自分を高めるパーソナルブランディング
厚生労働省の調査によると、生涯同じ会社で務めるのは2人に1人であり、終身雇用制度ではなく、アメリカでは主流な個人の能力主義が日本企業にも徐々に浸透し始めていることがわかります。転職市場で自分の価値を高めるだけでなく、同じ会社で勤め続けるためにも、パーソナルブランディングが有効です。
自分の市場価値を高めるのにパーソナルブランディングの必要性を感じてる人が増えてきています。ファイナンシャルアカデミーによるビジネスパーソンを対象とした調査によると、パーソナルブランディングへの意識に変化がある人は約7割と過半数以上の人材が変化を実感しています。
出典元『ファイナンシャルアカデミー』パーソナルブランディングに関する意識調査
パーソナルブランディングが今よりも必要になると考える人は8割となっており、多くの人がパーソナルブランディングの重要性を実感しています。一方で、日頃からパーソナルブランディングを意識できている人は1割未満と、必要になると実感しているのに意識できていない人が多く存在しています。
出典元『ファイナンシャルアカデミー』パーソナルブランディングに関する意識調査
パーソナルブランディングとは、組織内の個としてプロモーションを行い、価値を高めていく方法であり、同じ会社で務め続けるためにも、パーソナルブランディングが有効です。
パーソナルブランディングの方法について
パーソナルブランディングを行う方法については5つのポイントを理解することが大切です。
- 興味性で接点をつくり「憧れ」と「親密性」を生む
- ポートフォリオをつくる
- USPを知り、マーケットを定める
- わかりやすい言葉で語る
- 継続的に発信し続ける
興味性で接点をつくり「憧れ」と「親密性」を生む
パーソナルブランドを確立するために必要なことは、情報発信をするにあたって「興味性」で接点をつくり、「憧れ」と「親密性」を生むということがポイントになります。
興味を持ってもらえるからこそ、あなたのことをもっと知りたくなる状態を構築できれば、「憧れ」と「親密性」を生むという段階に入り、「○○さんだから買う」というようなブランドを確立できます
なぜ「憧れ」と「親密性」の両方がいるのかについては、「憧れ」しかなければ、どこか自分とは遠い存在(=自分とは関係ない)のように思われてしまうからで、「親密性」しかなければ、それはただの友達にしかならないからです。
関係性を構築できていない人に対しては、自分の情報発信に興味を持ってもらう必要があります。
ポートフォリオをつくる
金融業界では現金や預金、株式や不動産などの金融商品の一覧やその内容を指しており、教育業界では生徒たちが学習過程で残したレポートや写真などをファイルにひとまとめにして評価する方式を指します。クリエイティブ業界では、自身の「作品集」として、自分の過去の実績や力量を評価してもらうために作成する資料のことをポートフォリオと呼びます。
ポートフォリオは、過去のキャリアの棚卸として使うこともできますし、自分が過去に生み出してきたことをいつでも他者に参照できるようにしておいてもいいでしょう。
USPを知り、マーケットを定める
USPという言葉は「Unique Selling Proposition」または「Unique Selling Point」の略とされる マーケティング 用語で、「他者にはない唯一無二の」自己の強みや自分の売りのことです。
USPを発見する手がかりとして、ポートフォリオも一つの材料となるでしょう。自身のマーケット(市場)やターゲットオーディエンス(想定フォロワー)も定めていくことが重要です。
わかりやすい言葉で語る
ターゲットにもよりますが、専門用語ばかりを語るのは、専門家に好かれ、一般の方には分かりにくく寄ってこなくなってしまうことがあります。
できるだけ分かりやすい、やさしく理解しやすい言葉で語った方が、裾野が広がるでしょう。
継続的に発信し続ける
1968年、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスは、「はじめのうちは興味がなかったり、苦手だったりしても、何度も見たり聞いたりして繰り返し接触することで好感度や印象が高まる」とする論文を発表しました。「単純接触効果」や「ザイアンス効果」と言われていますが、自己のマーケティングでは内容やコンテンツ の長さ以上にたくさん生み出すことが求められます。
露出が多いほど単純接触効果が起きるので、 広告 やCMもこの効果を狙って露出を増やします。SNSでは、1つのメディアに縛られず、ブログ も含めてさまざまなプラットフォームで多産に発信をすることが重要だと言えそうです。
パーソナルブランディングが組織のイメージともなることに注意しよう。
パーソナルブランディングは組織に対して貢献できるだけでなく、会社で働き続ける場合や転職市場で求められる人材になるためにも有効的な方法です。
組織の看板を背負うこともあり、失敗した場合のリスクもあるため、正しいやり方を実践することが大切です。