会社説明会とは?目的や開催前の準備、メリット・デメリットについて

会社説明会の実施率や求職者の参加率とは?

会社説明会とは、多くの企業が行っている採用活動プロセスの1つです。

リクルートキャリアの調査によると、会社説明会やセミナーの実施率は企業全体で96.2%、従業員300人以上の大企業では98%以上となっており、ほとんどの企業が採用活動の一環として会社説明会を行っているという結果が出ています。

採用活動プロセス毎の実施率
出典元『リクルートキャリア』就活白書2019

会社説明会は、企業が自社の魅力をアピールするための場としてだけでなく、求職者が企業の見極めを行うための場としても重要です。

ダイヤモンド就活ナビの調査によると、求職者は平均して約20社程度の会社説明会に参加しており、多い人では50社以上の説明会に参加している人がいるという結果が出ています。

企業セミナー・説明会の参加数
出典元『ダイヤモンド就活ナビ』2018卒採用・就職活動の総括

リクルートキャリアとダイヤモンド就活ナビの調査結果から、会社説明会は採用・就職活動において、企業側にとっても求職者側にとっても非常に注目度の高いイベントであると言えます。

今回の記事では、会社説明会の目的や内容、開催前の準備やメリット・デメリットについてご紹介します。

会社説明会とは?目的や内容、開催前の準備やメリット・デメリットについて

会社説明会とは、企業が求職者に対して自社をより詳しく知ってもらうために開催する、採用活動のプロセスのひとつです。

会社説明会は、1社による「個別説明会」と複数の企業が合同で開催する「合同説明会」があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

個別説明会(単独説明会)と合同説明会のメリット・デメリットとは?

個別説明会のメリットとは?

個別説明会のメリットとしては、自社以外の企業がいないため、時間をかけて自社魅力をアピールできる点が挙げられます。また、求職者からの質問にじっくり答える時間や、求職者と個々に話す時間を用意できるため、優秀な求職者を見極めやすいというメリットもあります。

個別説明会のデメリットとは?

個別説明会のデメリットとしては、自社の知名度が低い場合には、求職者が集まりにくい点が挙げられます。また、豊富なコンテンツを用意しておかないとつまらない説明会になり、求職者の自社に対する評価が下がってしまう危険があります。

合同説明会のメリットとは?

合同説明会のメリットとしては、企業の情報を求めて多くの求職者が参加するため、たくさんの求職者に対して自社をアピールできる点が挙げられます。また、出展している他の企業の情報収集ができるというメリットもあります。

合同説明会のデメリットとは?

合同説明会のデメリットは、説明会の規模によって異なります。

100社以上の企業が参加する大規模な合同説明会の場合は、自社が埋もれていまい、求職者の印象に残らない可能性が高いというデメリットがあります。また、ブースの大きさや持ち時間には限りがあるため、求職者とゆっくり話をする時間が少ないというデメリットもあります。

小規模な合同説明会の場合は、参加企業が少ないために来場する求職者の数が少なく、個別説明会と比べてアピールする時間が減っただけになりやすいというデメリットがあります。また、優秀な人材は他社との取り合いになり、しっかりアピールできなければ他社の引き立て役になってしまう危険があります。

会社説明会で伝えるべき内容とは?

会社説明会で伝えるべき内容は「求職者が知りたいと思っている情報」です。

「何を当たり前のことを」と思われるでしょうが、リクルートキャリアの就職白書2018によると、就職活動中の情報収集において新卒学生が「知りたいと思っていたもの」と「知ることができたもの」の間には、一部で大きなギャップがあります。

就職活動中の情報収集
出典元『リクルートキャリア』就職白書2018 -採用活動・就職活動編-

上のグラフを見ると、学生が「知りたいと思っていた」割合に対して「知ることができた」割合が10%以上少ない項目がいくつかあり、企業が「求職者が知りたいと思っている情報」を提供できていない現状が見て取れます。

会社説明会に参加する段階で既に高い志望度を持っている求職者はあまりいません。数ある企業の中から「もっと話が聞きたい」「面接を受けてみたい」と思ってもらうためには、印象に残るような強いインパクトを与える工夫だけでなく、求職者が本当に求めている情報を提供して自社への関心を高める必要があるのです。

会社説明会の開催前に行うべき準備とは?

会社説明会を開催する前の準備としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 会場を抑える
  • 当日のスケジュール表や台本の作成
  • 当日のレイアウト決め
  • 当日利用する美品の用意(プロジェクター、マイクなど)
  • 配布資料の用意
  • アンケート用紙の作成
  • リハーサル

会社説明会の準備の中でも、リハーサルは可能な限り行った方がよいでしょう。準備不足や改善点は実際にやってみて初めて気づく場合が多く、求職者に対する自社の第一印象を決定づける会社説明会に不備があると、以降の採用活動に大きな悪影響を及ぼします。

会社説明会を行う時期や準備に必要な期間とは?

新卒学生向けの会社説明会が開催される時期は、経団連に加盟している企業は3月1日に会社説明会が解禁になるというルールがあります。経団連加盟企業では解禁時期が決まっているため、3月1日から複数の企業で会社説明会が開催され、求職者が積極的に行動を起こす熱量の高い期間になります。

経団連に加盟している約1300社の大手企業は、概ね下記のようなスケジュールを組んでいます。

  • 大学3年6月~大学3年2月…インターンシップ
  • 大学3年3月~大学4年5月…会社説明会
  • 大学4年6月~大学4年8月…選考
  • 大学4年6月~大学4年8月…内定

経団連に加盟していない大手企業やメガベンチャー企業は、経団連加盟の企業よりも早く会社説明会を開始して、採用選考を進めています。経団連加盟の大手企業よりも早く採用活動をスタートし、より良い人材を確保する狙いがあります。

経団連に加盟していない企業に関しては決まりはありませんので、各企業によって異なりますが、概ね以下のような時期で行っている場合が多いです。

  • 大学3年6月~大学3年2月…インターンシップ
  • 大学3年2月~大学4年8月…会社説明会、選考
  • 大学4年3月~大学4年8月…内定

外資系企業や一部のマスコミなどでは、上記スケジュールよりもさらに早く、大学3年生の秋くらいの学生をターゲットにした企業説明会を開催する場合があります。また、中小企業では1年中会社説明会を開催している場合もあり、会社説明会は各企業ごとにいろいろな時期で開催されています。

会社説明会の準備にかける期間は企業によって異なりますが、準備を怠ると開催当日に良いプレゼンができなかったり集客できなかったりと、企業説明会を開催する意味がなくなってしまう危険が高まります。効果的な会社説明会にするためには、準備期間を数ヶ月設けて開催後にも次回に向けた反省会を行うなど、入念な準備を心掛けましょう。

会社説明会は自社の求める人物像にターゲットを絞ろう!

会社説明会とは、企業が求職者に対して自社をより詳しく知ってもらうために開催する、採用活動のプロセスのひとつです。

会社説明会は、求職者を自社に惹きつけるための施策ですが、逆に求職者を失望させてしまうきっかけにもなり得る母集団形成の手法です。企業側が優秀な人材をチェックできる場であると同時に、学生側から評価される場であることを忘れず、入念な準備を心掛けましょう。

求職者の中には様々な性格や価値観を持つ人がいるため、参加者全員に好印象を持ってもらうことは難しいでしょう。だからといって、嘘や誤魔化しで無理に求職者を惹きつけても、内定辞退や早期離職を生む原因になります。まずは自社の求める人物像に近い人にターゲットを絞り、ターゲット層が魅力的に感じる会社説明会を目指しましょう。

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