エンパワーメントの使い方とは?企業の活用事例からヒントを得る

エンパワーメントとは何か?

「エンパワーメント(エンパワメント)」とは、「権限を持たせること」「自信を与えること」「力を付けてやること」などを意味しています。

エンパワーメントとは、権限を持たせること、自信を与えること、力を付けてやることで、「意思決定の迅速化」「自ら考え、判断し、行動できる人材の育成」「本来持つ能力の発揮」などのメリットがあります。少子高齢化により労働力不足が大きな課題となっている日本では、従業員一人ひとりに求められる労働価値が向上しています。従業員に能力を最大限に発揮してもらうためには環境づくりが欠かせません。今回は企業活動や人事領域におけるエンパワーメントの意味や活用するメリット・デメリット、活用方法について説明します。

エンパワーメントという用語が社会的に広く使われ始めたのは第2次世界大戦後の米国においてであり、1950年から1960年代の自由公民権運動や1970年代のフェミニズム運動などの社会変革活動を契機としています。近年では、社会福祉の分野、発展途上国における労働や人間の能力開発、女性の社会的な地位や制度をめぐるジェンダー問題、教育心理学等の分野に転用され、発展してきた概念です。

組織を強化するためには従業員一人ひとりがパフォーマンスを発揮する必要があります。エンパワーメントには「人の可能性を信じ、その潜在能力を最大限発揮させる」という価値観が根本にあり、エンパワーメントの概念は企業活動や人事領域でも活用されています。

今回は、企業においてエンパワーメントを活用する方法について、企業の活用事例に基づいて説明していきます。

企業活動や人事領域でのエンパワーメントの使い方とは

企業活動や人事領域で「エンパワーメント」が使われる場合は、組織としてのパフォーマンスを最大化するために、現場に権限を与え、従業員の自主的・自律的な行動を引き出す支援活動を意味しています。

エンパワーメントには、管理部門から現場へ・上司から部下へ仕事における権限を委譲・付与する構造的アプローチと、自己効力感を高める心理的アプローチの両方が含まれます。個人や集団が本来持つ能力や才能を引き出し、生産性とメンバー満足度の両方を高めていきます。

1.スターバックスコーヒーの活用事例

世界各国で1万店以上のチェーンを展開する「スターバックスコーヒー」は、エンパワーメントの先進事例として注目されている企業のひとつです。

業務の80%はマニュアルレスで進められています。接客に関するマニュアルとしては「お客様が何をしてほしいかを考えてサービスしよう」という内容のみです。何が心地よいサービスなのか、正社員もアルバイトも関係なく、自分で考えて行動することを奨励しています。

マニュアルを設けず、現場のパートナー(スターバックスではすべての従業員をこう呼ぶ)の判断に店舗運営をゆだねることで、顧客の多様性やビジネス環境の変化に対応する柔軟な組織をつくりあげています。

「要は、あなたがお客様の立場になった時、やってほしいと思うサービスを提供しなさいという、ただそれだけなんです。つまり、接客はすべて自分次第。だから、スターバックスで働くのは面白いし楽しいと言って、長く働いてくれる人が多かったです」

元スターバックスコーヒージャパン株式会社 執行役 簔口一実氏

引用元『an report』なぜスターバックスで働きたくなるのか?人気と成長を支える人材育成

2.リッツ・カールトンの活用事例

顧客満足評価が高いホテルとして知られているリッツ・カールトンでは、顧客の要望に応える際に、上司の判断を仰ぐことなく自分の判断で最良と思うサービスを行ってよいという裁量権を、スタッフ一人ひとりに与えています。

リッツ・カールトンは3つのエンパワーメントを設けています。

  1. 上司の判断を仰がずに自分の判断で行動できること。
  2. セクションの壁を超えて仕事を手伝うときは、自分の通常業務を離れること。
  3. 1日2000ドル(約20万円)までの決裁権。

エンパワーメントの目的は、顧客の要望に対して迅速かつアイデアに富んだ最高のサービスを提供することです。個々の従業員が迷うことなく最善の方法を選択することができる環境をエンパワーメントを活用して整えています。結果として顧客満足度を高め、スタッフ1人ひとりが誇りと責任感を持って仕事にのぞめるマインドを作り上げています。

3.星野リゾートの活用事例

リゾートホテルや旅館の運営を手がける株式会社星野リゾートは、国内でエンパワーメントを実践している企業として有名です。

かつて行なっていたトップダウン方式による経営改革により、古参の社員の退職率も比例して増加するという問題を抱えていました。

エンパワーメントの考え方を経営に取り入れ、情報の公開や自由でフラットな話し合いができる組織文化の構築、仕事の目的や目標などを明確にした上で仕事をどんどん任せるスタイルへの変更など、様々な施策を実施していきました。

エンパワーメントを活用した結果として、退職率が下がり、自らが経営者の意識を持って仕事に取り組むことができる環境を構築できたことが、人材の育成や組織力の強化につながっています。

私は、現場のスタッフに情報をすべて公開しました。理想は、現場の最前線にいるスタッフが持つ情報と、私の持っている情報がイコールであること。さらに、経営ビジョンと戦略を分かりやすく噛み砕き、私自身が直接スタッフに伝えることを心がけました。

株式会社星野リゾート 代表取締役社長 星野佳路氏

引用元『株式会社日立ソリューションズ』~星野リゾート流 意識改革~ 星野佳路の「組織活性化」講座

国内外の企業でエンパワーメントが活用されている

エンパワーメントという概念は、1950年代の米国で使用されていました。1980年代の後半、日本においてバブル経済が崩壊の前兆が現れ始める頃、国境を越え、グローバルな企業間競争が展開され始めたことで、「経営」の分野においても、エンパワーメントという概念が用いられるようになりました。エンパワーメントは、マニュアルワークが求められていた高度経済成長期の日本においては重要視されていませんでしたが、社会環境が変化した現代の日本では非常に期待されている概念です。

グローバル企業において、エンパワーメントの活用事例はすでに実績は数多くあります。国内でも星野リゾートやリクルートグループでエンパワーメントを活用した組織活性・人材育成を行なっています。自社でエンパワーメントを有効活用したいと考えている場合は、他社の成功事例と成功した要因を探ることで、自社でも成功するヒントが得られるでしょう。

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