中途採用でもポテンシャル採用を実施する際のポイントやコツは?

若手の伸びしろに期待するポテンシャル採用

仕事をするためにはどこの会社でも「人材」が必要です。人材市場は常に膨大なニーズを抱えているのですが、同時に景気の影響を強く受けるという特徴があります。しかし現在の人材市場は「売り手市場」と呼ばれるように、リーマン・ショック後の「人を雇う余裕がない」ような時期とは真逆の状況となっています。

求職者数よりも求人件数が上回り、「とにかく募集を出しても人が集まらない」と、特に中小企業に深刻な問題となって現れています。中途採用ではスキルや経験が豊富である「即戦力人材」の獲得がメインでしたが、即戦力人材の獲得には、企業間での熾烈を極める戦いを勝ち抜かねばなりません。

だからこそ人事戦略の見直しが現代の求人市場を戦い抜くために不可欠です。「即戦力」でなく「長期的な視点で利益をもたらす人材」を、「専門性が高い人材」でなく「フレキシブルな人材」へと目を向けることで、採用のハードルをぐっと下げることができます。そうした採用戦略は「ポテンシャル採用」と呼ばれ、多くの企業での導入例があります。

中途採用においても「短期的な視点で利益をもたらす人材(即戦力)」ではなく「長期的な視点で利益をもたらす人材」の採用にどこまで注力するのかが、数年後・数十年後の企業活動において大きな意味を持ってきます。

「ポテンシャル」とはなにか?

ポテンシャルとは「潜在能力」の意味で、いまだ目に見えていない能力をさす言葉です。よく言い換えられる言葉として「伸びしろ」や「センス」というものがあり、長期的に見たときの成長率がポイントとなる概念です。新卒や第二新卒・若手社員など、まだ専門性が浅く、経験も豊富でない人材の評価で主に使用されています。

「ポテンシャル」という言葉で注意しておきたいのは、目に見えない抽象的な概念であるということです。具体的な能力をさす言葉ではないために、「ポテンシャル採用」を行うのならば、具体的な能力などの定義を自社内で明確化しておく必要があります。

ポテンシャルをどう解釈するか?

「ポテンシャル」という言葉は大まかに伸びしろを意味するのですが、抽象的な言葉であるため、使用者の主観により具体的に何を意味しているのかがブレてしまうところに注意が必要です。「ポテンシャル採用」を実施する上では、なにをもって「伸びしろ」と捉えるかを決め、社内で意思疎通をとっておくべきでしょう。

よく注目されるのが「ポータブルスキル」と呼ばれる「業界・職種を問わず重要なスキル」です。「ポータブルスキル」にはコミュニケーション能力や論理的思考力なども含まれており、「同僚を気遣いながら円滑に業務を進められる」「商談などでの交渉能力」「物事を一般化して俯瞰的にとらえる能力」などが該当します。

スキルピラミッドでは「テクニカルスキル」「ポータブルスキル」「スタンス」で求職者のスペックやスキルを分類します。ポータブルスキルとは、持ち出し可能な能力とも呼ばれ、どんな会社でも適応できる能力を指しています。中途採用においては、前職での専門性の高さだけでなく、自社で活躍してくれるかの観点から、ポータブルスキルを見極めることが非常に重要です。今回は会社への適応能力を意味するポータブルスキル(持ち出し可能な能力)の意味や定義、活用するメリット・デメリットについて説明します。
35歳〜55歳のミドル層人材の有効活用のために厚生労働省が提唱している「ポータブルスキル」。ポータブルスキルは大きく分けて「専門知識・専門技術」「仕事のしかた」「人との関わりかた」の3種類に分けられます。特に後者2つはさらに細かく分類されています。ポータブルスキルと類似する概念である「社会人基礎力」や「トランスファラブルスキル」についても、スキルの一覧を紹介しながら、それぞれがどんなスキルなのか、採用選考で活用する際に大切なポイントについて説明します。

具体的に何を「ポテンシャル」として評価するか?

採用業務で重要になるのは「評価の明確な指標」です。しかし顕在化していない「ポテンシャル」というのは定量評価が非常にしづらいことが難点です。定性的なものでかつ客観的な評価を下すに足る指標を具体的に定めておく必要があります。

「ポテンシャル」を評価する上で、多くの企業で利用されているのが上述の「ポータブルスキル」です。これに含まれるスキルとして以下のようなものが例に挙げられます。

【仕事のしかた】

  • 課題を明らかにする
  • 計画を立てる
  • 実行する

【人との関わりかた】

  • 社内適応力
  • 社外適応力
  • 部下マネジメント

これらのスキルは「自己管理能力」や「論理的思考力」「組織人としての自覚と行動」に関するスキルとなっています。

「ポテンシャル」をどのように見極めるか?

評価指標が決まったら、具体的にどのように評価するかが課題となります。

面接などの場では「前職でどのような働き方をしていたか」かをヒアリングすることが大切です。ポテンシャル採用では経験・専門性は問われないですが「PDCAサイクルをきちんと回せるか」や「自分だけでなく、組織全体を俯瞰するように働けるか」などの社会人基礎力ともいえる能力のチェックには欠かせないものになっています。

グループワークやグループディスカッションなどを通して、実際に確認することも良いでしょう。評価指標に優先順位をつけて、より効果的に評価できるテーマで実施することで、ポテンシャルの見極めも容易になります。

グループワークとは、書類選考や面接だけでは見れない、参加者の主体性や性格を見極めに適した方法です。グループワークには様々な手法がありますが、各手法によって評価項目に得手不得手があります。それぞれの手法を理解し、自社の求める人物像に適した手法を選ぶために、代表的な手法を5つ紹介します。

ポテンシャル採用の展望について

ポテンシャル採用は特に採用市場の競争が激しくなった昨今で実施する企業が増えてきました。少なくとも2020年頃までは求人倍率も増加すると見られており、また少子化による影響も無視できません。

人材の入れ替わりが激しい業界では、定期的な人材確保のためにも売り手市場で労働人口が減少している中で「経験者」という少ないターゲット層とは別の層へのアプローチが不可欠です。こうしたとき、採用の敷居を下げて社内での教育を重視する「ポテンシャル採用」が定着していることが企業にとって望ましいでしょう。

そもそもの前提となりますが、ポテンシャル採用で採用した人材には教育や研修などの人事教育制度も大切となります。採用した人材が活躍する前に退職となった場合にもリスクがあるため、スキルなどだけでなく早期離職しないかを見極める・社内環境を整備する必要もあります。

教育や研修、早期離職などには「ポテンシャル採用した人材と教育係(メンターや先輩社員、上司など)」との相性を見極めておくことが重要です。相性が悪い場合、意思疎通がスムーズになりにくいため、気軽に業務の質問ができずに活躍人材になるまで長期化したり、同僚や上司との人間関係がうまくいかないことで職場に居づらくなり早期離職を引き起こしてしまう可能性があります。

中途採用でもポテンシャル採用が重要になる!

人材市場の競争が激化しており、中途採用であっても「即戦力人材」を採用することが難しくなっています。転職先として選ばれる大手の人気企業などであれば「即戦力人材」の中から選べるかもしれませんが、中小企業などでは「即戦力人材」からの応募がない、といった事態も起こりえます。

獲得難易度の高い即戦力人材とは異なり、他業種から幅広い人材で母集団形成ができる「ポテンシャル採用」は、既に人材確保に悩んでいる方にとっては大きなメリットです。

「ポテンシャル」という抽象的な概念での採用であるからこそ、より明確に評価項目と評価基準を設けなければ、求める人物像と異なる人材を採用してしまう、求める人物像と一致していたのに選考で落としてしまうなどの懸念点もあります。そうならないためにも「何をどの程度期待するのか」「どの程度必要なのか」を考えてポテンシャル採用を行う必要があります。

ポテンシャル採用導入時には労力がかかるものの、少子化による労働人口の減少は少なくとも20年以上は続くため、一度導入を検討してみるのはいかがでしょうか?

資料ダウンロードフォーム

「従業員離職防止ガイド 人事施策編」が無料でダウンロードできます

企業の経営課題にも発展する従業員の離職を減らすためには、既存人材と新規人材へのアプローチがあります。
それぞれのアプローチ方法を、離職を防ぐチェックリストとして資料化した小冊子を無料でダウンロードして頂けます。

以下のフォームに必須項目をご記入の上、ダウンロードしてください。

関連するタグ