ユースエール認定で受給できる助成金などのメリットやデメリットとは?

ユースエール認定で受けられる助成金やメリットとは?

ユースエール認定制度は、若者の採用育成に積極的で、雇用管理状況が優良な中小企業を国が認定したもので、「優良な中小企業を認定する制度」とも言われています。2015年10月に施行された若者雇用促進法に基づいて運用されており、中小企業の採用活動のサポートの一助になっています。

ユースエール認定を受けることでのメリットは数多くあります。たとえば、ワークライフバランスに配慮した企業であることを多くの機会にPRできることで、認知度を高めにくい中小企業の認知度を向上させることができたり、採用活動支援となること(EX:「わかものハローワーク」や「新卒応援ハローワーク」などの支援拠点で優先的に紹介されるなど)、助成金や融資、公共調達で加点評価されるなど数多くあります。

今回は、ユースエール認定を受けるメリットの中で、特に最近注目が集まる「助成金」について、その内容などをご紹介します。

ユースエール認定で受けられる助成金の種類と、助成金の受給条件とは?

ユースエール認定で受けられる助成金の種類とは?

ユースエール認定企業が雇用関係の助成制度を利用する場合、通常の企業と比較して、助成金額に一定の金額が上乗せで支給されます。具体的には「キャリアアップ助成金」「人材開発支援助成金」「トライアル雇用助成金」「特定求職者雇用開発助成金」が対象となります。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは、35歳未満の有期契約労働者を正規雇用等に転換する場合に対象となる助成金です。

認定企業の場合、1人当たりの上限額は通常(72万円)から12万円加算され、最大84万円にまでアップします。

人材開発支援等助成金

人材開発支援助成金とは、人材育成のための体制を整えた会社が受けることのできる助成金です。内容としては、「訓練関連」と「制度導入関連」の2種類があり、社員の職業能力開発に関する計画を立案し、その内容に沿った職業訓練を行った場合に助成の対象となります。

「制度導入関連」の場合は、さらに「キャリア形成支援制度導入コース」と「職業能力検定制度導入コース」があり、専門コンサルタントによる技能検定報奨金制度などを導入した場合に助成が受けられます。この際、通常は経費の60%が助成されますが、認定企業の場合は75%までアップします。

トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金とは、35歳未満の人材をトライアル雇用する際に対象となる助成金です。経験やスキルなどの条件で、就職が困難な人材を、ハローワークなどによる紹介で一定期間就業を受け入れた場合に助成を受けることができます。トライアル期間は最大3か月で、就労日や対象労働者の状況に応じて支給金額が異なります。

通常は月額最大4万円までの支給のところ、認定企業は最長で三か月間、5万円にアップします。

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金とは、さまざまな事情で就職が困難な人材を、ハローワークや職業紹介事業者による紹介で雇用した会社が対象となる助成金です。

「トライアル雇用助成金」と異なる点として、対象となる求職者が高年齢者や障害者、母子家庭における母などである点と、トライアル期間が設けられていない点です。助成金は、対象となる雇用労働者の状況や雇用形態に応じて金額が異なるのも特徴です。

一人当たりの助成金額の上限は、通常70万円ですが、認定企業の場合、上限額が10万円加算され、一人当たり最大で80万円までアップします。

ユースエール認定で受けられる助成金の受給条件とは?

ユースエール認定されたからと言って、すべての助成金が無条件で受給できるわけではありません。各助成金について、受給対象となる条件について説明します。

キャリアアップ助成金

  • 雇用保険適用事業所の事業主であること
  • 雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主であること
  • 雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に対し、キャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けた事業主であること
    ※ キャリアアップ計画書は、コース実施日までに管轄労働局長に提出します。
  • 該当するコースの措置に係る対象労働者に対する賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備している事業主であること
  • キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主であること

人材開発支援助成金

中小企業事業主に該当するかどうかの判断は、「主たる事業」ごとに、「A 資本金の額または出資の総額」または「B 企業全体で常時雇用する労働者の数」によって行い、A、Bどちらかの基準に該当すれば、中小企業事業主となります。

資本金を持たない事業主は「B 企業全体で常時雇用する労働者の数」によって判断します。(例)個人、一般社団法人、公益社団法人、一般財団法人、公益財団法人、 医療法人、学校法人、社会福祉法人、労働組合、協同組合、協業組合 など

「主たる事業」は、総務省の日本標準産業分類の「業種区分」に基づきます。

トライアル雇用助成金

次の要件のうち、1つ以上を満たした上で、紹介日に本人がトライアル雇用を希望した場合に対象となります。

【トライアル雇用の対象者について】

  • 紹介日時点で、就労経験のない職業に就くことを希望する
  • 紹介日時点で、学校卒業後3年以内で、卒業後、安定した職業に就いていない
    ※期間の定めのない労働契約を締結し、1週間の所定労働時間が通常の労働者の所定労働時間と同等であること
  • 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
  • 紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている※
    ※パート・アルバイトなどを含め、一切の就労をしていないこと
  • 妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている
  • 就職の援助を行うに当たって、特別な配慮を要する※
    ※生活保護受給者、母子家庭の母等、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者、中国残留邦人等永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者

特定求職者雇用開発助成金

次の要件のすべてを満たすことが必要です。

  • ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること
    • ※具体的には次の機関が該当します。
      • 公共職業安定所(ハローワーク)
      • 地方運輸局(船員として雇い入れる場合)
      • 適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等
  • 雇用保険一般被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実であると認められること。
    ※対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上であることをいいます。

公共調達や日本政策金融金庫におけるメリット

ユースエール認定を受けると、助成金金額が上がるだけでなく、公共調達や日本政策金融金庫などにおいてもメリットがあります。

公共調達での加点評価について

国や公共機関が発注する調達案件のうち、総合評価落札方式や規格競争方式の場合は、契約内容に基づいた上で、認定企業に加点評価がつけられます。

「くるみん認定」や「えるぼし認定」なども受けている場合は、最も配点が高いものにより加点されます。

日本政策金融金庫の低金利について

ユースエール認定企業になると、日本政策金融公庫の「地域活性化・雇用促進資金」を利用する際に、基準となる利率より、マイナス0.65%の低利による融資が受けられます。

対象の用途は新規事業を行う際の設備投資費や運転資金などで、中小企業事業の場合、最大7億2000万円です。

ユースエール認定制度の趣旨を忘れずメリットを受けよう

ユースエール認定は、さまざまな申請書類や自社制度への対応が必要ですが、ユースエール認定を受けることで、助成金や公共調達などのメリットは少なくありません。もちろん、認定制度は助成金を受け取ること自体が目的ではありませんが、制度のメリットなどの知識を持つことも、企業にとっては重要です。

「ユースエール認定」制度の趣旨を押さえつつ、自社の状況や今後どういったワークスタイルを目指していくかをきちんと検討した上で、35歳未満の人材の積極的な人材活用を考える場合は、ユースエール認定制度に取り組んでみることも一つの手です。

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