くるみん認定とは?認定基準の見直しや取り消しが行われた内容と経緯

くるみん認定とは?認定制度の内容と過去2回の変更

仕事と子育ての両立支援に取り組んでいる企業に対し「次世代育成支援対策推進法(次世代法)」に基づいて、2007年から厚生労働大臣が認定している「くるみん認定」制度。

くるみん認定制度は、当該法に基づき、一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業は、申請を行うことによって「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けることができる、という内容です。

平成27年4月1日より、くるみん認定を既に受け、相当程度両立支援の制度の導入や利用が進み、高い水準の取組を行っている企業を評価しつつ、継続的な取組を促進するため、新たに「プラチナくるみん認定」もスタートしました。平成29年12月末時点で、181社が認定を受けています。

「くるみん」「プラチナくるみん」のマークは、広告や求人時など幅広いシーンで活用が可能で、求職者や一般の方などに「子育てサポート企業」として認知してもらい、企業イメージを向上できることが大きなメリットになっています。

2007年のくるみん認定制度以降、認定内容の見直しが2回行われました。今後も変更される可能性がありますが、過去の2回の変更について、確認してみましょう。

くるみん認定の基準見直しや取り消しの内容と経緯とは?

くるみん認定の変遷において節目となった年は、2回あります。

2015年のくるみん認定制度の変更内容

2015年には、くるみん認定制度について2つの変更がありました。

  1. 有効期限の延長
  2. 新たな認定制度(プラチナくるみん認定)

1.法律の有効期限の延長(2014年4月23日施行)

法律の有効期限が、2025年3月31日まで10年間延長されました。

企業は継続して、「次世代法」に基づき、労働者の仕事と育児の両立のための「一般事業主行動計画(以下「行動計画」)」を策定し、都道府県労働局に届出を行うなどの取り組みを推進していくことが求められています。

※従業員数101人以上の企業においては義務、100人以下の企業においては努力義務とする

2.新たな認定(特例認定)制度の創設(2015年4月1日施行)

現行法では、行動計画を策定・届出し、一定の要件を満たすと、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けることができました。

当改正では、この「くるみん認定」を受けた企業のうち、特に次世代育成支援対策の実施状況が優良な企業に対する新たな認定(特例認定)制度、「プラチナくるみん」制度が創設されました。

※なお、次世代法による取り組みは、非正規雇用の労働者も対象とされています。

2017年のくるみん認定制度の変更内容

2017年には認定基準の見直しが行われました。新しく追加された認定項目を満たしていない場合は、くるみん認定を取り消されることもあります。

認定基準の見直しで追加された項目

⑩ 全ての従業員が1年間の月平均で残業時間が60時間未満であること。
⑪ 男性の育休取得率が10%程度であること。

この基準は、ある大手企業で発覚した過重労働問題で、この企業が「くるみん認定」を受けていたことによって見直されました。各省庁は「くるみん認定」の認定基準について見直しを行い、長時間労働が恒常化している企業は認定しない方針にするだけでなく「えるぼし認定」「ユースエール認定」の認定基準も見直しを行っています。

※「えるぼし認定」は女性の活躍推進を支援する企業に与えられる認定制度、「ユースエール」は若者の雇用や育成を支援する中小企業に与えられる認定制度です。

新しい認定項目が追加される以前に「くるみん認定」を受けていた企業であっても、残業時間の削減などが実施されない場合は「くるみん認定」自体が見直されます。

新しく認定を受ける予定であった企業はもちろんのこと、既に認定を受けている企業であっても、社内の就業規則や残業状況を見直す必要がありました。

さらに「重大な法令違反」があった企業においては、「くるみん」「プラチナくるみん」「えるぼし」について、労働基準法等違反は書類送検を不認定や認定取消の対象としていた範囲を拡大しています。「ユースエール」と同様に、是正勧告を受けて是正していない場合も不認定や認定取消の対象とすることになりました。

認定基準を満たさなくなった場合は、事業主が、所轄都道府県労働局にその旨を申し出ることのできる制度を創設することなども盛り込まれています。認定を辞退したあとの再取得は容易ですが、違反していることが発覚したあとの再認定はペナルティーが発生する制度となっています。

認定取り消し後の再取得期間の見直し

「くるみん」「プラチナくるみん」「えるぼし」「ユースエール」は、認定を取り消された場合は、取消から3年経過するまで再取得できないこととしました。ただし、数値基準を満たさなくなったことで認定辞退を行った事業主については、基準を満たせば随時再取得できること、としています。

プラチナくるみん認定を受けた企業は、一般事業主行動計画の策定・届出の義務が免除されました。代わりに、毎年最低1回以上、次世代育成支援対策の実施状況をウェブ上で公表する必要があります。

より厳格化したくるみん・プラチナくるみん認定が持つ意味を考える

ブランディングマーケティングの領域でも有効な「くるみん認定」ですが、実際には、認定取り消しや辞退などの事象は毎年起こっています。「くるみん」発足時当初に危惧された、“認定を受けることが目的”となってしまう企業が少なくなかったことが顕著になったわけですが、こういった企業は現在、より厳しい目にさらされています。

2017年の変更のように、社会的な問題が発生した場合には、随時くるみん認定の認定項目や基準、制度そのものが見直される可能性があります。あくまで時代に則した「次世代育成支援」を行う企業を認定する制度ですので、取得を検討される際には、厚生労働省などから最新の情報を取得しましょう。

くるみん認定の目的は、誰もが働きやすい職場環境の整備と改善、またそれをいかに継続して実施していくかです。社会を取り巻く状況が変化し続ける現代において、いつの時代の従業員にとっても働きやすい環境を整備し続けることが目的であることを、忘れないようにしなければいけません。

資料ダウンロードフォーム

    「ミツカリ - 導入事例集」が無料でダウンロードできます


    ミツカリは採用活動における利用だけでなく、入社後のマネジメントにも利用できる適性検査として3,800社以上の企業に導入されています。サービスも5年以上の運用実績があり、効果検証に時間のかかる離職率改善等においても、多くの企業で成果を出しています。

    今回はミツカリを導入した企業における活用方法や導入後の効果について、代表的な7つの事例をまとめました。是非ダウンロードしてご参照ください。

    ダウンロードにはプライバシーポリシーの同意が必要です。

    プライバシーポリシー

    関連するタグ