OCEANの性格の特性でみる、ミスマッチが有効な人材配属とは?

ミスマッチが有効な場合もあるのか?

「組織と個人におけるカルチャーフィットの利点」の記事で、離婚問題などのプライベートな状況においても起こり得る価値観の違いについて、「人間は結局似た者同士が惹かれ合う」ということを指摘しました。

「似た者同士が惹かれ合う」ことを掘り下げたところ、性格の類似性・多様性とパフォーマンスの関係性について新たな発見がありました。「似たもの同士」ではなく「違う者同士」でも力を発揮する場面があることです。

今回は、具体的にどのような部分が「違う」ことで、力を発揮するのかについて説明します。

5つの性格特性で見る、チームパフォーマンスの違い

心理学でよく使われる5つの性格特性を簡単に説明します。ビッグ・ファイブとも呼ばれる理論で、頭文字を取ってOCEAN(オーシャン)とも呼ばれています。弊社mitsucari適性検査だけでなく、多くの適性検査や心理学研究の基礎となっている理論です。

  1. Openness (開放性)
    - 知的好奇心などの程度
  2. Conscientiousness(誠実性)
    - 自己統制力やまじめさの程度
  3. Extraversion(外向性)
    - 社交性や活動性の程度
  4. Agreeableness(協調性)
    - 利他性や協調性の程度
  5. Neuroticism(神経症傾向)
    - ストレスに対する程度

ある論文では、5つの性格特性とその類似性・多様性がチームのパフォーマンスにどのような影響があるのか、小売業(携帯、自動車、食品関連)で働く328人を4人1組にして調査した結果が報告されています。

5つの性格特性について、1グループごとの平均と分散(=ばらつき:どれだけ多様性かどうかの指標)を計算し、仕事のパフォーマンスにどのような関係があるのかを調査しました。仕事のパフォーマンスとは、カスタマーサービスの質(クレームの数)と仕事の質(期限通りに終わらせられたかどうか)を、人事がそれぞれのチームに対して評価したものです。

類似性が高いほうが良い性格特性

  • 開放性
  • 誠実性
  • 協調性

誠実性、協調性、開放性に関しては、類似性が高いほど良いパフォーマンスを予測しました。「誠実性」「協調性」「開放性」は、高ければよいのではなく、同程度の特性を持つもの同士が単純に多く集まれば集まるほど、大きな力を発揮することを意味しています。

多様性(ミスマッチ)が高いほうが良い性格特性

  • 外交性
  • 神経症傾向

外向性と神経症傾向については、多様性が高いほど良いパフォーマンスを予測しました。

外向性の高い人はリーダー気質の人が多いため、そういう人が多く集まると収拾がつかなくなる可能性があるからだと予測できます。神経症傾向の人はシャイである場合が多いため、シャイな人がたくさん集まったところで生産性のあるパフォーマンスは生まれにくいのでは、と予測できます。

外向性と神経症傾向においては、足りないところはチームとしてうまく補うことで、生産性を高めてくれる要因となることが考えられます。

性格特性ごとに、類似性・多様性を重視する

今回読んだ論文を簡単にまとめると、企業がパフォーマンスの最大化を求めるならば、次のように性格診断に基づいてチーム構成をしたら良い:

  • Openness (開放性)- 類似性重視
  • Conscientiousness(誠実性)- 類似性重視
  • Extraversion(外向性)ー 多様性重視
  • Agreeableness(協調性)ー 類似性重視
  • Neuroticism(神経症傾向)ー 多様性重視

この研究結果は、かなり興味深い内容です。似たような性格の人を集めればよいのではなく、どの性格に着目するかによって多様性も効果的である、ことを意味しています。類似性と多様性のバランスを取った人選が、最高の組織を生み出す可能性を示唆しています。

一つ注意しておきたいポイントは、これら5つの性格特性は、各人がどれか一つだけに属するようなものではなく、各人には5つすべての特性が存在することです。それぞれの特性でどの程度高いか低いかを判断することが重要です。

例えば血液型の場合、「私はB型」「あなたはO型」といった短絡的な分類しかできません。ビッグ・ファイブ理論のOCEANを使う場合は、「私は開放性:5、誠実性:9、外向性:8、協調性:4、神経症傾向:3」といったように分類をすれば、より深い分析に生かせます。

OCEANの程度を理解するためには、適性検査などのパーソナリティ診断が非常に有効です。どのような組み合わせが有効な人材配属を実現できるのか悩んでいる人事担当者のヒントになれば幸いです。

Source: Neuman, G, Wagner, S, & Christiansen, N (1999) The relationship between work-team personality composition and the job performance of teams. Group & Organization Management, 24

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