職場の人間関係は社員のストレスに大きな影響を与えている
職場の人間関係は、人事部や経営層の方の多くが抱える悩みのひとつです。
チューリッヒの調査によると、職場の人間関係にストレスを感じている従業員は7割以上であり、ストレスの原因としては「上司との人間関係」が1位で「同僚との人間関係」が2位と、職場の人間関係に起因するストレスが上位を占めています。
出典元『チューリッヒ』2018年 ビジネスパーソンが抱えるストレスに関する調査
出典元『チューリッヒ』2018年 ビジネスパーソンが抱えるストレスに関する調査
ストレスの発散方法としては「美味しい物を食べる」が1位に挙げられており、他にも「身体を動かす」「睡眠・休息を取る」などが挙げられているものの、いずれにしても根本的なストレス要因を解消できるような方法ではなく、従業員個人でできるストレス対策には限界があることが分かります。
出典元『チューリッヒ』2018年 ビジネスパーソンが抱えるストレスに関する調査
職場の人間関係は、早期離職の大きな原因になるだけでなく、社員の生産性に対しても影響があります。企業の維持・成長を図る上で、職場の人間関係を良くするための取り組みは、必要不可欠であると言えます。
今回の記事では、職場の人間関係を改善するための研修についてご紹介します。
職場の人間関係を改善する研修とは?具体的な目的や内容について
職場の人間関係を改善する研修とは、主にハラスメント対策の研修やチームビルディング研修などを指します。
ハラスメント対策の研修とは、パワハラやセクハラなどのハラスメント行為について「何がハラスメント行為に当たるのか」「ハラスメント行為に遭遇した場合どうすればいいのか」など、ハラスメント問題に対する社員のリテラシーを高めるための研修です。
パワハラやセクハラなどに代表さえるハラスメント行為は、職場の人間関係を悪化させる大きな原因のひとつであり、企業全体のイメージを低下させる危険もあります。ハラスメント対策の研修は、職場の人間関係を改善するためだけでなく、企業イメージを守るためにも重要な研修です。
チームビルディング研修とは、チームメンバー同士に健全な協力関係を築かせ、チームの生産性を向上させるための研修です。
チームメンバー同士に協力関係が生まれれば、自然と職場の人間関係も改善します。チームビルディング研修は、職場の人間関係を改善する上で、非常に重要な研修であると言えます。
職場の人間関係を改善する研修の具体的な内容とは?
職場の人間関係を改善する研修の具体的な内容としては、アドラー心理学、EQ能力開発、ヒューマンスキルの研修などが挙げられます。
アドラー心理学とは?
アドラー心理学とは、正式には個人心理学と呼ばれる「すべての悩みは対人関係の悩みである」という考えにもとづく理論です。
アドラー心理学は、児童教育や子育ての心理学として広く活用されていますが、職場の人間関係においても活用できます。アドラー心理学の考え方を学ぶことで、対人関係における課題の明確化と解決につながります。
社員のEQ能力開発とは?
EQ能力とは「感情をうまく管理・利用できる能力」を意味する言葉です。
EQ能力は、ビジネスシーンにおいて必要となる、対人コミュニケーションの基礎能力といわれています。メンタル不調の多くが対人コミュニケーションの問題に起因することから、社員のEQ能力の向上がメンタルヘルスに関する問題の根本解決に繋がるとして、近年EQ能力の重要性が注目されています。
ヒューマンスキルとは?
ヒューマンスキルとは、対人関係能力とも言われる「他者と良好な関係を築き、維持していくために必要な能力」を意味する言葉です。
ヒューマンスキルは、チームやクライアントなど社内外を問わず、他人とストレスなく働くうえでとても重要なスキルで、社会人としてさまざまな場面で必要とされます。
職場の人間関係を改善するために、自社の課題を明確にしよう!
職場の人間関係を改善する研修は、働き方改革によって労働生産性の向上や社員のメンタルヘルスなどに注目が集まっている現代日本では、書籍やコンサルティングサービスなどのさまざまな媒体を活用して行われています。
職場の人間関係を改善するために研修を実施する際は、自社が抱えている課題を明確化して自社内で解決できるかを検討し、自社で解決できない場合には外部の研修機関を利用する必要があります。
自社における職場の人間関係を改善するためには、まずは自社内で解決できる課題かどうかを見極めるために、匿名調査などで社員の本音を聞き出すようにしましょう。