タスク型ダイバーシティとは?社会全体でダイバーシティの重要性が高まっている
政府が推進する働き方改革の影響で、ダイバーシティという言葉が注目を集めています。
ダイバーシティーとは、直訳で「多様性」と訳される英語で、様々な違いを受け入れるという意味で用いられます。マネジメント用語としてのダイバーシティは、国籍や性別などの違いを問わず、多様な人材を受け入れる企業の体制や取り組みを意味します。
P&Gの調査によると、ダイバーシティという言葉について「知らない」「聞いたことはあるが意味はよく知らない」と答えた人は、合わせて約6割という結果が出ています。
同調査によると、勤務先でのダイバーシティの取り組みが進んでいないと感じる従業員は約半数近く存在し、企業や従業員への浸透は時間がかかりそうな状態です。
ダイバーシティには「タスク型ダイバーシティ」と「デモグラフィー型ダイバーシティ」の2種類があります。タスク型ダイバーシティは企業に良い影響を与え、デモグラフィー型ダイバーシティは企業に悪い影響を与える可能性があることが、40年近くの実証研究で指摘されています。
今回の記事では、タスク型ダイバーシティの意味やメリット、デモグラフィー型ダイバーシティとの違いについてご紹介します。
タスク型ダイバーシティとは?意味やメリット、デモグラフィー型ダイバーシティとの違いについて
タスク型ダイバーシティの意味や定義とは?
タスク型ダイバーシティとは、能力・経験・知識など、実力の多様性のことを意味する言葉です。個人の能力や知識、過去の経験や価値観など、目に見えない内面の多様性のことを総称してタスク型ダイバーシティと呼びます。
タスク型ダイバーシティは、企業経営において組織のパフォーマンスにプラスになると言われています。組織の中で多様な知見や能力を持った人が集まれば、イノベーションを生み出しやすくなるためです。
タスク型ダイバーシティとデモグラフィー型ダイバーシティとの違いとは?
デモクラフィー型ダイバーシティとは、性別・国籍・年齢など、属性の多様性のことを意味する言葉です。
タスク型ダイバーシティが「目に見えない内面の多様性」であるのに対して、デモグラフィー型は「見ただけで分かる外見についての多様性」であると言えます。
タスク型ダイバーシティは、見ただけで分かる外見的な多様性はありませんが、本当の意味での多様性の実現に効果的です。タスク型ダイバーシティが実現している組織では、能力や経験、意見や価値観などの内面的な違いがあることによって「性別や国籍などの外見的な違いは些細な事である」というダイバーシティの本質に気付きやすくなるためです。
タスク型ダイバーシティを実現するメリットとは?
タスク型ダイバーシティは、様々な実証研究の結果、組織のパフォーマンスにプラスだということが分かっています。
現在はVUCAワールドと呼ばれる将来の予測が困難な時代で、経済・企業組織・個人のキャリアなど様々な環境が複雑さを増し、将来が未確定な状況にあります。企業がVUCAワールドを生き残るためには、多様な知識や価値観を組織に取り入れ、予測不可能な事態に対応する準備をしておかなければなりません。
タスク型ダイバーシティは、予測不可能な事態に対応するための多様な知識や価値観を取り入れる上で、企業が優先して取り組むべき課題であるといえます。
タスク型ダイバーシティが組織のパフォーマンス向上につながる理由とは?
タスク型ダイバーシティは「性別・国籍・年齢」ではなく「能力・スキル・経験」などの多様性を表しています。タスク型ダイバーシティを実現している企業では、全く違う業界出身の人材や、変わった人生経験を持つ人材など、多様な人材が集まります。
多様な人材が組織に入ってくることに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、社内に無い知識や価値観からの視点は、組織や事業に新しいイノベーションを起こす大きなきっかけになります。
組織や事業にイノベーションを起こすためには、既存の業界や常識から離れた知識を取り入れる「知の探索」が必要です。自社に無い能力・経験・価値観を持つ人材を組織に入れることで、イノベーションを起こすきっかけになり、企業や組織にとってプラスになるのです。
タスク型ダイバーシティは企業の業績向上につながる!
タスク型ダイバーシティとは、能力・経験・知識など、実力の多様性のことを意味する言葉です。個人の能力や知識、過去の経験や価値観など、目に見えない内面の多様性のことを総称してタスク型ダイバーシティと呼びます。
タスク型ダイバーシティは、予測不可能な事態に対応するための多様な知識や価値観を取り入れる上で、企業が優先して取り組むべき課題です。多様な人材が組織に入ってくることに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、社内に無い知識や価値観からの視点は、組織や事業に新しいイノベーションを起こす大きなきっかけになります。
自社でダイバーシティを推進して業績向上を目指すのであれば、性別・国籍・年齢などのデモグラフィー型ダイバーシティを目指すのではなく、能力・経験・知識などのタスク型ダイバーシティを目指すとよいでしょう。