中小企業での適性検査の選び方とは?中途採用でもカルチャーフィットを

中小企業における採用の課題とは?

即戦力を補強して組織を拡大させたい。そんな中小企業の採用活動には、大企業にはない「採用予算が少ない」「専任の担当者がいない」「応募者の絶対数が少ない」など、特別な課題があります。中小企業の採用活動に適性検査を盛り込むことによって、それらの課題を効率的に解決できます。

多様な適性検査が存在する(無料のものも含めて、国内で100以上)ので、自社の採用活動のスタイルと目的に合う検査を選ぶことが重要です。自社にあった適性検査を選ぶ際には、測っている内容、信頼性の高いもの、さらに適切な料金を考慮する必要があります。

これらの条件をクリアした適性検査を面接と併用する事で、高いカルチャーフィットを確認できる採用ができるようになります。

予算制限のある中小企業において、離職は大きなリスク

即戦力が必要な中小企業の採用では、中途採用に集中します。

中途採用は応募者も少なく、失敗した時のリスクが大きい事が特徴です。その上の悩みとして、早期離職が挙げられるでしょう。

野村総合研究所の調査によると、中小企業における中途採用者の3年以内の離職率は約30%です。

出典元:『中小企業庁』中小企業白書 2015年版

同じ離職率でも、予算に制限のある中小企業にとっては、大企業のそれよりも中途採用のリスクが大きいと言えます。

即戦力であるため、教育・研修費などを含めた採用予算分の利益は出してくれるかもしれませんが、ノウハウの蓄積などの観点からも、早期離職は避けたいものです。

そのような状況で、中小企業の中途採用については、大企業よりも一層働く環境を整えることが必要です。

本記事では、中小企業の採用活動における適性検査の効果的な使用方法を紹介していきます。数多くある適性検査の中で、中小企業に適した適性検査とはどのようなものがあるのでしょうか。

中途採用におけるカルチャーフィットの効用

中小企業は教育・研修費に割り当てられる予算も少ないため、即戦力となる中途採用に集中します。

中途採用では応募者数が少ないのにも関わらず、依然として早期離職率は30%もあります。中途採用は新卒採用と比べて基本給も高めの場合が多いので、せっかく採用をしても早期離職をされてしまった場合のコストが大きくなります。

中途採用において、高い早期離職率に伴い、一人当たりの採用リスクが新卒採用者よりも大きくなる事が特徴と言えるでしょう。

中途採用の早期離職を防ぐには、新卒採用と同様に、働きやすい環境を用意することと、採用選考時にカルチャーフィットをじっくりと見極める事が大事です。

カルチャーフィットは、能力やスキルではなく、キャリアの価値観やビジョンの問題です。中途採用の場合、スキルや能力はアピールしやすく判断しやすいので、採用選考ではカルチャーフィットを入念に検討しましょう。途中から加わるメンバーでも、ビジョンや価値観を共有していれば、スムーズなスタートが切れるはずです。

このような課題を解決するために、適性検査が役立ちます。

変化に適応できる要素を測る

企業によって求める人材像やカルチャーは違います。

中小企業の一般的な性質として、一人当たりの裁量権が大きいことと、臨機応変な働き方が求められることは共通するものです。

そのような環境では「自主性」「柔軟性」「独自性」「挑戦志向」などの高い人材がより適していると言えるでしょう。中小企業は大企業のように形式的な教育制度やルールが備わっていない場合が多いため、構造化されていない組織でいかに自主的に柔軟に働けるかが鍵になります。

自社にとって明確なカルチャーが定まっている場合でも注意が必要です。従業員の入退社によってはもちろんですが、結婚などによって安定志向になる、世の中の変化に対応するためにジェネラリストを目指す、など同じメンバーであっても価値観が変わる可能性があるため、定期的にアップデートすることが大切です。

自社にとって明確なカルチャーが定まっていなければ、手始めとして「自主性」「柔軟性」など上記で述べた要素を測る適性検査を選ぶのが良いでしょう。

中小企業の採用選考で適性検査の使用を検討しているのであれば、求めている要素をしっかりと測ることができる検査を吟味するのが良いでしょう。

正確な適性検査を選ぶ

新卒採用と比べ、即戦力を前提とする中途採用は、応募の絶対数が少ないと言うデメリットがあります。

少ない応募数の中からカルチャーフィットの高い人物を的確に見極めるには、採用選考の精度そのものを上げる必要があります。適性検査を使って採用の精度を上げるのであれば、使用する適性検査そのものが正確でなければいけません。

では適性検査の正確性を、どのように確認すればよいのでしょうか?

統計学では、ある検査の正確さのことを「信頼性」という言葉で表します。様々な方法で信頼性を測る事ができますが、汎用性が高いのが「内的整合性※(後ほど詳しく説明します)」です。

正確な適性検査を選ぶ際には、開発者側が何らかの形で内的整合性や信頼性に関するデータを表示しているか、または開示する事ができるのかどうかを念頭に置きましょう。「統計学に基づいて」との言葉だけでは証拠にはなりません。

しっかり開発された適性検査ならば、その信頼性を担保するデータによる裏付け(証拠)が必ずあるはずです。適性検査を購入する前に「御社の適性検査の信頼性に関するデータを確認させてください」と問い合わせて見るのが良いでしょう。(厳密に言うと、内的整合性だけでは、良い適性検査と呼ぶには不十分ですが、この記事では割愛します。)

内的整合性とは

内的整合性とは、複数の質問における相関関係のことです。

ダーツに例えると「何度も同じ場所に矢を打てる確率」のことです。ダーツの腕が正確な人ならば、同じ的に何度も矢を射る事ができるはずです。

適性検査は通常、複数の設問の合計値で一つの軸(「自主性」など)を測ります。したがって、ダーツと同様に、それぞれの軸を測る複数の設問(ダーツ)は同じ軸(的)を射ていなければいけません。

例えば3つの設問、「自分はユニークな人間だと思う」「周りと一緒の事をするのが嫌いだ」「よく変わっていると言われる」といった設問の合計値で「独自性」を測っているのだとすれば、これら3つの設問への回答の間には高い相関関係がなければいけません。

これら3つの設問の間の相関関係の事を、内的整合性と呼びます。逆に、これら3つの設問の間に相関関係がなければ、全くバラバラの事を聞いてしまっている(同じ的を得ていないことになります)ことになります。

適切な価格を選ぶ

中小企業は大企業に比べて、少ない予算で採用活動をしていかなければいけません。

上記の要点を抑えた上で、最終的にはコスト対効果を考慮した価格を選ぶのが良いでしょう。適性検査は、検査にかかる時間や分析にかかる時間、受検してもらう人数に合わせて価格も大きく変動します。

一人あたり800円〜5,000円のもの、年間使用料金があるもの、また報告料(診断料)が別途のものなど、料金体系は様々です。中途採用が不定期の中小企業ならば、年間で使うものよりも、単発で使える料金体系の適性検査が良いでしょう。

適性検査を面接と併用する

大量の応募がある新卒採用と違い、少ない応募者数の中途採用選考では、一人あたりの面接にかける時間が増えます。そのメリットを利用して、適性検査を面接で併用しましょう。

面接を行う前に適性検査をあらかじめ受検してもらい、面接でその結果を確認します。そうする事で思わぬ見落としを防いだり、適性検査の設問では聞くことのできないより深い価値観を確認する事ができます。

たとえ重要な軸の上で大きなズレがあったとしても、「ここの部分、自社の価値観とは大きく離れているけど、大丈夫?」というように、入社後のミスマッチを事前に減らすことができます。

このように適性検査でお互いの価値観を事前に可視化しておくことによって、面接ではもう一段階進んだ相互理解ができます。

採用の課題と現状を理解することで、適性検査をより活用できる

中途採用がメインの中小企業の採用では、応募者数が少なく一人当たりにかかる採用リスクが高い事が悩みです。そのリスクは適性検査をうまく使う事で、軽減できます。

離職を減らしたいのであれば、適性検査を使ってカルチャーフィットを確認してみましょう。そのためには、カルチャーフィットについて測りたい内容が測れるのかどうかで適性検査を検討してみてください。

次に、適性検査の信頼性を確認します。まずは内的整合性に着目し、信頼できる情報を開示できるかについて調べると良いと思います。

最後に、御社の採用スタイルや目的にあった価格を選びましょう。応募者数や応募頻度、自社が応募者に何を求めるのかを明確にしておくと、目的が明確になり、より選びやすいです。

このように選んだ適性検査を面接の前に受検してもらう事で、より精度の高い採用判断ができるようになります。

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