人材確保等支援助成金とは?離職率改善策の費用負担を軽減しよう!

早期離職の現状や離職率改善のメリットとは

日本の離職率の現状でいうと、中小企業における離職率として、新卒採用での3年以内の離職率は約45%、中途採用での3年以内の離職率は約30%と、非常に多くの人材が離職しています。

中小企業における就業者の離職率(3年目)
出典元『中小企業庁』第2章 中小企業・小規模事業者における人材の確保・育成

新卒で就職した人のうち、3年以内で辞めてしまう率が中卒で7割、高卒で5割、大卒で3割という状態を「七五三現象」と呼ばれています。

およそ10年以上前から早期離職の問題は取り上げられていますが、ながらく改善していない現状です。早期離職は、採用にかけた時間や費用はもちろんのこと、教育や研修費用や時間、人事計画などがコストとして大きな影響を与えている対策すべき課題です。

離職率の改善をすることによって受給できる助成金が「人材確保等支援助成金」です。

人材確保等支援助成金の概要や目的とは?

人材確保等支援助成金には「雇用管理制度助成コース」「介護福祉機器助成コース」「介護・保育労働者雇用管理制度助成コース」など、様々なコースが存在します。介護福祉機器や保育労働者など、特定の業種のみのコースもありますが、業種を問われないコースもあります。

各コースについては後ほど詳細を説明していきますが、どのコースにおいても人事評価制度の整備や機器導入などによって労働環境を向上し、雇用管理改善を図ることで、生産性の向上や離職率の低下を目的とした制度です。

平成30年度から変更になった点の概要

平成30年度から、人材確保等支援助成金はいくつか変更になりました。

  1. 「職場定着支援助成金」「人事評価改善等助成金」「建設労働者確保育成助成金」の一部のコースが整理統合されました。
  2. 目標達成助成の支給申請が可能となる時期が、平成29年度は「人事評価制度等の実施日の翌日から起算して1年を経過する日の翌日から起算して2か月」だったものが、平成30年度は「人事評価制度等整備計画の認定申請の3年後の日の翌日から起算して2か月」となりました。
  3. 生産性の比較について「目標達成助成の支給申請を行う直近の会計年度とその3年度前を比較」から「計画認定申請日の属する会計年度の前年度とその3年後の会計年度の比較」となりました。

各コース共通となる助成金の受給要件とは

コースに共通している受給要件は、雇用保険の適用事業の事業主であることです。

各コース特有の受給要件は細かく分かれています。受給を検討される方は、厚生労働省の各コースのページから、最新情報の受給要件をご確認ください。

参考URL『厚生労働省』人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース、介護福祉機器助成コース、介護・保育労働者雇用管理制度助成コース)

人材確保等支援助成金の各コースについて

人材確保等支援助成金には、11個のコースが存在します。

  1. 雇用管理制度助成コース
  2. 介護福祉機器助成コース
  3. 介護・保育労働者雇用管理制度助成コース
  4. 中小企業団体助成コース
  5. 人事評価改善等助成コース
  6. 設備改善等支援コース
  7. 雇用管理制度助成コース~建設分野~
  8. 若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース~建設分野~
  9. 作業員宿舎等設置助成コース~建設分野~
  10. 建設労働者認定訓練コース
  11. 建設労働者技能実習コース

1.雇用管理制度助成コース

雇用管理制度助成コースは、事業主が雇用管理制度(評価・処遇制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度、短時間正社員制度(保育事業主)のみ)の導入等による雇用管理の改善を行い、離職率の低下に取り組んだ場合に費用を助成するコースです。

助成金額は、離職率の目標達成した場合57万円(生産性要件を満たした場合は72万円)もらえます。

人材確保等支援助成金の雇用管理制度助成コースとは、離職率を低下させるための「評価・処遇制度」や「研修制度」、「メンター制度」などを新たに導入することで受給できる助成金です。目標達成助成であるため、申請の際には現状の離職率と目標とする離職率を記載した雇用管理制度整備計画書を提出する必要があります。雇用管理制度助成コースの...

2.介護福祉機器助成コース

介護福祉機器助成コースは、介護事業主が介護福祉機器の導入や賃金制度の整備等を通じて、離職率の低下に取り組んだ場合、その費用等を助成する助成金です。

機器導入費用に関する助成金額は、介護労働者の労働環境向上のための介護福祉機器の導入をしたり、機器導入・運用計画において労働局長の認定を受けた場合、自動車用車いすリフトやエアーマットなど介護福祉機器やその導入費用、保守契約費、機器の研修等に使用した費用の合計額の25%(上限150万円)が助成されます。

離職率の低下などの目標を達成した場合の助成金額は、介護福祉機器の導入費用や保守契約費、機器の研修等に使用した費用の合計額の20%(生産性要件を満たした場合は35% 上限150万円)が助成されます。

3.介護・保育労働者雇用管理制度助成コース

介護・保育労働者雇用管理制度助成コースは、介護事業主や保育事業主が雇用管理制度(評価・処遇制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度、短時間正社員制度)の導入等による雇用管理の改善を行い、離職率の低下に取り組んだ場合に助成するコースです。労働者の職場への定着の促進に資する賃金制度の整備を通じて、介護労働者や保育労働者の離職率の低下に取り組んだ場合、助成対象となります。

制度を整備した場合50万円、離職率低下の目標達成では57万円~85.5万(生産性要件を満たした場合は108万円)助成金が出ます。

4.中小企業団体助成コース

中小企業団体助成コースは、事業主団体が、その構成員である中小企業者に対して労働環境の向上を図るための事業を行う場合に助成するもので、雇用管理の改善を推進し雇用創出を図ることを目的としています。

中小企業団体助成コースは、1年間の中小企業労働環境向上事業の実施に要した経費の2/3の額が支給されます。ただし、支給限度額が構成中小企業者の数により下表のとおり定められております。

中小企業団体助成コース
出典元『厚生労働省』人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)~平成29年度「職場定着支援助成金(中小企業団体助成コース)」は平成30年4月1日より、人材確保等支援助成金へ統合されます~

5.人事評価改善等助成コース

人事評価改善等助成コースは、人事評価制度を整備し、定期昇給等によらない賃金制度を設けることで生産性の向上、賃金アップ及び離職率の低下を図る事業主に対して助成するものであり、人材不足を解消することを目的としています。

人事評価改善等助成コースは制度整備助成と目標達成助成と2つの助成があり助成金額は 制度整備助成が50万円、目標達成助成が80万円です。受給するためには、事業主が次の措置を実施することが必要です。

人材確保等支援助成金の人事評価改善等助成コースとは、人事評価を整備し、離職率を改善した場合に受給できる助成金です。人事担当者としても離職率改善には人事評価制度が重要だと考えていながらも、未だに多くの従業員が自社の人事評価制度に不満を抱えています。人事評価改善等助成コースの目的や受給要件、どんなことをしたら助成されるのか...
制度整備助成の措置
  • 人事評価制度等整備計画を作成し、管轄の労働局の認定を受けること。
  • 人事評価制度等整備計画に基づき、制度を整備し、実際に人事評価制等対象労働者に実施すること。
目標達成助成の措置
  • 人事評価制度等整備計画認定申請月の会計年度の前年度とその3年後の会計年度を比較した生産性の伸びが6%以上であること。
  • 整備した人事評価制度等の適用をうけた対象労働者の賃金額が「人事評価制度実施月の前月」と「人事評価制度整備計画の認定申請日の3年後の日の直前の賃金支払月」 の全員分の賃金総額を比較したときに2%以上増加していること。
  • 人事評価制度の整備・実施の結果、人事評価制度の実施日の翌日から1年経過するまでの期間の離職率が、評価制度整備計画を提出する前1年間の離職率よりも、下表に掲げる目標値以上に低下させること。

6.設備改善等支援コース

設備改善等支援コースは、生産性向上の目的で設備等を導入することにより、雇用管理改善(賃金アップ等)と生産性向上を実現した企業に対して助成するものです。

受給するためには、雇用管理改善計画を作成し、設備等を導入する雇用保険適用事業所を管轄する労働局の認定(1年コースと3年コースがあります)を受け、設備導入などを行い計画を実施する必要があります。従業員の賃金アップや生産性向上など目標を達成すると助成されます。

受給金額がそれぞれのコース期間と投資金額によって変わります。

設備改善等支援コース
出典元『厚生労働省』人材確保等支援助成金(設備改善等支援コース)~平成30年4月1日から「人材確保等支援助成金(設備改善等支援コース)」が創設されます~

7.雇用管理制度助成コース~建設分野~

雇用管理制度助成コース~建設分野~は、雇用管理制度(評価・処遇制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度等)の導入により雇用管理の改善を行った中小建設事業主が建設業の中小事業主が、若年者や女性の入職率目標を達成する、または登録基幹技能者の賃金テーブルや資格手当を増額改定すると助成されます。

助成金額は制度設備した場合、一般の雇用管理制度助成コースに加えて57万円(生産性要件を満たした場合は72万円)と登録基幹技能者の処遇改善した場合は登録基幹技能者1人あたり年額6.65万円(生産性要件を満たした場合は8.4万円)助成されます。

8.若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース~建設分野~

若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース~建設分野~は、建設業の事業主等が、若年者と女性労働者の入職や定着を図ることを目的とした事業を実施すること、または建設工事作業の訓練を推進する活動を実施するとその経費が助成される制度です。

助成金額は、事業の実施に要した経費の3/5(中小建設事業主以外は9/20)が助成されますが。ただし、事業全体として一事業年度について200万円が上限です。建設工事作業の訓練費については事業の実施に要した経費の2/3が助成されます。

9.作業員宿舎等設置助成コース~建設分野~

作業員宿舎等設置助成コース~建設分野~は、建設業の中小事業主等が、被災三県(岩手県、宮城県、福島県)に所在する作業員宿舎、作業員施設、賃貸住宅を賃借する等して作業員宿舎等の整備を行う、自ら施工管理する建設工事現場の女性専用作業員施設を整備する、認定訓練の実施に必要な施設や設備の設置を行うこと等で助成されます。

助成金は作業員宿舎等の賃借の経費の2/3(賃貸住宅は、1人最大1年間かつ月額3万円を上限)一事業年度当たり200万円が上限です。また女性専用作業員施設に要した経費の3/5が助成されます。訓練施設に関しては、職員や訓練生のための福利厚生用施設や設備以外の設置や整備に使用した経費の1/2が助成金として支給されます。

10.建設労働者認定訓練コース

建設労働者認定訓練コースは、中小建設事業主もしくは中小建設事業主団体が、職業能力開発促進法による認定職業訓練を行うことで助成されます。また、有給で認定職業訓練を受講させた場合にも受給できます。

助成金額は、雇用保険被保険者が20人以下の場合は費用の4/3(生産性が向上した場合は9/10、岩手・宮城・福島は全額)、21人以上の場合は7/10(生産性が向上した場合は17/20、岩手・宮城・福島は4/5)、対象となる労働者が35歳以上の場合は9/20など、条件が細分化されています。1つの技能実習につき1人あたり10万円が上限であり。1事業所の支給額は合計500万円が上限額となります。

11.建設労働者技能実習コース

建設労働者技能実習コースは、雇用保険被保険者である自社の建設労働者に対して技能実習や登録教習機関等の技能実習を受講させることによって助成されます。中小企業主または中小建設事業主団体であれば、男女関わらず、そうでなければ助成のみが助成対象となります。

助成金額は、雇用保険被保険者が20人以下であれば1人1日あたり7,600円(生産性を向上した場合は9,600円)、21人以上であれば1人1日あたり6,650円(生産性を向上した場合は8,400円)が受給できます。1つの事業講習につき1人あたり20日分が上限であり、1事業所の支給額は合計500万円が上限額となります。

離職率改善策の費用負担に悩むなら、検討してみよう

早期離職は企業において改善したい問題であることはもちろんのこと、政府としても人材が定着して働けるようになることを支援しています。

雇用管理制度助成コースでは評価・処遇制度や研修制度など、人事担当者としても身近な制度整備によって助成が受けられるため、一度自社に適用できるのか検討してみるのもよいかもしれません。

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