キャリアサバイバルの意味とは?企業のメリット・デメリットについて

キャリアサバイバルとは?キャリアアンカーとの違いについて

キャリアサバイバルとは、社員個人の仕事上譲れない価値観を意味するキャリアアンカーと、環境や組織のニーズとの調和を意味する言葉です。

キャリアアンカーとは「仕事の条件でこれだけは譲れない」「家庭のためでもこれだけは犠牲にしたくない」といったような、個人がキャリアを選択する際に最も大切にする欲求や価値観を意味します。

キャリアアンカーという概念が生まれた背景には、市場のグローバル化や人工知能の発展などによって業務内容に大きな変化を求められるようになったことから、社員一人ひとりが何を大切にしてどのように働きたいかを把握しようという目的があります。

キャリアアンカーは企業と人材のマッチングを図る上で重要な要素ですが、キャリアアンカーは人材側のニーズや価値観を示すものなので、企業を運営する上では組織側のニーズについても考慮する必要があります。キャリアサバイバルという言葉は、キャリアアンカーと企業のニーズのすり合わせを意味する言葉として生まれました。

今回の記事では、キャリアサバイバルの意味や定義、企業で活用するメリット・デメリットなどをご紹介します。

キャリアサバイバルとは?意味や定義、企業で活用するメリット・デメリットについて

キャリアサバイバルとは、社員個人の仕事上譲れない価値観と、環境や組織のニーズとの調和を意味する言葉です。

キャリアサバイバルの意味や定義、企業で活用するメリットやデメリットなどについて、順を追ってご説明します。

キャリアサバイバルの意味や定義とは?

キャリアサバイバルとは、環境や組織のニーズを分析し、個人のキャリア要求と組織のニーズをマッチさせることを意味する言葉です。

キャリアサバイバルという概念は、個人の性格や価値観は大切ではあるものの、個人のニーズを企業に求めるだけでは企業と人材のマッチングが成り立たないことから、個人のニーズを企業のニーズに合うように適応させる方法を考えようという目的で生まれました。

キャリアサバイバルが提唱された背景とは?

キャリアサバイバルが提唱された理由として、市場の多様化やグローバル化によって仕事の内容や働き方が多様化し、キャリアアンカーに合った仕事や環境が維持されることが約束されるものではなくなってきたという背景があります。

キャリアアンカーは「自分がどうありたいか」を基準としてキャリアをデザインすべきという思想が背景にありましたが、市場の変化に合わせた仕事の変化が求められるようになり「現在の職場や職務にどう適応するか」を考える必要が出てきたのです。

キャリアアンカーの提唱者であるエドガー・シャイン博士は、個人の要求だけでなく職場や職務への適応を図ることも大切であるとして、キャリアサバイバルを提唱しました。キャリアサバイバルは、個人のキャリアが順調に開発され発展するためには、個人ニーズと組織ニーズが互いにマッチングしていることが重要としています。

キャリアサバイバルの活用方法とは?

キャリアサバイバルとは、個人のキャリアに関して、企業や部署、取り巻く環境からのニーズに視点をおく考え方です。キャリアアンカーは個人の視点からの考え方であるのに対して、キャリアサバイバルは組織や企業の期待に応えることや貢献できることなどを考えます。

キャリアアンカーは「どう生きたいか」「どのように働きたいか」を表すものであり、キャリアサバイバルは「組織でどう生き残るか」「どのようなニーズを満たせるか」を表すものといえます。

キャリアサバイバルとキャリアアンカーは、個人のキャリアを考える上でどちらか一方ではなく、上手く両立できるバランスを考えることが大切です。

キャリアサバイバルを企業で活用するメリットとは?

キャリアサバイバルは、異動や配置などの人事業務に活用することで、企業に様々なメリットがあります。

キャリアサバイバルは、企業からの期待や組織の役割などを個人の価値観とマッチしていくものなので、社員が自社内での長期的なキャリアを描いていく指標になります。社員のニーズを現在の環境で実現する方法を考えるため、転職による退職につながりにくいというメリットもあります。

キャリアサバイバルを考えていく上で、将来の職務に要求される知識やスキルを予測して、社員が自らスキルアップのための行動を起こすことも期待できます。会社の期待に応えようという視点で考えるため、企業にとっては自律的なキャリア形成が可能となります。

社員にとっては、自分がなりたい姿や目指したい目標が具体的になるので、日々の仕事や業務を前向きに考え、当事者意識をもって励めるようになります。目標が具体的になることによって「どうすればキャリアアップできて成長できるのか」をイメージしやすくなり、職務目標に対しても向き合えるようになるのです。

企業にとっては、社員が前向きに働いてくれることで生産性が向上するだけでなく、組織全体の活性化や定着率の向上など、多くのメリットが期待できます。

キャリアサバイバルを企業で活用するデメリットとは?

キャリアサバイバルを企業で活用する際のデメリットとしては、キャリアサバイバルを用いて企業でのキャリアを描いたとしても、社員全員がキャリデザインに沿ってキャリアアップできるとは限らないことが挙げられます。

キャリアデザインに沿ったキャリアアップができない原因としては、本人の能力不足以外にも、会社の経営状況や組織の運営状況によって、要件を満たしたとしてもすぐには昇進できないといったケースも考えられます。要件を満たしても昇進がかなわない場合、昇進を目指して努力を重ねてきた社員はショックを受け、会社に裏切られたと不満を持つ危険があります。

キャリアサバイバルのもう1つのデメリットとして、現在の職務においての期待や貢献を考えた分析を行うため、社員が現在の職務の道しか目指さなくなるという可能性が考えられます。

キャリアを形成するためには、様々な経験や仕事を通して新たな発見や自分の強みを見つけていくことが大切ですが、一度キャリアの道を定めてしまうと定めた道以外の冒険をしなくなり、効率的に示された道のみを進んでしまう可能性があります。

キャリアサバイバルを企業で活用する際には、確実な昇進が約束されたりキャリア形成の道が固定されたりするものではないことを、社員にしっかりと伝えておくことが大切です。

キャリアサバイバルは人材と組織のより良いマッチングに役立つ!

キャリアサバイバルとは、社員個人の仕事上譲れない価値観と、環境や組織のニーズとの調和を意味する言葉です。

キャリアサバイバルという概念は、社員個人の価値観であるキャリアアンカーと組織のニーズを分析し、個人と組織をより良くマッチングさせるための考え方として生まれました。キャリアサバイバルとキャリアアンカーは、どちらか一方だけを重視するのではなく、両立させるためのバランスを考えることが大切です。

社員一人ひとりのキャリアアンカーにマッチした人材配置を行い、社員のモチベーション向上や組織全体の生産性向上を図るために、キャリアサバイバルの考え方を人事業務に導入されてみてはいかがでしょうか。

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