フィックストマインドセットとは?意味や定義、企業への影響について

フィックストマインドセットとは?社員のモチベーションが低い原因について

企業を成長させるためには人材の育成が必要不可欠です。しかし米ギャラップの調査によると、日本における「熱意あふれる社員」の割合は6%しかおらず、139カ国中132位と最下位クラスになっています。

「熱意あふれる社員」日本は世界で最下位レベル
出典元『Ideal Leaders』米国ギャラップ社「熱意あふれる社員」の割合調査

ベイン・アンド・カンパニーとプレジデント社の共同調査によると「やる気に溢れる」社員の生産性は、単に「満足している」社員と比べて約2.3倍高いという結果が出ています。

意欲の度合いによる社員の生産性
出典元『PRESIDENT Online』”3人に1人”の不満社員を奮起させるには

企業を成長させるためには、社員のやる気やモチベーションの向上による生産性アップが必要不可欠です。しかし、日本の企業には熱意あふれる社員が6%しかいないため、社員のモチベーション向上が大きな課題となっているのです。

社員のモチベーションを高めるためには、単に給与を上げたり職場環境を改善したりといった施策だけでなく、社員の意識改革も必要になります。社員のモチベーションが低い理由は、もしかすると「フィックストマインドセット」が原因かもしれません。

今回の記事では、フィックストマインドセットの意味や定義、企業への影響や具体例、グロースマインドセットとの関係についてご紹介します。

フィックストマインドセットとは?意味や定義、企業への影響について

マインドセットの意味や定義とは?

フィックストマインドセットの「マインドセット」とは、経験や教育、生まれ持った性質などから形成される「ものの見方や考え方」を意味する言葉です。

マインドセットという言葉の意味合いは、個人と組織で多少異なります。個人においては、覚悟・信念・心構えなどといった、個人が持つ思考や心理状態を表す言葉として使われます。組織においては、企業の理念や文化、社風や組織風土を表す言葉として使われます。

企業におけるマインドセットは、現在の事業内容や今後の達成目標などを定める際の指針となるため、企業の意思決定の上で重要な役割を担います。

フィックストマインドセットの意味や定義とは?

フィックストマインドセットとは「人の能力は固定的で努力しても変わらない」という考え方を意味する言葉です。

フィックストマインドセットが蔓延している企業では、社員が自分の能力の低さを露呈したくないあまり、批判や失敗を恐れて挑戦をしなくなります。何事に対しても諦め癖がついて主体性がなくなり、成長が遅くなるというデメリットもあります。

フィックストマインドセットのビジネスシーンにおける具体例とは?

フィックストマインドセットがビジネスシーンにどのような影響を及ぼすのか、具体的な例をもとにご紹介します。

  1. 日々の業務におけるフィックストマインドセットの例
  2. 困難な課題に直面した際のフィックストマインドセットの例
  3. 他人が成功したり自分が批判された際のフィックストマインドセットの例

1.日々の業務におけるフィックストマインドセットの例

フィックストマインドセットに陥った人は、上手くいかないことがあると他人や環境のせいにする他責思考が強いです。

何か失敗をしてしまっても「自分は悪くない」と考える傾向が強いため、失敗の経験が成長につながらず、日々の業務も自ら増やしたり広げようとしません。何事も保守的に考えるため、新しいチャレンジには抵抗や嫌悪を示します。

2.困難な課題に直面した際のフィックストマインドセットの例

フィックストマインドセットに陥った人は、困難な課題から逃げがちで、一度失敗したら「自分には無理だ」とすぐに諦めてしまいます。

厄介な仕事や障害に出くわすと、失敗をしたくないがゆえに、後回しにしてしまうケースが多くあります。また「努力は意味のないもの」と考えるため、課題解決のための努力を現状の自分ができる範囲内で済ませようとします。

3.他人が成功したり自分が批判された際のフィックストマインドセットの例

フィックストマインドセットに陥った人は、自分自身への批評を避ける傾向があるため、自分の欠点と向き合うことになる反省を行おうとしません。

自分が成功したとしても失敗したとしても「なぜその結果に至ったのか」という振り返りを行わないため、自己の成長につながりません。また、他人の成功は自分の立場をおびやかす脅威として捉えがちで「人は人、自分は自分」と割り切る考え方も苦手であるため、他人が成長・成功していると自分の立場や能力を下に感じ、後ろ向きな妬みや嫉妬に陥りやすい傾向があります。

フィックストマインドセットが企業にもたらす影響とは?

フィックストマインドセットの考え方は、フィックストマインドセットに陥った本人だけでなく、周囲の人に伝染して組織やチーム全体に悪影響を与えます。

フィックストマインドセットによるやる気の低下や否定的な態度は、普段の業務やコミュニケーションに表れるため、生産性や人間関係の悪化につながります。

フィックストマインドセットに陥った人は退職を考えるケースが多いですが、保守的で新しい挑戦を避ける傾向にあるため、愚痴や文句を繰り返しながらも働き続ける場合がほとんどです。

フィックストマインドセットに陥った人の愚痴や文句は、部下や同僚に対して頻繁に繰り返されるため、高いモチベーションで働いていた人が感化されてフィックストマインドセットに陥ったり「こんなネガティブな人と一緒に働きたくない」と離職してしまう可能性があります。

フィックストマインドセットが企業に与える悪影響は、単なる生産性の低下だけでなく、優秀な人材のモチベーション低下や離職にまで及ぶ危険があるのです。

フィックストマインドセットとグロースマインドセットの違いとは?

フィックストマインドセットとグロースマインドセットは、互いに正反対の関係になっています。

グロースマインドセットとフィックストマインドセットの対比
出典元『Ritori』グロースマインドセットとは~成長する思考パターンと活かし方~

フィックストマインドセットは「能力は固定化して変化することはない」という考え方であるのに対して、グロースマインドセットは「能力は努力や経験で成長する」という考え方です。

フィックストマインドセットの考え方は、全体的に拒否や諦めといったマイナス思考にもとづいており、グロースマインドセットのあらゆる経験を自らの成長につなげようとするプラス思考の考え方とは対照的です。

企業の成長や生産性の向上を図る上では、いかにフィックストマインドセットに陥る社員を減らし、グロースマインドセットを身に付けてもらうかが重要になるのです。

フィックストマインドセットによるモチベーション低下を防止しよう!

フィックストマインドセットとは「人の能力は固定的で努力しても変わらない」という考え方を意味する言葉です。

フィックストマインドセットが蔓延している企業では、社員が自分の能力の低さを露呈したくないあまり、批判や失敗を恐れて挑戦をしなくなります。何事に対しても諦め癖がついて主体性がなくなり、成長が遅くなるというデメリットもあります。

社員のマインドセットは、本人の努力だけでなく、上司や同僚といった周囲の環境によって変化します。企業の成長や生産性の向上を図る上では、いかにフィックストマインドセットに陥る社員を減らし、グロースマインドセットを身に付けてもらうかが重要になります。

社員がフィックストマインドセットに陥るのを防ぐためには、社員の価値観や考え方を理解して、根本的な問題や食い違いを解決する必要があります。

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