社内コミュニケーション方法とは?阻害要因を理解して円滑化しよう!

コミュニケーションを活性化することが組織で必要な理由

社内コミュニケーションの活性化は、円滑に仕事を進めていく上で必要不可欠な要素です。

会社の業績向上はもちろん、継続的に発展できる企業の土台を作るためには、上司、部下、同僚など、すべての属性での「報告、連絡、相談」が重要で、これが十分でないと、時として大きなトラブルになる恐れも……。チーム、組織の人員おのおのが自分の役割を全うすると共に、状況に応じてサポートしあえる体制が確立されている会社は理想的です。

HR総研が2016年に実施した「社内コミュニケーションに関するアンケート」によると、調査対象企業の80%が「課題になっている」と回答。「コミュニケーション不足が業務の障害となっている」という認識も、90%以上の企業が有しているという結果も出ており、組織マネジメントで要であると認識されている「社内コミュニケーション」が、多くの企業で根深い問題となっていることが、ここからも見て取れます。

社内のコミュニケーションに課題があると思うか コミュニケーション不足は業務の障害になるか
出典元『HR総研』「社内コミュニケーションに関する調査」結果報告

社内コミュニケーションが十分とれない職場が生まれてしまう背景、また、コミュニケーションを円滑にするための方法とは、一体どういったものなのでしょうか。

社内コミュニケーションの阻害要因とは?

社内のコミュニケーションには、主に以下の3つの流れがあると言われています。相手との関係性でコミュニケーションの質(流れ)は変わっていきます。それぞれのコミュニケーションの内容を知り、改善すべき課題を発見・検討することに役立てましょう。

<3つの流れ>

  1. 組織全体(地域差、場所など)
  2. 縦(階層や年代)
  3. 横(事業所や部門、職種、本社と事業部など)

組織全体(地域差、場所など)

年代・性別・本社支社をも超えたコミュニケーションです。

組織全体のコミュニケーションが図れないケースでは、以下のような問題が生じます。

  • 部署や地域によって情報共有の格差が生じる
  • 本社の情報が十分に支社に到達しない(入ってこない)
  • 組織としての課題や問題意識の共有ができずに、組織としての意識の統一に欠ける
    (一体感が生まれにくい)
  • 「会社の問題が、他人事のような気がする」といった、社員の帰属意識の低下

横(事業所や部門、職種、本社と事業部など)

同僚・同期間、事業所や部門、職種、本社と事業部などのコミュニケーションです。

ヨコのコミュニケーションが不十分となると、以下のような問題が生じます。

  • 働く意欲や組織としての一体感の希薄化に繋がる
  • 身近な成功例や失敗例が共有できていないため、業務改善がしにくい
  • 本社の考え方が共有できていないため、支社間でばらばらの動き方をすることで、会社の方向性にブレが生じる
  • 業績への影響と組織の活力の低下

縦(階層や年代)

経営者と社員、上司と部下間のコミュニケーションです。

タテのコミュニケーションが不十分となると、以下のような問題が生じます。

  • 経営層の意図や考え方が十分に社員に伝わらない
  • 社員の意識が見えない組織となる
  • 部下の評価として、人となりなどは除外され、数字や業績のみに偏りがちになる
  • 中間管理職が組織の問題を上層部に上げられない(ひいては、組織全体が弱体化する)

一言にコミュニケーションといっても、関係性により発生する問題も解決のアプローチ法も異なります。これら3つの社内におけるコミュニケーションの流れに不十分な点はないか今一度見つめなおし、強化すべきポイントを見つけたいものです。

社内コミュニケーションへの取り組み方法

社内コミュニケーションを阻害する要因として、物理的な場所が離れていることで直接コミュニケーションができないこと、人間関係が良好でないためコミュニケーション自体をしようとしないこと、の大きく2種類があります。

それぞれの阻害要因について、取り組み方法を確認しましょう。

①場所・環境に起因するケース…SNSなどツールの利用

オフィス環境が、独立したデスクで仕事をするような職場や、各地に拠点がある組織、また、業務上営業などで外回りが多い仕事など、対面でコミュニケーションを取るケースが少ないオフィスでは、SNSなどネット環境を利用するのも一つの手です。

社内Webサイトなどを利用し、企業全体の業績から個人の業務の進捗、また、プライベートなどの情報について、上手に情報を提示していくことで、組織や個人に対する理解は深まります。

この場合、自主的に個人が参加できる雰囲気や工夫をすることが重要となります。

②人間関係などに起因するケース…共通の目的意識を持つ

多くの企業で課題となっているのは、こちら側が多いかもしれませんが、組織内の人間関係が良好ではなく、円滑なコミュニケーションを取ることが困難という場合。

業務や組織の生産性に大きく影響するため、まずは、当事者同士の話しを聞き、改善点を見出していくという、基本からの見直しが必要です。

具体的な手法は別途ご説明しますが、まずは滞っている個人・組織に、社内コミュニケーションが組織の発展に不可欠であるという点から理解してもらう必要があります。誰もが意見を出しやすいミーティングなどを開催し、意見や価値観をすり合わせていくことから始めてみるのも一つの手です。

このケースでは、たとえば、社内会議を有効に利用してみるのもおススメです。ただの情報伝達だけの社内会議ではなく、メンバーが集まる機会ととらえて、組織や業務の問題抽出と解決策を提案する場とします。この会議の場では、誰もが発言しやすい環境作りをすることも大切です。

会議を最高の社内コミュニケーションツールとするよう、まずはその目的を意識するところから始めてみましょう。

社内コミュニケーションは組織全体で 巻き込み型で意識を変えていく

社内コミュニケーションをうまくいかせるための注意点、阻害している理由は何かを理解することで、これらを解消する方法を常に意識しておくことが必要です。

社内コミュニケーションを改善する活動に参加するのは最初は少人数かもしれませんが、少しずつ周りの課や部署などを巻き込み、少しずつ意識を変えていく地道なステップが重要です。

最終的には社内全体の意識を変えていくー。そういった少しずつの歩みが大きな成果につながるのです。

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