母集団形成の課題と対策方法とは?優れた人材を採用するために

母集団形成の課題を知り対策を行おう!

従業員の労働者不足が深刻な問題になる中で、少子化に伴う労働人口の減少により、多くの企業が採用活動に苦戦しています。

帝国データバンクの調査によると、自社の従業員が不足していると感じている企業は51.1%となっており、過半数以上の企業で人材不足という現状があります。不足している企業の割合は増加傾向にあり、将来的に今まで以上の企業が人材不足に悩まされると考えられます。

従業員が不足している企業の割合
出典元『帝国データバンク』人手不足に対する企業の動向調査

人材不足を解消するためには、採用活動が欠かせません。しかし候補者集めである母集団形成に苦戦している企業が非常に多い現状があります。

新卒採用においては、母集団形成状況について、56.1%の企業が「想定よりも母集団が少ない」と回答しています。

2019年卒採用見込み
出典元『株式会社ディスコ キャリタスリサーチ』2019年卒 採用活動の感触等に関する緊急企業調査

中途採用においても、実に85%以上の企業が「2017年の中途採用は2016年並に厳しい・2016年以上に厳しい」と回答しています。

2016年と比較した2017年の中途採用活動の印象
出典元『中途採用サポネット』中途採用状況調査 2018年版(2017年実績)

人材獲得競争が激化する中、母集団形成における課題も深刻です。今回は、母集団形成における代表的な課題と原因、対策方法について説明します。

母集団形成における課題と対策とは

母集団形成における代表的な課題として以下のものが挙げられます。それぞれの原因や対策方法について考えてみましょう。

  • 求める人物像以外の応募が多い
  • 昨年度成功した母集団形成方法でも失敗する可能性がある
  • 人材紹介会社からの紹介者に問題がある
  • 応募者が少ない

求める人物像以外の応募が多い

説明会や求人票などに「求める人物像」の説明がなかったり、あったとしても抽象的で抽象的であったり曖昧であったりする場合、求める人物像からの応募が少なく、求めている人物像以外の人からの応募が増えてしまいます。

求める人物像からの応募が多いと、スクリーニングや面接などの採用選考にかけるコストの増加が考えられます。テクノロジーなどでスクリーニングなどを自動化している企業であればまだしも、エントリーシートの読み込みや面接の案内・対応を手動で行っている場合の採用担当者の負担増加は想像に難くありません。

採用人数を充足させるために、求める人物像ではない人材を採用してしまうと、早期離職の問題に対応しなければなりません。入退社手続きだけでなく、教育研修に割いた先輩社員や上司の業務負担の増加、最悪の場合は社内の雰囲気を悪くしてしまうなどの問題が考えられます。早期退職によるコストは、採用選考にかけるコスト以上に負担が大きいものです。

対策:求める人物像の要件を明確・具体的にし、求人票や会社説明会で伝える

対策としては、求める人物像の要件を明確化・具体的にして、求職者に情報を開示することが挙げられます。

求める人物像を明確にすることで、求職者に対して「セルフスクリーニング効果」が期待できます。セルフスクリーニング効果とは、仕事や会社の正確な情報を求めることで、求職者が自ら企業との適合性を判断できるようになることです。セルフスクリーニング効果は、求職者自身が会社とのミスマッチを判断する材料の一つとなります。

エントリー数が多くなればなるほど候補者の中に優秀な人材が含まれる割合が多くなるという「大規模候補者群仮説」を捨てることも重要です。「大規模候補者郡仮説」とは、「応募者数が多くなるほど、候補者の中に優秀な人材が含まれる割合が多くなる」一種の思い込みであると説明されています。採用学の著者である服部 泰宏神戸大学大学院経営学研究科准教授は、この仮説は正しくなく、少ない応募者であっても、多く集めたばいいと同じ数の優秀な人を集めることは可能であると説明しています。

セルフスクリーニングを行うことで、「コミットメントと一貫性の心理」が働くことも期待できます。「コミットメントと一貫性の心理」とは、「一度心に決めたことや実行したいことに、矛盾のない行動を行う」人間心理の基本的原理の一つです。求職者自身がその会社に合っている、働きたいという選択を自ら行うことで、入社意欲の向上も期待できます。

昨年度成功した母集団形成方法でも失敗する可能性がある

人事担当者の業務は、労働人口の減少による採用活動の難化だけでなく、働き方改革などによる自社制度の整備などによって負担が増加している傾向にあります。業務負担を軽減するために「今までやっていたから」という名目で昨年度成功した方法を行いがちですが、失敗する可能性が大いにあります。

原因としては、求職者の価値観が年代によって変わることはもちろんのこと、大手求人サイトなどは競合他社との差別化を図るために、求職者の集め方を変更している可能性が大いに有り得るからです。テレビCMなどでも、内容や求職者に伝えるメッセージの内容を変えることで、集まる求職者の属性が変わります。同じ媒体で同じ方法だからといって、求人票を見てもらう求職者の属性が違えば、昨年成功したとしても今年も成功するとは限りません。

対策:それぞれの求人方法において、毎年適した方法を選択する

採用市場の最新の動向を知って、適した求人方法を選ぶことが挙げられます。

求人媒体や人材紹介業を手がける各社では、毎年様々な調査を行っています。同じ調査内容でも、年ごとに結果が変わったり、その推移が公表されていますので、定期的な情報収集で、求職者が今何を求めているのかの動向を知りましょう。

求人媒体を使う場合にも「昨年と比べて今年はどのような求職者が集まっているのか」の傾向を担当者に確認することも有効です。求職者の傾向がつかめれば、求める人物像に従って、どのようにアプローチ・メッセージを出せばよいかのヒントを得られます。

昨年通りの方法で行う場合と比べて、手間暇はかかってしまいますが、競合他社との差別化を図りながら優秀な人材を集めるためには、競合他社が行っていないことに注力することが必要です。

人材紹介会社からの紹介者に問題がある

人材紹介会社は、自社のことだけでなく、求める人物像も理解して紹介してくれます。紹介してもらえる数は多くないものの、求める人物像としての質は、他の母集団形成手法と比べて高くなります。

面接を行うと「人材紹介会社の言っていた話と違う」「求める人物像にはほど遠い」などの事象が起こりえます。自社の事情や求める人物像を直接伝えているのにも関わらずです。

対策:認識のミスマッチをなくそう

求める人物像を明確・具体的にして、正確に人材紹介会社に伝えましょう。例えば「明るくハキハキしている人を紹介してほしい」だけでは、何をもって「明るいのか」「ハキハキしているのか」の判断基準は異なります。評価項目だけでなく、評価基準も伝えることが大切です。

人材紹介会社からの紹介が良くなかった場合は「どの点が不足していたか」「自社がどのような人材を求めているのか」を再度明確かつ具体的に伝え、理解してもらいましょう。

人材紹介会社の担当者も一人の人間です。「良かった」「悪かった」だけのフィードバックでは「紹介しても意味がない」と思われてしまうかもしれません。「具体的にここが良かった・悪かった」と伝えることで、良好な人間関係を構築して、適した人材を紹介してもらえるようにしましょう。

応募者が少ない

人材採用要件を具体的に提示したとしても、目にする人の中に採用要件を満たす人材が少ない場合は、応募してくれる候補者は少なくなってしまいます。

採用目標人数が10人だったとして、採用要件を完璧に満たす人材が5人入社してくれたとしても、企業の人材不足は解消できません。採用要件を満たさなくとも、入社後に教育できるスキルが多少不足していようとも、成長を期待した人材を5人採用する必要があります。

対策:注力する母集団形成方法を決める

どのような方法で母集団を形成するのかだけでなく、それぞれの集客方法のメリットやデメリット、求職者の特徴を理解しながら、注力する母集団形成方法を決める必要があります。

場合によっては、入社後に教育できるスキル要件の優先順位を下げ、教育できない性格や価値観に絞って母集団形成を行う方法もあるでしょう。母集団形成方法ごとに、どのような求職者からの応募が集まっているのか、採用人数を充足させるためにはどの方法に注力したほうが良いのかを常に考える必要があります。

市場の変化に伴い母集団形成にも柔軟な対応が必要

労働市場は変化し続けています。昨年成功したからといって、人材獲得競争が激化している現在では、今年成功する保証はどこにもありません。

変化し続ける労働市場に対して、企業が柔軟に対応しながら母集団形成を行う必要があります。「昨年成功した理由は何か」「今年の採用活動を成功させるためには何が必要なのか」と一歩掘り下げた視点で考えることで、効果的な母集団形成に近づきます。

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