応募者の志望度を上げる”採用選考プロセス”のポイントとは?

自社への志望度は選考プロセスの改善で上げられる

応募者は実際に自社に応募してきた段階で「ある程度」の志望度はあります。そもそも、全く志望度がないようであれば応募すらしないためです。

注意しないといけないのは、応募してきたからといってそれだけで必ずしも入社したいと考えている訳ではないと言うことです。応募の時点では単純に「興味がある」という程度の応募者が大半であるという事をしっかりと認識をしておきましょう。

選考の初期段階である「会社説明会」に参加したことで、学生の志望度は上下します。志望度が下がってしまった学生のうち、約6割が「そもそも選考を受けなかった」との調査結果もあります。

説明会実施企業の選考状況
出典元『Jobweb』【09卒調査】志望度が下がる説明会・志望度が上がる説明会 | ジョブウェブ

優秀な人材を採用するために重要になってくるのが、応募後の「採用選考プロセス」の中で志望度を上げていく工夫を整えていくことです。上記調査では、志望度が上がった企業であれば「選考を受けなかった」割合は7%、「選考を受けたが途中で辞退した」割合は15%となっています。志望度が上がった場合の「自己都合での辞退」が22%であるのに対し、志望度が下がった場合の「自己都合での辞退」は75%と、母集団形成にも大きく影響を与えています。

「採用選考のプロセス」の中で会社の志望度を上げるためには、「自社の説明」や「人事担当者の印象」などが影響されます。

人事担当者が応募者と対面で会って面接などのアテンドをする際に良い印象を与える。面接の場面などで面接官の口から直接自社の魅力などを語る。応募者の転職の課題をヒアリングして、自社であればその課題が解決されるであろうことを論理的に伝える、面接日に応募者に渡す会社概要などの資料に加えて採用専用の資料を作成してお渡しする。

これらの志望度を上げるための工夫を、選考プロセス内でしっかりと行う必要があります。

志望度があがれば、内定辞退も起きにくくなる

志望度が高くなることで優秀な人材を採用できるというメリットだけでなく、当然ながら内定辞退が起きにくくなるというメリットも発生します。優秀な応募者の自社に対する志望度を高めることによって、採用につなげるだけでなく、内定辞退も防げることから効率的に採用活動を進める事ができます。

内定辞退が起きてしまうと、内定辞退者を面接したコストなど選考活動に要した時間や費用が無駄になってしまいます。

応募者の志望度を上げることによって、自社に応募してくれた求職者のリソースを有効活用でき、無駄なコストを極力抑えた採用活動を行えます。

応募者はどのような理由で志望度が上がるのか

では実際にどのようにすれば応募者の志望度を上げることができるのかについてを説明していきます。

応募者の志望度を上げるためには「自社への応募者はどのような理由で今までに志望度が上がったのか」を分析してみる必要があります。

実際に自社を今まで受けてきた人がどのような点に魅力を感じて、選考の中で志望度が上がったのかを把握することで、それを選考フローの中に落とし込み、今まで以上にその魅力を伝える工夫を行う事によって、今後応募してくる人たちにはさらに高く志望度が上がる可能性があります。

具体的に志望度が上がった理由としてよくあるのは「競合他社との違いが明確になった」「社員の態度や雰囲気が良かった」「面接で十分にアピールができ、しっかりと自分を見てもらえた」などがあります。

志望度が上がるポイントとしては、人事担当者が見過ごしていたような理由もありますので、例えば直近の入社者へインタビューを行うなどをして、自社への志望度が上がった理由を把握しましょう。

志望度を上げるために心がけるポイントとは

自社への志望度が上がった理由が把握できれば、あとは選考フローに落とし込んでいく事が重要になります。

直近の入社者からヒアリングを行った、実際に自社に対して志望度が上がった理由を選考フローに落とし込みます。例えば「競合他社との違いが明確になった」ため、志望度が上がった場合には、今後は必ず面接の際に面接官が「競合他社との違いをしっかりと伝える」であったり「応募者に渡す資料に競合他社との差別化に関する資料を入れる」などとなります。

一つ一つの項目をしっかりと選考フローの中に落とし込み、自社の選考の魅力にしていきましょう。

ポイントとなるのは、応募者の企業の選択軸を参考にして「なぜ、志望度が上がったのか」をしっかりと分析をしていくと、より効果的に自社の魅力を採用フローに反映していくことができます

例えば、応募者が「顧客に価値を提供できるようなサービスを持った会社に働きたい」と考え転職活動を行っていると仮定した場合、「競合他社との違いが明確になる」ことで「どこの会社の方が顧客に価値を提供できる会社である」と考えることができ、志望度が上がったと分析することができます。

他にも応募者の選択軸が「雰囲気の良い会社で働きたい」という場合には、自社の「社員の態度や雰囲気が良かった」と感じて貰えれば志望度が上がりますし、応募者の選択軸が「自分が活躍できる会社で働きたい」という場合には、「面接で十分にアピールができ、しっかりと自分を見てもらえた」ということで志望度が上がります。

応募者がどのような選択軸や転職の理由があって転職活動をしているのかを把握することで、さらに効果的に自社への志望度を高めることが出来るようになります。

応募者全員に画一的な意向を上げやすい選考フローを経て、志望度を上げるだけでなく、場合によっては応募者の選択軸や転職の理由に応じて柔軟に選考を工夫することが志望度を上げる最も効果的な方法と言えます。

選考プロセスに志望度が上がる工夫を組み込む!

自社が認識できていない「強み」や「魅力」を伝える、一人一人の悩みにあった点をアピールするなど、選考プロセスを通じて志望度を上げることは可能です。

そもそも応募段階で「内定が出ればこの会社に入社をする」と決めているような応募者の方が少ないでしょう。そのため、各選考プロセスにおいて、志望度を高めることで人材の採用の確率を高められます。また、各選考プロセスに自然に組み込むことで、応募してきた人を逃さない選考フローが確立されるでしょう。

一方で志望度を高める選考プロセスが組み込まれていないのであれば、他社と比べて相対的に「志望度が下がる」危険性は十分にあります。

まずは、自社の志望度が上がった理由を新入社員の方にヒアリングを行いながら分析をし、現在の選考プロセスを見直してみてはいかがでしょうか?

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