エンジニアの評価はどうやるの?各社の人事評価制度の導入事例について

不足し続けるエンジニア、仕事を辞める理由は?

売り手市場が加速し、特にエンジニアが枯渇しています。経済産業省の調査によると、2030年には労働人口85.7万人に対する不足人数が78.9万人と、求める労働人口に対して約48%の人材が不足するとの報告もあります。

IT人材の需給に関する推計結果の概要
出典元『経済産業省』IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果を取りまとめました

エンジニア人材の新規採用が困難になっていくのは上記調査からも明らかですが、まずは自社のエンジニアに離職・転職しようと思われないように、社内の環境整備の施策がより重要になってきます。

リクナビNEXTがエンジニア400人に「会社を辞めたい理由はどんなときか」というアンケート調査をしたところ、1位は「給与が上がらなかった・下がった」2位は「自社では技術やスキルが伸ばせないと思った」など正当に評価されていないことが上位に挙げられています。エンジニアに長く自社で就業してもらうためには正当に評価する仕組みや制度が必要になっていきます。

あなたが「会社を辞めたい」と思った理由は何ですか?
出典元『Tech総研』会社を辞めたい!エンジニアが本気で転職を考えた瞬間

しかしながら、IT経験のない非エンジニアの人事担当者がエンジニアを正しく評価するのは、知識がないために非常に難しい問題となります。

現時点でも、エンジニアをきちんと評価できていないという悩みを抱えている人事担当者は多いのではないでしょうか。ましてやITの経験のない非エンジニアの人事担当者がエンジニアを正当に評価するのはより困難な問題に発展します。一人単位の成果物だけでは評価ができない、チーム単位でのエンジニアとなれば、なおさらのことです。

エンジニア出身でない経営者・人事担当者にとって、優秀なソフトウェアエンジニアの採用は判断が難しい分野です。米Googleエンジニアかつ面接官も経験していた弊社CTOの井上 真大が、コーディング面接について説明します。

この記事で、エンジニア採用に注力している会社でどのようなエンジニア向け評価制度を持っているのか、ご紹介いたします。是非とも、自社で使える制度などがあれば、参考にしてみてください。

エンジニアの人事評価制度の紹介

VOYAGE GROUP

会社URL:https://voyagegroup.com/

VOYAGE GROUPは広告基盤となるアドプラットフォームやポイントメディアなどのメディア事業を中心として、第3の柱となる事業を作るべく積極的に事業展開をされている東証一部上場企業です。

VOYAGE GROUPでは、人事評価制度の1つとして「技術力評価会」という会を半年に1度開催し、自分と別チームのエンジニアが評価を行うといった制度を行っています。

方法としては、自分の半年間の仕事の中で「ビジネスとしてどういう課題があったのか」「それを解決するために、どういう施策を考えたのか」というネタを1つ選んで発表し、上のグレードの人が評価をします。被評価者に対して、サポーターがつくというのが他社にない評価制度になっています。どんなネタを持っていくのかを、被評価者とサポーター社員が一緒に考え発表します。この評価者も被評価者とは別部署のエンジニアが担当するので、評価制度に多くの社員が関わっていることがわかります。

また、エンジニアの能力評価も公開しているのも大きな特徴です。評価資料やその結果は、GitHubにすべて保存し、社内のプライベートリポジトリで公開し確認することができます。こちらの評価制度は、会社全体でエンジニア1人1人のことを考え評価し、個人の成長をチームや事業にどう結び付けられるかを会社全体で考えることが特徴になっています。

かかる工数はとても多いですが、エンジニアとしても、何で評価されているのかわかるので納得感を持って仕事に臨め、また自分以外のエンジニアに対して意志を持って評価していかなくてはならないので責任感も増し、会社としてもメリットが大きい制度でしょう。

参考URL『VOYAGE GROUP techlog』エンジニアの能力評価制度である技術力評価会を改善し続けています。 #vgadvent2017

クックパッド

会社URL:https://info.cookpad.com/

料理レシピのコミュニティウェブサイトであるクックパッドを開発・運営している東証一部上場企業です。エンジニアの界隈では、一流のエンジニアが集まっている企業として非常に有名です。

クックパッドでは「①ユーザー視点②技術の使い方③誰にも負けない分野の高い技術力④他のエンジニアへの貢献⑤自分の行動への正直さ⑥プロダクト中心のコミュニケーション」この6つを元に、エンジニア向けの評価制度として下記4つを定めています。

1.主体的な問題の発見と解決

ユーザーの問題発見・解決を主体的にできているか、という点。ユーザー体験まで考えて、サービス開発する志向(姿勢)を評価する項目です。

2.誰にも負けない分野を仕事で活かせているか

自分のスキル・経験をただ保有するだけでなく、仕事に活かせているかという点です。

3.設計はシンプルか

シンプルに作ることは世の中でどんな設計されているかを把握しておく必要があり、情報がないとシンプルに作るのは難しい。いかにシンプルに、より良いものを取り入れる思考があるかを判断されています。

4.社内外開発者全体への貢献度

社内に限らず、社外の開発者全体に貢献できているかという項目も評価項目になっています。同僚エンジニアの生産性を上げるだけでなく、社外にも広げているところが特徴です。

キャリア配属を決める際には「やりたい」「とくい」「やるべき」という3つの領域が重なる部分について面談でコミュニケーションを取りながら、お互いの最適な環境を作っています。

「やりたい」ことが明確に決まっているエンジニアが多いわけではないので、「1年前の自分と今の自分を比べて、変化していなければいけない」ということをエンジニア自身に伝え、「どうなりたいか」という理想の姿からそこに向かっていく成長を一緒に探していくという手法を取っています。

メルカリ

会社URL:https://about.mercari.com/

フリマアプリであるメルカリを中心に、急成長している企業です。未上場であるものの、企業価値10億ドル以上の「ユニコーン」企業として有名です。海外への事業展開も含め、サービスを支えるエンジニアの採用に注力しています。

参考URL『日本経済新聞』企業価値、22社が100億円以上 NEXTユニコーン調査

メルカリでは「メルカリの3つのバリュー(Go Bold:大胆にやろう。All for One:全ては成功のために。Be Professional:プロフェッショナルであれ。)」というメルカリのミッション達成のために、設定する3つのバリュー(価値基準や理念)について満たせたか、達成できたかどうかという点を3カ月に1度、自己申告による評価とそれに伴う評価を行っています。

達成目標だけでなく、行動がそれにきちんと伴ったかどうかという部分も評価に大きく占めているのが特徴で、エンジニアも実績だけでなくバリューや理念で評価するのは面白い制度です。

サイバーエージェント

会社URL:https://www.cyberagent.co.jp/

アメーバブログやAbemaTVなどのメディア事業、インターネット広告事業、ゲーム事業など幅広い事業で成長し続けている東証一部企業です。

サイバーエージェントの採用手法や人事制度は非常に有名ですので、参考にされている企業も多いのではないでしょうか?

評価制度は半期ごとでの目標管理制度に近しいものです。それとは別に月1回上司・部下面談を行っています。半期や四半期での評価では、上司・部下の間の認識にズレが生じます。それを対話によって埋めていく努力をするように習慣化しておいた方が、納得度が高まりやすいからだといいます。

それ以外ですと、半期の期初に組織全員で組織の目標を考える、という取り組みがあります。組織の目標を決めて、プロジェクトのレポート、部内報を作るという取り組みですが、20〜30人のプロジェクトメンバーが集まって、半期の目標の大枠を決めていきます。組織の目標は一人一人、個人の目標までブレイクダウンしてつくります。

また、組織の目標と個人全員分の目標を冊子やポスターにまとめ、役員会に提出すると、役員会で審査を行い、グランプリには100万円の賞金を出す、ということも行っています。これは個人の組織に対するモチベーションUPや組織活性化、個人の当事者意識の向上という効果も期待できる制度でしょう。

余談ですが、サイバーエージェントの人事統括である曽山さんにミツカリをご紹介頂いております。
参考URL:自社に合う人を採用するには?

モチベーション向上にもつながるエンジニア評価

各社が様々な評価制度を様々なチャレンジを繰り返しながら生み出しています。ITエンジニア界隈は業界の変化も著しいため、同じ評価制度を使い続けるのではなく、時代の流れに沿った新しい評価制度の導入も非常に有効です。

エンジニアの評価は営業等とは違い、売上や実績のみでは評価できないポジションであり、かつ非エンジニアの人事担当者がエンジニアを評価するのは非常に難しいと言われています。

まずは自社のエンジニアと詳しく話してみるなどして、自社では何が重要で、何の観点で評価していきたいか考えるところから始めてみましょう。同様の課題を抱えている企業は多く、他社の事例を参考にすると今までになかった評価制度もうまれるかもしれません。また、上司のエンジニアなども巻き込みながら、評価制度を整えていく方法もあるでしょう。

自社に取り入れそうなものはどんどん取り入れていき、上手くいかないのであれば違うものを検討する等、柔軟な発想やアクションも求められてきているのではないでしょうか。

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