予測困難な時代に必要な能力とは?
VUCAとは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取って作られた造語で、様々な要素によって形成される「予測不可能な状況」を表すビジネス用語です。
コンピューターの発達やスマートフォンの急速な普及がビジネスシーンだけでなく日常のあらゆる状況を激変させている中で、ビジネスの場面における予測が困難な状況のことをVUCAワールドと呼びます。
事業にとって困難な状況を作り出すVUCAですが、なんとなく受け入れ対処するのではなく、複雑な要素が組み合わさった予測不可能な状況を言語化し明確に定義・理解しておけば、発生するVUCAに対して適切に備えて対応できます。
VUCAワールドでは勝者が次々に入れ替わっており、安定した立場を保つことが困難な時代ですが、適切な組織作りを行えばVUCAワールドを勝ち抜く企業になることができます。
今回の記事では、VUCAに満ちた時代を勝ち抜くために、どんな能力が求められるのかについて説明していきます。
VUCA時代に求められる能力とは?
VUCA時代への対応能力が高い人材の特徴を知っていれば、人材の教育・研修や採用要件などの人事業務に活用できます。VUCAに対応できる組織作りのために、経営者や組織としての取り組みと合わせて参考にしてください。
予測不可能な事態を想定して変化を受け入れる能力
VUCA時代において最も重要な能力は、自分の能力や先見性の限界を自覚し、予測不可能な事態が発生する可能性を常に想定しておく能力です。
ベストを尽くした予測であっても予想が覆る事態の発生を想定し、今までの常識や自説を否定するような情報でも、柔軟に取り入れ対応しなければなりません。
適切に将来を予測したり自分の仕事に誇りを持つことは非常に大切ですが、現状や自分の考えを否定するような事態を受け入れられなかったり、受け入れるのに時間ががかかってしまうような人材は、VUCAワールドにはやや不向きです。
目標へのビジョンを持って修正できる能力
予測不可能な出来事を受け入れた上で重要になるのが、目標への明確なビジョンを持ち、目標に至る道のりを修正し続ける能力です。
定めた目標に向かって突き進むスピード感はVUCAワールドにおいて大切ですが、目標実現までの筋道を決め付け過ぎてしまうと、修正が遅れたり後戻りできなくなってしまうことがあります。
VUCA時代に適応できる人材は、現状の自分より目標に近づいた将来の自分のほうがより良い判断が出来ることを受け入れ、柔軟に目標への道のりを修正できる人です。
常に考えながら行動を続けられる能力
VUCAワールドでは状況が刻一刻と変わり続けるため、一つの計画に時間をかけすぎていては、実行するときには状況が変わってしまいます。
VUCAに対応するためには、予測不可能な将来を受け入れ、今できることを最大限やり続ける能力が必要です。止まって考えるのではなく走りながら考え、ルートを変更し続けながら目標に向かっていける柔軟さが求められます。
未来の自分が最良の判断をできる環境を作るために、将来必要になる事態を想定して複数の選択肢を用意しておいたり、自分が不向きな業務の適任者を見つけておくなど、常に考えながら目標に向かって進み続けることが大切です。
早めの研修でVUCA時代を勝ち抜く能力を身につけよう!
VUCAワールドでは勝者が次々に入れ替わっており、安定した立場を保つことが困難な時代ですが、VUCAへの対応能力が高い人材の特徴を知っていれば、VUCAに満ちた困難な時代を生き残り、勝ち抜いていく企業になることができます。
VUCAワールドを勝ち抜くために必要な3つの能力について解説しましたが、3つの能力はどれもそのまま組織に求められる能力でもあります。組織を構成するのは人材なので、組織が取るべき行動を理解して実施できる人材が、VUCAワールドを勝ち抜く鍵になります。
VUCAワールドを勝ち抜くための能力は、個人が生まれ持つ絶対的な適性ではなく、入社後に身につけられるスキルがほとんどです。多くの従業員に影響を与える管理職を中心に、早い段階からVUCAに対応する能力の研修を導入し、VUCAに満ちた時代を勝ち抜きましょう!