人事の悩みを解決! 日本で使えるHRテック(HR tech)サービス15選

HRテックが必要な背景

2000年代前半頃から、米国シリコンバレーを中心に、ビッグデータや人工知能(AI)を人事の業務に生かす「ピープルアナリティクス」のトレンドが生まれました。そして、テクノロジーを使って人事の業務をより正確に、効率よくする技術を一般の人事担当者に提供をする、いわゆるHRテック企業が出現してきました。

トレンドの背景には、働き方や業務内容の多様化が進み、人事担当者の業務が複雑化したことにより、人事担当者の負担が増えたことがあります。

人事業務の負担の増加は日本でも同様の現状が確認できます。。

労働人口の減少により、人手不足が深刻化した日本の人事担当者は、様々な問題に直面しています。「日本の人事部」による243社を対象にした調査によると、94%ものビジネスパーソンが人手不足を懸念しています。

人手不足によって事業に影響はありますか
出典元:『日本の人事部』9割を超える企業が「人手不足」による影響を懸念

しかし依然として離職率の高さや、辞めて欲しくない人材が辞めてしまったりする問題は多くの人事担当者が抱えている悩みです。あしたのチームの調査によると「辞めてほしくない人材が辞めてしまった」ことが過半数以上の65.5%企業が経験をしています。

辞めてほしくない社員が辞めてしまった
出典元『あしたのチーム』辞めてほしくない人材が辞めてしまった

離職につながる理由として、リクナビNEXTが実施した「退職理由の本音ランキング」では、人間関係に起因するもの、待遇や労働環境・労働条件に起因するものが挙げられています。

1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)
4位:給与が低かった(12%)
5位:仕事内容が面白くなかった(9%)
6位:社長がワンマンだった(7%)
7位:社風が合わなかった(6%)
7位:会社の経営方針・経営状況が変化した(6%)
7位:キャリアアップしたかった(6%)
10位:昇進・評価が不満だった(4%)

引用元『リクナビNEXT』転職理由と退職理由の本音ランキングBest10

退職につながる問題の解決策として、働き方改革の重要性が叫ばれています。具体的な施策としては、組織・人事戦略立案、報酬制度設計、メンタルヘルスの向上、モチベーション向上、エンゲージメントの向上、などがあるでしょう。

日本の人事部の調査によると、HRテクノロジーを採用や業務効率化で活用している企業は増加傾向にありながらも、2019年の調査では、過半数以上の企業がHRテクノロジーを活用できていない実態が挙げられます。

採用におけるHRテクノロジー活用

業務効率化におけるHRテクノロジー活用
出典元『日本の人事部』HRテクノロジーを「採用」や「業務効率化」で活用している企業が昨年から倍増

テクノロジーを駆使したHRテックサービスのメリットは、人事の問題を効率的に解決し、業務負担を減らしてくれることです。そこで本記事では、人事の持つ悩みを以下の4種類に分けて、この悩みを解決してくれる日本のHRテックサービスをいくつか紹介します。

  1. 求人の最適化
  2. 採用管理の最適化
  3. 組織エンゲージメント・マネジメントの強化
  4. 勤怠・労務の効率化

日本で使えるHRテックサービス15選

 求人の最適化

自社に最適な人材をより正確に捜すことは、離職率の低い採用に直結するでしょう。HRテックサービスには、テクノロジーを使って求人検索を最適化するサービスがあります。

scouty

Scoutyhttps://scouty.co.jp/recruiters

scoutyは人工知能による、エンジニアに特化したリクルーティングサービス。求職者であるエンジニア側は、履歴書などの登録が不要。

scoutyは、SNS上やオンラインに公開されているエンジニア情報を自動的に集め、各プロフィールを自動的に分析する。採用担当者は、自動で作成されたプロフィールをマッチング度が高い順に見ることができる。機械学習により情報が溜まれば溜まるほど、マッチングの精度が上がっていく。さらに、人工知能が転職層の転職しそうなタイミングで知らせてくれるため、的確なタイミングでスカウトメールを送ることができる。採用担当者のエンジニア採用にかかる手間を大幅に削減し、かつ精度の高いマッチングを実現。

TalentBase

TalentBasehttps://talentbase.io/client/about

TalentBaseは、採用担当者に、人工知能を使って最適な人材を学習してレコメンドをしてくれるサービス。

人材のスキルはQiita(キータ)やGitHubなどの技術系ソーシャルメディアから情報を集め、ソーシャル、ビジネス、技術の3スコアに自動的に算出される。これらのスコアを独自の自動解析ツールにより選出し、選出された人材を自由にプールすることができる。独自のプールが作成されるにつれて、自社に適した人材を学習していく。求人掲載、採用管理、応募管理を全て含めて月額一律金額で、採用成功費がかからない。

HRogチャート

HRoghttps://chart.hrog.net/

HRogチャートは、日本の約130の求人媒体を独自のテキストマイニング手法により正確に素早く分析する人事担当者向けクラウドサービス。

地域、雇用形態、求人案件件数、給与下限平均額、年俸、企業など様々な軸を組み合わせて集計ができる。採用マーケットの動向を調べたり、競合企業の動向を調べることもできる。日本全体の求人動向をより客観的に分析することで、自社の採用をより戦略的に組むことができる。

採用管理の効率化

採用管理系のサービスは、採用を含めその後の候補者の管理など面倒な作業を効率的にまとめ、人事担当者の負担を削減してくれます。

採用係長

https://saiyo-kakaricho.com/

採用係長は中小・地方企業での利用に特化したクラウド型採用業務ツール。

最短2分で訴求効果の高い採用サイトが完成し、応募者の集客から選考状況までを一元管理できる。作成した採用サイトは、ワンクリックで最大6つの求人検索エンジンサイト等に自動連携・一括掲載でき、全国の求職者への訴求と集客力の向上が実現できる。

また、採用の成功率を高めるために、専門スタッフによるサポートも用意されている。

ジョブオプ採用管理

jobop管理http://jobop.jp/ats/

ジョブオプ採用管理は、自社専用の採用ホームページの開設・運用を手伝うサービス。その中で、様々な機能と併用できる。

利用している求人媒体を登録し応募数・採用数を把握することができたり、応募数・採用数を採用ホームページの原稿別に分析して可視化する。国内最大級の求人サイトIndeedと連携していて、自動的に自社の求人情報を転送。それにより、SEO対策や、Indeedからの応募者数の流出も獲得でき、応募者数を増やすことができる。面接スケジュールの管理やタスクの管理、さらには業務状況や採用状況を管理しやすいようにクラウド上で可視化。一連の採用業務を全て効率的に行えることで、戦略的な母集団形成、採用活動を行うことができる。

HRMOS(ハーモス)採用管理

Hrmoshttps://hrmos.co/

HRMOSは、求人作成、応募者管理、面接管理、分析を一元に管理をする採用業務の管理ツール。

面接の評価や結果などを管理してくれるため、より効率的かつ正確な面接フローを実行することができる。さらに、HRMOSに溜まったデータを分析した結果をもとに、自社にあった求人票をビズリーチが運用する「スタンバイ」などと連携して、情報発信。全ての採用活動を一元に管理し、より戦略的な採用活動ができる。

talentio(タレンティオ)

Talentiohttps://corp.talentio.com/

talentioは、タレントプールから採用までの人事業務を一元化する採用管理ツール。

履歴書管理や面接の評価と選考過程、さらには採用活動の効果を分析する。採用エージェントを一元に管理するだけでなく、ダイレクト・リクルーティング、リファラル採用の機能も追加。自社採用ホームページ、労務管理、スケジュール管理などは外部サービスとの連携もしやすく、人事に関する幅広い業務を効率よく管理できる。煩雑だった採用業務を、戦略的なものに変えることができるサービス。

組織エンゲージメント・人事考課の効率化

離職率に影響のありうる原因に、働く環境の不具合や不透明な評価制度などがあります。組織エンゲージメントや組織マネジメントを促すサービスは、社内間の問題解決に適していて、直接的に離職の可能性を防ぐことができます。

wevox(ウィボックス)

Wevoxhttps://wevox.io/

wevoxは、定期的な社内サーベイを使って組織のエンゲージメントを可視化する。

あらかじめ経営陣、人事担当者が設定したスケジュールで定期的に配信されるサーベイは、社員への負担も少なくスマートフォンでの操作1−2分で終わるように設計されている。2015年からストレスチェックが義務化されたように、社員のストレスチェックは人事の急務になっている。wevoxは、ストレスチェックに加え、社内のトラブルを可視化し、また施策の効果を計測することで組織改善に生きるPDCAサイクルを促すことに役立つ。

COCOREPO(ココレポ)

COCOREPOhttps://cocorepo.jp/

COCOREPOは、社員のスキルを可視化する、IT企業に特化したクラウド型管理ツール。

ストレスチェックやモチベーション管理システムなどで、社員の状態を多面的に可視化する。これを利用することで、適材適所な配属、さらには効率的な人材育成に役立てることができる。技術者の育成に最適な、タレントマネジメントとモチベーションマネジメントシステム。

MBO Cloud

MBO-Cloudhttp://www.cydas.com/products/mbo-cloud/

MBO Cloudは、目標を管理し、業務と連携させるためのPDCAサイクルの為の人事考課アプリケーション。

個人の目標、成果を評価システムと連携させ、進歩を可視化。具体的なプランも作成してくれる。360度評価、コンピテンシー評価も備え、パフォーマンス評価と組み合わせることで多角的な分析が可能に。適正な評価を実現して自社の組織マネジメントや人材育成にも役立てることができる。

Unipos(ユニポス)

Uniposhttps://unipos.me/ja/

Uniposは、ピア・ボーナス(仕事に対して従業員同士が評価試合、ボーナスを与える権限を従業員に与える方法)に特化した評価ツール。

社員同士が共有するチャットでスマートフォンから簡単に、リアルタイムで投稿できる。従業員は、お互いに日頃の成果や行動を評価し、少額の報酬の一部を分け合う。不透明で正当な評価を受けずに不満が募る社員を抱える人事担当者の悩みを解決してくれ、マネジメント層からは見えにくい隠れた成功を可視化する。

FiNC for Business

FiNChttps://corporate.finc.com/business/

FiNC for Businessは、社員の健康状態の管理に特化した人事向けの人事向けの管理ツール。

生活習慣アンケートや食事、睡眠データ、健康診断データなどを分析し、社員の健康状態を可視化する。それらのデータを人工知能が分析し、個々にあったプランを提案。また、ストレスチェックの義務化に対応し、メンタルヘルスの予防に役立つ管理体制も充実。専門家とのチャット機能もあり、予防から対策まで全てを効率的に一元化した管理ツールになっている。

ミツカリ

ミツカリ
https://mitsucari.com

ミツカリは、組織(企業や部署)と応募者の人柄や価値観を可視化し、カルチャーフィットや社風とのマッチ度を判定するサービス。

社風や人柄の可視化には、産業・組織心理学の理論と心理統計の手法に基づいた独自の適性検査を利用している。特徴は、求職者側と企業側の両方が約10分で終わる検査を受検することで、即座にマッチング度合いが分かる。マッチングの部分には人工知能による機械学習によって、常に最適なマッチングの精度を向上させている。採用担当者が面接と組み合わせることによって、構造化面接を強化し、価値観によるミスマッチを防ぐのに役立つ。

勤労・労務管理の効率化

勤労や労務に割ける時間をなるべく減らすことは、より多くの時間を組織マネジメントや採用活動に割けることにつながります。勤労・労務を簡単にするHRテックサービスは、間接的に離職率の低下に貢献できます。

人事労務 freee

freeehttps://www.freee.co.jp/hr

会計・給与計算の自動化ソフトに加えて、労務管理を一元に管理できるサービス。

元々は給与計算freeeという、給与計算に特化したサービスだったが、
労務や勤怠管理、年末調整などのヒトのデータを一元管理できるようになる。
入社手続きの書類はもちろん、残業代や各種税金・保険料などの給与計算、
振込や納税書類についても自動化される。

AKASHI

Akashihttps://ak4.jp/

AKASHIは、出勤簿、スケジュールプレビューなどを管理するクラウド勤怠ツール。

SmartHRなどの他サービスとの連携も可能で、人数が増えてきて勤怠申告業務や組織管理が煩雑になってくる中小企業の人事担当者に効果的。スマートフォンやタブレットからも見やすく使いやすい設計になっていて、リモート勤務など様々な働き方に対応して従業員のスケジュールを管理できる。

SmartHR

smartHRhttps://smarthr.jp/

SmartHRは、人事・労務の手続きを自動化して効率よく管理するクラウドサービス。

入社、退社に関わる個人情報の管理と人事業務をクラウド上で完結できるため、無駄なく正確に管理ができる。給与明細作成も全てクラウド上で完結できる。公認の社会保険労務士とデータベースを共有することで、ミスなく正確に、かつ素早く管理や更新ができる。さらに、マイナンバー収集にも対応。

自社の課題に適したサービスを使ってみましょう!

米国でのHRテック企業のトレンドには、人事業務の複雑化、負担の増加が背景にありました。日本では特に、人口減少による人手不足や離職率の高さが懸念されています。

HRテックサービスは、それらの問題を解決するための色々な施策を、正確にかつ効率的に手助けしてくれます。HRテックサービスが強力な助けになる領域は、主に「求人の最適化」「採用管理の最適化」「組織エンゲージメント・マネジメントの強化」さらに「勤怠・労務の効率化」があります。

人手不足、高い離職率は多くの日本企業が抱える課題ではありますが、それらの問題をどのように解決していくかは、自社のフェーズ、規模、課題の種類、またはリソースの状況によって変わってくるでしょう。

自社それぞれの置かれている状況とタイミングによって、使うサービスを検討してみるのはどうでしょうか。

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    ミツカリは採用活動における利用だけでなく、入社後のマネジメントにも利用できる適性検査として3,800社以上の企業に導入されています。サービスも5年以上の運用実績があり、効果検証に時間のかかる離職率改善等においても、多くの企業で成果を出しています。

    今回はミツカリを導入した企業における活用方法や導入後の効果について、代表的な7つの事例をまとめました。是非ダウンロードしてご参照ください。

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