採用ブランディングとは?意味や目的、メリット・デメリットについて

人材採用にもブランディングが重要となる

採用ブランディングは、採用マーケティングと同様に、近年の人材採用領域で注目されている概念です。

採用ブランディングと採用マーケティングはよく混同されることがある概念ですが、異なる概念です。採用ブランディングを行うのか、採用マーケティングを行うのかによって目的も異なれば、施策内容も異なるため、まずは違いについて理解することが大切です。

「マーケティング」とは経済学や経営学の用語で、市場を調査し、そのニーズを掴んだ上で市場に効果的に訴えうる行動指針を作ることを目的としています。採用マーケティングでは、労働市場の状況を考慮した上で、求職者や労働者に対してどのようにアプローチをかけていくのか、アプローチ方法は最適であるか、最適でない場合どのように改善していくべきかなどで進めていきます。

「ブランディング」とは、ターゲットとなる顧客(潜在的顧客も含む)を対象とし、自社やその製品に対して特定のイメージ(信用や共感など)を抱かせることを目的としたマーケティング戦略の一つです。

わかりやすい言葉で言えば、マーケティングでは自分がどう伝えるかに重きを置いているのに対して、ブランディングでは相手がどう思うかが全てです。採用ブランディングにおけるターゲットへの自社の魅力のアピールは、採用マーケティングの重要なプロセスの一部と言うこともできます。

採用ブランディングの意味や定義、目的とは?

採用ブランディングとは採用活動にマーケティング戦略の一つである「ブランディング」の手法を取り入れたものです。

「ブランディング」とは、ブランドから発信する情報を意図的に取捨選択し、イメージを限定していくことで、消費者が商品に対して抱く価値や共感を高めることや、根本的な認知度の向上を目的とした広報活動を指します。

一例として消費者における購買傾向として、同じような商品でも広告でよく見るなどの理由でより親しみを感じる商品を買うといった傾向はよく知られています。

採用ブランディングはそうした消費者と企業の関係を採用活動に応用したものであり、求職者に対しての戦略的な情報発信によって企業のイメージを向上させ、優秀な人材に「この企業で働きたい」と思ってもらうことが目的となります。

採用ブランディングを行うメリットとは

採用ブランディングを行うメリットとして「求職者エントリー数の増加」と「求職者と自社とのミスマッチの防止」の2点が挙げられます。

求職者エントリー数の増加

採用ブランディングの成功による大きなメリットは、「求職者エントリー数の増加」です。

ブランディングによる知名度の向上や、求職者が自社に感じる価値や親密性の向上により、多くの求職者からの応募を見込むことができます。競合他社との人材の獲得競争も有利に進められるでしょう。

求職者と自社とのミスマッチの防止

適切なブランドイメージの提供は、セルフスクリーニングによる「求職者と自社とのミスマッチの防止」の効果ももたらしてくれます。

ブランディングによって、自社の現状だけでなく「こうありたい」というビジョンを共有した上で入社してくれた社員は、ビジョンの実現に向けて活躍してくれるでしょう。

採用ブランディングのデメリット・注意点とは

採用ブランディングにはメリットだけでなくデメリットも存在します。

ブランディングが適切に行われた場合、大きなデメリットにはなりませんが、考えうるデメリットやブランディングにおける注意点なども、採用ブランディングを成功させるためには考慮する必要があります。

製品イメージと採用戦略上のイメージの乖離に注意

採用ブランディングを行う際の大きな注意点は、製品のイメージと採用戦略上のイメージが乖離しないようにすることです。

異なったイメージの提供は求職者を混乱させます。元々自社の製品に特定のイメージが定着している場合、多くの求職者はそのイメージをもとに応募を決めるため、ブランディング採用戦略上のイメージ提供が浸透しないことが考えられます。

全社員の協力が不可欠

先ほどブランディングの成功によるメリットとしてあげましたが、ミスマッチの防止には、全社員の協力が不可欠です。人事の間だけでビジョンやイメージを共有していても、それが社内で共有されていなければ、入社後のミスマッチにつながってしまいます。

ブランディングの中で打ち出していくイメージを決める際には多くの社員を巻き込み、イメージをしっかり共有してもらいましょう。

ターゲット側(求職者)の視点に立つ

採用ブランディングに限らず、ブランディングにおいてよく見られるポイントですが、特定のイメージを持ってもらうための情報提供というプロセスの特性上、視点が自社に偏りすぎて、「どう見られるか」がないがしろになってしまいがちです。

「こう思って欲しい」「こういうイメージを持って欲しい」というビジョンを固めることはブランディングの土台になりますが、その情報をターゲットとなる層がどう受け止めるか、その発信の仕方は適切なものか、ターゲットの視点に立って考え続ける必要があります。現状を把握した上で適宜改善を行っていきましょう。

現状把握のためには口コミなども参考になります。中には辛辣な意見もありますが、そういった意見こそ、真摯に受け止めることが重要です。

採用ブランディングを今後の人材採用に活かそう

採用ブランディングは、消費者と企業の関係を採用活動に応用したものであり、優秀な人材に「この企業で働きたい」と思ってもらえるための関係を構築することが目的です。

採用ブランディングを適切に行うことができれば、求職者数の増加だけでなく、人材とのミスマッチを防ぐこともできる、効果的な採用手法です。売り手市場の中で競合他社に負けない安定した応募人数や人材の質の確保により、長期的に自社や事業そのものが成長していく土台を作ることができます。

自社が押し出したいメッセージだけでなく、メッセージをみた将来の労働者が、どう感じるかに重きを置いて考えてみましょう。

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