企業の業績や組織力に大きく影響する社内コミュニケーションとは
社内のコミュニケーションが円滑に進まないと、日常の些細な業務にも支障をきたす。そんな風に感じている企業は多いのではないでしょうか?
コミュニケーション不足は組織にさまざまな障害を引き起こします。反対に、個人・組織間の関係性が良好であれば、 組織全体が活性化し、企業の生産性の向上も実現できます。
社内コミュニケーションがうまくいっている会社は、働きやすい、というだけでなく、社内で情報共有が行われるスピードが速いということ=さまざまなレベルの意思決定が迅速でそれが業績アップにも直結するなどの、種々のメリットが挙げられます。
気軽なコミュニケーションが社員の間で取ることができれば、自由な意見交換の中から独創的なアイデアや他社に先駆けた戦略が生まれやすいという特徴もあるでしょう。
「社内コミュニケーション」、実際にどういった施策が有効なのでしょうか?
社内コミュニケーション活性化のための施策とは
社内コミュニケーションには、大きく分けると以下の3つの流れがあります。
それぞれの流れをよくすることで、社内コミュニケーションの問題がどこにあるのか明確になっていくとされています。組織として、どのような方向性で進んでいくのか、お互いの関係性を見なす機会が示されることで、個人の働き方や企業としての在り方にも、変化をもたらす機会になります。
<3つの流れ>
- 組織全体(地域差、場所など)
- 横(事業所や部門、職種、本社と事業部など)
- 縦(階層や年代)
下記では、それぞれの流れにおいて、どのような課題があるのか、どんな解決策が考えられるのかを説明致します。
組織全体(地域差、場所など)
年代・性別・本社支社をも超えたコミュニケーションです。
組織全体のコミュニケーションが図れないケースでは、以下のような問題が生じます。
- 情報共有できる部署間や地域での格差が生じる
- 本社の情報が十分に支社に到達しない(入ってこない)
- 組織としての課題や問題意識の共有ができず、組織としての意識の統一に欠ける(一体感が生まれにくい)
- 「会社の問題が、他人事のような気がする」といった、社員の帰属意識の低下
【解決策】業務外コミュニケーションで社内を活性化
全体のコミュニケーションは、なかなか業務時間内に行うのは難しい点が多々あります。
組織全体の場合はたとえば、社内イベントをはじめ、SNSやチャットなどのツールを活用するのが有効です。業務中であれば、社員を集めたランチミーティングの開催や、語学や専門分野の勉強会の時間に講習会などを開催したりするのも一つの手です。
「ビジネスチャット」などのツールでは、面と向かっては言いにくいことも相談したり話したりできる点が、特に部下の立場からのコミュニケーションに向いています。業務中はお互い仕事の話で終始してしまうところ、たとえば時間外に少しプライベートなことも相談してみると、相手をぐっと身近に感じる機会にもなります。双方が話しやすい環境を作ることで、業務の効率化にも影響していくでしょう。
いずれにしても、仕事と切り離した時間でのコミュニケーションを意識して行う点がポイントです。
横(事業所や部門、職種、本社と事業部など)
同僚・同期間、事業所や部門、職種、本社と事業部など)のコミュニケーションが不十分となると、以下のような問題が生じるようになります。
- 働く意欲や組織としての一体感の希薄化に繋がる可能性がある
- 身近な成功例や失敗例が共有できにくく、業務改善がしにくい
- 本社の考え方が共有できず、支社間でばらばらの動き方をすることで、会社としての方向性にずれが生じる
- 業績への影響と組織の活力の低下
【解決策】横のコミュニケーションでやる気を引き出す
特に日本の採用方法で一般的である「新卒一括採用」では、同時期に入社する「同期」を生みだします。同期の存在は、仲間でありライバルとして、多少の影響を与え合うものです。
「ヨコ」のつながりが希薄な場合は、同期や社歴が近い社員の間で、「仲間意識」が自然と芽生えるような階層別研修や、若手が会社の経営課題について考える「ジュニアボード制度」などに取り組むのも一つの手です。
同階層の社員間で横のつながりを強めることで、社員のやる気を引き出します。
縦(階層や年代)
経営者と社員、上司と部下間のコミュニケーションです。
タテのコミュニケーションが不十分となると、以下のような問題が生じるようになります。
- 経営層の意図や考え方が十分に社員に伝わらない
- 社員の意識が見えない組織となる
- 部下の評価として、人となりなどは除外され、数字や業績のみに偏りがちになる
- 中間管理職が組織の問題を上層部に上げられない(ひいては、組織全体が弱体化する)
【解決策】縦のコミュニケーションで社員の「不安」を取り除く
このコミュニケーションの方法では、上司と部下や、先輩・後輩など、『縦』の交流で、社員の不安を取り除いていきます。
多くの企業でも取り入れている手法としては、新入社員などにサポート役の社員をあてがう『メンター制度』などが挙げられます。一方で、度を超すことで、パワハラと受け取られかねないという懸念事項もあります。
「全体」「縦」「横」それぞれの関係性を意識する
コミュニケーションを活性化するための施策は、まずは、自社の課題や社風を理解して施策を選択していくことが何より重要です。
コミュニケーションがうまくいっていないと感じるのであれば、「全体」「縦」「横」のどこに課題があるのか、まずは社風などから課題を分析していくのも有効です。