新卒採用のミスマッチを防ぐ!学生側の原因と企業による対策方法とは

超売り手市場の新卒採用

優秀な人材を巡って企業間の人材獲得競争が高まっていく中、「自社に合う」人材を少ない期間で見極めるのは依然として困難な課題です。

この課題を解決するためには、採用担当者が以前にも増して、戦略的に採用を施策していくことが必須になるでしょう。

自社にフィットする人材を見極めるには、まずは自社の明確な人材要件を把握することが大事です。

次に人材要件定義を含めた、なるべく多くの正確な情報を複数のメディアを通して発信していきます。

採用担当者は、それらの情報を十分に理解し、就活生に正しく伝達していくことが求められます。このような採用ブランディングをすれば、なるべくカルチャーフィットが高く、定着率の良い採用ができるのではないでしょうか。

背景

2018年卒の新卒採用では、三月の採用情報の公開時期はそのままで、選考開始の時期が前年よりも2ヶ月早まりました。これは、選考時間が少なくなり、新卒者と採用担当者の双方向のマッチを測る時間がますます無くなっていることを表します。

超売り手市場の新卒採用シーンでは、実質上の採用の早期化は目に見えない形で今後も加速していくと予想されます。

形式上の選考解禁は6月ですが、実質上、もっと早い時期の選考解禁は学生の間ではもはや常識になっており、インターンなどの手段を使って優秀な人材を早い段階で囲い込む企業が増えています。
出典元:『Business Insider Japan, Careers』就活は3年夏の「イン活」で決まる

採用選考の締め切りを早めることは、より真剣に検討している学生を絞り込むという企業側の意図もあるようです。しかし、採用の早期化によって様々な弊害が起こることも懸念されています。

今回の記事では、このように採用時期の早期化によって起こる新卒採用における課題を特定し、新卒採用担当者のための解決策を考察していきます。

学生側から感じるミスマッチが起こる問題とは

採用の早期化によって起こる一番深刻な問題は、少ない選考時間の中で就活生も企業もフィットを見極めなければならないことです。採用の早期化によって起こる学生からの具体的な不満は、以下のようにまとめることができます。

新卒生の準備不足

多くの就活生は選考時期が早まると、そもそも語ることが何もないことに悩むそうです。
出典元『日本の人事部 新卒採用.jp』:新卒採用をめぐる最新状況

しかし、人手不足である多くの企業側は、即戦力を期待しつつあります。

つまり、即戦力が求められているにも関わらず、実質的には採用の早期化により多くの学生が準備不足のままであるという状況が生まれます。結果的に、できる学生とできない学生の格差がますます広がっているという懸念もあります。

新卒生の情報不足

学生側は少ない時間の中で企業分析をしなければならず、情報不足が懸念されます。

その上、多くの企業が募集段階であまり多くの事を公開せず、かつ「コミュニケーション能力」や「人柄・性格」など曖昧な人材を求めるため、企業間に人材要件定義の画一化が起こってしまいます。また、面接での対策本なども広く認知されているため、学生側も画一的な対策に頼ってしまいます。

結果的に起こる問題としては、就活生も「給与」や「知名度」などの分かりやすい基準でしか分析できなくなり、採用選考時では価値観や性質などの定量化するのが難しい部分でのマッチングは希薄になってしまいます。

最終的に、就活生の情報不足と画一的で曖昧な募集要項により、双方向のミスマッチが生まれ、マッチングの質が低下します。

解決策

このような悩みを新卒採用担当者が解決するとしたら、どのような方法があるのでしょうか。

短い選考時間の中で、情報の少ない就活生とのフィットを見極めるには、採用担当者側も戦略的に施策を練っていく必要があります。

明確な人材要件定義

明確な人材要件定義を公表することによって、早い段階から的確な人材を絞り込むことができます。高いカルチャーフィットを実現するには、人材要件定義を「職業スキル」と「性格特性や価値観」の2つの要素に分けて考えます。

自社の求める職業スキル

一つは、自社の求める職業スキルです。

職業スキルは技術職であれば分かりやすく、洗い出しが比較的容易であると言えます。また、教育・研修にかけるコストが担保できる企業ならば、新卒採用の段階では入社後に教育できる要素は割り切って、あまり重視しないという選択肢もありえます。

新卒採用選考の時点で高い職業スキルを備えている人材は少ないはずなので、職業スキルを募集の時点で測るというのは非常に難しいという欠点があります。

性格特性や価値観

人材要件定義のもう一つの要素は、「ポテンシャル」に目を向けた性格特性やキャリアについての価値観です。

即戦力を期待する新卒採用でも、現実的には即戦力になる人材を見つけるのは難しいでしょう。実際に、多くの日本企業が新卒採用に期待する主な項目は「やる気」や「コミュニケーション能力」などの性質に近い部分で、ポテンシャル採用(出典元『日本の人事部』ポテンシャル採用)は新卒一括採用に適している方法だと言えます。

しかし、「コミュニケーション能力」や「性格・人柄」という曖昧な定義で終わらせるのではなく、どの種類のポテンシャルが大事なのかを具体的に定義しましょう。

例えば、中小企業であれば「挑戦志向」の性格や、「給料よりも今は自分の成長を重視したい」価値観がより重要になってくるのではないでしょうか。

単なる「単発的なやる気」よりも「長期的な粘り強さ」が大事な場合もあるでしょう。また、ビジネスモデルやプロダクトによって、向いてる性質、向いてない性質というのも変わってくるでしょう。

例えば、過去の実証研究からは、営業職に向いている性格は「誠実性」や「外向性」だと言うことが示唆されています(Barrick, Mount, & Strauss, 1993)。管理職であれば「緻密さ」や「几帳面さ」が必要でしょう。また、自社のトップパフォーマーを特定し、彼らに共通して高い性格特性を導き出すのも、応用した方法です。

自社の人材要件定義が明確になればなるほど、他社との差別化に繋がります。

例えば、お菓子メーカーの三幸製菓様は、強みである「成長力」にとにかく特化して採用ブランディングをしていった結果、エントリー数が300から1万3000件に増えました。
(出典元『HR Note』地方のお菓子メーカーの採用戦略とは
自社の置かれている予算状況などを考慮して、どこが一番強みで他社と差別化できるのかを定義することが重要です。

さらに、設立3年目のベンチャー企業の人材要件定義の具体的な例として、株式会社ゼロトゥワン様の記事が参考になります。

他にも、弊社サービスのミツカリを使えば、社員100名まで無料で性格特性・キャリアの価値観を即時に測定して可視化することができます。

透明性のある情報公開

入社後のミスマッチは、採用段階での不透明な情報の共有が原因です。

実際に「優秀な人材欲しさに、企業が背伸びする」ことがかえって入社後のミスマッチを生んでいるという指摘もあります。
出典元『転職会議Report』今年の就活はミスマッチの温床?学生が直面するリスクと対策

それを防ぐためには、募集段階から、多くのことを隠さず、なるべく全ての情報を求職者に伝えましょう。

この方法は、経営学・心理学研究の中で「現実的な職務予告」と呼ばれ、この方法を実施している会社の方が従業員の満足度が高く、離職率も低いという実証データがあります。

ネガティブな情報も、ポジティブな情報も、ありのままの情報をできるだけ伝えることで、求職者はその企業に対して信頼感が高まります。現実を見てから大きいショックのせいで辞めてしまうコストよりも、事前に小さいショックを与えておいて入社してもらうしてもらう方がコストは安い、ということになります。

人材の獲得が難しくなっていく中、採用段階で早期離職を防止する施策にも注目が集まっています。採用の前に、自社のポジティブな情報だけでなくネガティブな情報も公表する「RJP理論(Realistic Job Preview)」がアメリカで1970年代に提唱され、広く研究・実証されているものがあります。日本では「ネガティブ情報を公開することで人が集まらなくなるのでは」との懸念があると思いますが、アメリカではそれを補って余りあるほどの実証効果があります。今回はRJP理論の概要について説明します。

募集に当たって情報公開をしていくにあたり、複数のメディアを使い一貫したメッセージを発信するという方法が有効です。

学生は、求人サイトと説明会や見学会など様々な方法を使って企業分析をしますが、求人サイトでの情報が説明会でプレゼンされると説得力が増すという調査結果もあります。
出典元『ダイレクト・ソーシングジャーナル』採用学の知見から学ぶ、募集・選考・面接の各フェーズで考えるべき行動とは?

また、学生は求人サイトの情報と採用担当者が発信する内容が食い違っていると不信感を抱きます。明確な人材要件定義を含め、透明な情報を戦略的に複数のメディアで一貫して発信していきましょう。

採用担当者が組織文化の登竜門

求職者は、採用担当者から企業の情報を得て判断します。つまり、採用担当者が組織文化や業務内容を十分に理解していなければ、入社後のミスマッチを防ぐような採用判断は難しくなってしまいます。

意外にも、この点は軽視されがちです。採用学の服部泰宏氏の行った調査によると、「採用担当者にがっかりした瞬間」について「会社に関する基礎知識が足りないと感じた時」という回答が多かったそうです。
出典元『ダイレクト・ソーシングジャーナル』採用学の知見から学ぶ、募集・選考・面接の各フェーズで考えるべき行動とは?

つまり、採用担当者が組織文化を含め、企業情報を把握していなければ、適切なカルチャーフィットを測れないばかりか、採用段階で求職者からの信頼も損ねてしまう危険性があります。

なるべく透明性の高い情報を共有できるためにも、企業についての知識は採用担当者にとって最重要項目と言えるでしょう。

組織文化と求める人材を明確化し、情報を開示しよう!

採用の早期化により、就活生は情報不足と企業分析にかける時間がなくなり、自分に合う企業を選ぶことがますます困難になっています。

入社後のミスマッチを防ぐためにも、採用担当者が戦略的にフィットを高める採用選考を施策していく必要があります。

まずは、他社との差別化ができるためにも、明確な人材要件定義をしましょう。
次に、人材要件定義を含め、なるべく多くの情報を複数の方法で一貫して発信しましょう。

そして、採用担当者はなるべく多く、正確な情報を把握した上で就活生と接しましょう。そうすることで、応募者からの信頼感を高めることができ、よりフィットの高い採用に繋がります。

資料ダウンロードフォーム

人事担当者向け「面接官選出ガイドブック」が無料でダウンロードできます

社風に合わない人を採用してしまった。採用したい人をうまく採用できなかった。こういったお悩みをお持ちではありませんか。
面接のあるべき姿とは何か、どういった人が面接官になるべきかをまとめた小冊子を無料でダウンロードしていただけます。

以下のフォームに必須項目をご記入の上、ダウンロードしてください。

関連するタグ