「内定が出たら終わり」じゃない!
就職・転職活動の最中は、「これからどうなるんだろう……」という不安を抱えている方も多いのではないかと思います。最近は求人倍率が上昇し、求職者にとって仕事は選べるほど多くあると言われてはいますが、大切なのは自分の考え方やライフスタイル、キャリアプランに合った企業に就職することが大切です。
書類選考、複数回の面接などを経て人事担当者から採用の連絡をもらったときの安堵感や喜びはひとしおです。しかし、ここからも大切です。これから入社する会社と雇用契約を結ぶにあたり、きちんとしたビジネスマナーを持って接することを忘れないようにしましょう。
今回のテーマは「採用通知書返信の添え状」です。
内定となると、企業から採用通知書と共に入社誓約書などの要返信の重要書類が送られてきます。ただそれを記入して送るだけでなく、何が何枚入っているかが確認できるための文章も添えることがマナーです。
以下では、添え状の意味や目的、書き方について紹介します。
採用通知書の返信に何故添え状をつけるのか?
添え状とは、送付した書類の概要を記した書類のことです。
添え状は一般的に、郵送やFAXなどでの書類送付に添付されるものです。宛先・中身・枚数を明記することで送った内容に誤りがないかを、送り側と受け取り側の双方で確認できるようにする目的があります。
「書類が足りない」「送った/送ってない」などのすれ違いはビジネスにおいて大きな問題に発展しうるものです。そうしたトラブルを未然に防ぐためにも、添え状は大切な役割を果たしています。
添え状に何を書くべきか?
添え状に書くべき内容は「何をどれだけ送ったか」がマストになります。それ以外にも、挨拶や相手への気遣いなど、受け取って気持ちの良い体裁を取ることで、「この人は丁寧だな」という印象を与えることもできます。添え状に書く項目をまとめると以下のようになります。
- 宛先
- 制作した日付
- 送付元
- 頭語、結語
- 時候の挨拶、結びの挨拶
- 内容の箇条書き
それではこれを踏まえて、添え状の例を見てみましょう。
例文①
◯◯株式会社 平成◯年◯月◯日
◯◯部
◯◯様
(内定通知書に書かれていた宛先)
〒◯◯◯-◯◯◯◯
◯◯県◯◯市◯◯
◯丁目◯番地◯号
メゾン◯◯号室
◯◯◯◯
(自分の連絡先)
拝啓
○○の候、貴社におかれましてはますますご清栄のことと
お慶び申し上げます。この度は内定のご連絡を頂き、
誠に感謝申し上げます。
つきましては以下の書類を送らせて頂きますので、
ご確認くださいますよう宜しくお願い致します。
まだまた判らぬことばかりで至らぬ点も多々ありますが、
ご指導、ご教示の程お願い致します。
末筆になりますが、貴社のご隆盛を心よりお祈り申し上げます。
敬具
記
内定承諾書 1部
普通自動車免許証のコピー 1部
以上
まずは「宛先」「制作した日付」「送付元」を明記しましょう。「いつ誰が誰に送った」かをはっきりさせることで、受け取りが遅れた場合に何が原因だったかを解明しやすくなります。
本文については、一般的な手紙の書き方と同じです。採用通知書のお返事などになると、選考過程でお世話になったことなどの感謝の気持ちもさりげなく伝えておくと、丁寧さを出すことができます。
添え状の一番の目的でもある内容の記述ですが、これは先方がパッとみてわかるように、本文下に箇条書きで記すのがおすすめです。
言葉遣いだけでなく、読みやすさやわかりやすさへの配慮も重要なビジネスマナーなのです。
添え状がない場合のデメリットとは
添え状がない場合、「誰が誰に何の目的で送ったどういう書類」かがわかりません。社内での処理が遅れたり、送り主にどういう書類かを確認する手間が増えたりするケースもありますので、特に先方に対して無駄な確認作業を増やしてしまう恐れがあります。
多くのビジネスは「契約」によって成り立っているものですので、こうしたやりとりは働く上での基本的なものになります。きちんと実行できる能力は、入社後の評価にも繋がることがあります。
ビジネスマナーの基本は「相手への気遣い」
採用通知書など企業から送られてきた書類を返信する場合、添え状をつけることは一般的です。特に中途採用において添え状がなかった場合には、ビジネスマナーの有無を疑われる可能性があることに注意しましょう。
入社したい場合にはもちろんのこと、断る場合にでも将来の取引先などの何があるかわからないため、最低限の添え状はあるに越したことがありません。
重要なやりとりになるほど、「何をなぜ、誰が誰にどれだけ送ったか」の確認は重要です。丁寧に意思疎通をはかることは、相手への気遣いにも繋がりますので、「相手に無駄な時間を取らせない」ことを配慮して行動するようにすると、ビジネスマナーは自然と身についてきます。