キャリアパスを人事制度に活用する方法とは?採用や教育研修・評価に活かそう!

労働者の将来の目標を明確にする「キャリアパス」という考え方とは?

現代は終身雇用や年功序列の企業も少なくなり、同じ会社でずっと就業するという考えも徐々に少なってきています。厚生労働省の調査によると、男性は約2人に1人が離職を経験し、女性では4人に3人が離職を経験する時代となっています。

年齢別初職からの離職回数割合
出典元『厚生労働省』職業生涯を通じたキャリア形成

転職を考えるきっかけとして最も多いのは「給与・待遇への不満」ですが、「将来に対する漠然とした不安」を上げる人も多いのが実状です。

転職を考えるきっかけは何でしたか?
出典元『HUFFPOST』女性たちは怒っている、会社のこんなところに。やめた理由を聞いてみた(調査結果)

将来の不安を解消するために有効なのが労働者自身の将来の目標を明確にする「キャリアパス」という考え方です。労働者がどのようなスキルを身に付けたらどのような役職や報酬がもらえるのか、それに足りないスキルは何か?などを明確にすることで、自分の現在像と将来像が対比でき、それによって漠然とした不安が具体化し、解消しやすくなるのです。

自社独自のキャリアパスを作ることは「自社の理想の人物像」を作ることと同義であり、「新卒採用」だけでなく「中途採用」や、理想の人物像になるための「教育・研修制度」、活用するための「人事評価制度」など、幅広い人事業務に応用ができるのです。今回は自社独自のキャリアパスを作る方法や、採用選考や人事評価などの自社制度に組み込む方法について説明します。

自社独自のキャリアパスを活用する方法とは?

キャリアパスとは目指す職位や職務等に到達するための経験の積み重ね方、能力を高めていくための道筋や順序のことです。一つの企業の中で、管理職になるためやスキルアップ、キャリアアップしていくために何が必要で、どういうステップを踏んでいくのかなどを示したもののことです。

自社独自のキャリアパス制度を構築する上の前提条件

理想の人物像を具体的かつ明確にする

自社で理想とされる優秀な人物像を描いてみましょう。自社の社員に、どのような人材になって欲しいのかを考え人物像を作っていきます。

「○○さんのような向上心を持った人」といったように主観的になりがちで、かつ抽象的になってしまうことが多いですが、具体的に明確化することが重要です。人物像ができあがると、その姿になるための目標設定や時期を決めていきます。数年後のキャリアパスまで描くことで、社員にも安心感や目指そうという意欲にも繋がります。

従業員が今後進むべき数年先までのイメージが具体的になり、目標を達成する向上心にも起因するでしょう。数年後の期待する役割のために自社はどのような事業運営をしていき、何を目指すのか、その姿を共有することが大切です。会社も進む方向と自分のキャリアが繋がると意欲はより増していきます。

リーダー・課長・部長クラスなど階層を明確にする

求める人物像と一言でいっても、職種や階層によっても様々です。職種によってはキャリアパスのスピードも違うでしょうし、階層によっては見てほしい視点も異なってきます。

理想の人物像を1人だけにするのではなく、職種別・階層別に細かく設定して明確化することが大切です。

スキルなどの教育・研修を可能な範囲で定義する

求める人物像や役割期待を明示したら、目指してもらうためのサポート体制も提示しましょう。

教育研修はOJTのみという企業はとても多いですが、OJTだけではなく、研修を組み合わせてキャリアパスのステップを踏めるような仕組みづくりが必要です。理想の人物像になるためにどんなスキルや資格、考え方やスタンスが必要なのかきちんと定義して、キャリアパスの人物像や役割期待に照らしあわせながら教育プログラムを作ります。

キャリアパスといってもマネジメントが全てではなく、専門職としてプロフェッショナルに極める人がいてもいいでしょう。例えばエンジニアやクリエイターなど技術者や専門職はよりその傾向が強いかもしれませんので、専門職としてのプロフェッショナルを目指す人に向けたキャリアパスも同時に提示することが有効です。

キャリアパス制度を構築する流れとは

従業員が現時点で備えているスキルの計測

キャリアパス制度で難しいのが、現状の社員がどこのキャリアステージにいるのかを決めることです。どんなスキルを今持っているのか、客観的に測らなければ公平ではなくなってしまいます。第3者視点を取り入れるための技術試験や、同僚や上司から評価される360度サーベイの導入も検討する必要があります。

求められるスキルや経験を明確にする

求める役割期待や人物像にどんなスキルが必要なのか、どんな資格を求めるのかわからない場合はスキルマップの活用やハイパフォーマー分析をおすすめします。

自社で優れている優秀な社員を何人かサンプリングして、共通して持っているスキルや能力、考え方などの特徴を洗い出して自社の独自のスキルマップやキャリアバスを作っていきます。

ハイパフォーマーについては「ハイパフォーマーの特性の分析方法とは?特徴を抽出して人材活用に活かす」の記事をご覧ください。

人事教育・研修制度を整備する

求める人物像に求めるスキルを定義した教育制度や研修をきちんと整備して導入します。例えば現場のリーダーから管理職になる場合に、マネジメントスキルがないことで、部下からの不満が多く発生することが、多くの企業において発生しています。業務中に身につけられるものだけでなく、将来的に必要となるスキルの教育研修を事前に行う必要があります。

どの職種、どの階層にもそれぞれ求めている視点が異なると思いますので、それぞれ時期を定めて実施し、研修後の様子をきちんとチェックしましょう。スキルの取得状況に応じて、人事評価や昇格・昇進の参考にします。

人事評価制度を整備する

社員の職務遂行能力やスキル、資格取得などに基づいて評価する仕組みを整備します。キャリアパス制度を作ったとしても、各従業員が様々な方向に向かっていては、企業が理想とする人物像に至るのは非常に難しいです。

人事評価制度に理想の人物像を組み込むことで、このスキルが身についているのか、習熟度はどの程度かなどを評価基準に組み込むことで、根拠のある人事評価が可能になります。評価基準が不明確である、人によって評価が異なる人事評価制度は、多くの従業員の不満を生む原因となります。

個人がキャリアパスと比較した際に、理想の人物像と自分は、何が足りなく、何を満たしているのか自己評価できるような評価制度を目指しましょう。自分の足りないものが明確になり、目指すべき目標が定めることはもちろんのこと、評価者となる人事担当者や経営者、上司がうまく使いこなすことも求められます。

キャリアパスは様々な人事制度に活用できる

自社独自のキャリアパス制度を構築するためには、自社が理想とする人物を明確にする必要があります。高すぎる目標はモチベーションを低下させる要因ともなるため、段階的に構築することが重要であり、そのための教育研修などのサポート制度も大切です。

キャリアパスが明確になれば、採用要件定義や教育研修制度、人事評価制度など幅広い人事業務に活用できます。まずは自社における理想とする人物像を明確にしながら、各業務に落とし込めるまで具体的にしていきましょう。

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