抱える不安の解消に高い効果が期待できるツールです。
SNSというツールは内定者の世代的に、直接の対話よりもニーズのあるコミュニケーション手段です。しかし、内定者への過度な干渉は「常に監視されている気がする」という不安を感じさせる危険もあるため、情報の配信や交流の促進の頻度には、十分な注意が必要です。
SNSをただ導入するだけでは、効果的な内定者フォローとはなりません。内定者への過度な干渉は控え、必要な内容とタイミングでの配信を行うことで、SNSを内定者の不安や悩みの解消に役立てましょう。