スキルマッチよりもカルチャーマッチを重視する企業が増加している
スキルマッチとは、企業の採用活動において、応募者の持つスキルを重視する採用手法を意味する言葉です。
マイナビの調査によると、新卒採用の主な理由は「事前の計画による定期的な採用」が挙げられているのに対して、中途採用の主な理由は「専門能力や技術を持つ人材の獲得」が挙げられています。
採用基準には、社風に合う性格や価値観を重視するカルチャーマッチと、業務スキルや経験を重視するスキルマッチという2種類の方法があります。
採用市場においては、新卒採用ではカルチャーマッチ、中途採用ではスキルマッチが重視される傾向があります。しかし、HRproの調査によると、キャリア採用(中途採用)において重視する項目として、1位の「経験職種」に続いて2位に「人柄」が挙げられています。
出典元『HRpro』HR総研:「キャリア採用に関する調査」結果報告
上図を見ると、あまり重視しない項目の4位に「資格・スキル」が挙げられているのに対して「人柄」は10位以内に挙げられていません。中途採用においては、カルチャーマッチもスキルマッチと同じくらい重視されるだけでなく、スキルマッチを重視しない企業はあってもカルチャーマッチを重視しない企業はほとんど存在しないのです。
今回の記事では、スキルマッチの意味や定義について説明した上で、スキルマッチが重視されなくなってきた理由についてご紹介します。
スキルマッチとは?意味や定義、重要性が低下している理由について
スキルマッチの意味や定義とは?
スキルマッチとは、応募者のスキル・能力・資格などの専門スキルが、募集企業のニーズにマッチしているかを判断する採用手法です。
「スキル」と一口に言っても様々で、業務に特化した専門スキルを指す場合もあれば、対人能力やマネジメントスキルといった汎用的なビジネススキルを指す場合もあります。さらに、ビジネススキルは「テクニカルスキル(業務遂行能力)」「ヒューマンスキル(対人関係能力)」「コンセプチュアルスキル(概念化能力)」に分類されます。
採用活動においてスキルマッチを重視する場合は、求めるスキルを具体的に明確化して、社内で認識を共有するようにしましょう。
スキルマッチが重要視されていた背景とは?
スキルマッチが重要視されていた背景としては、即戦力人材を求める採用市場が挙げられます。
日本の採用市場では、バブル崩壊やリーマンショック以降採用難が続いており、人材の大量獲得が難しくなっています。企業は限られた採用枠の中で、即戦力になる経験やスキルを持った人材を採用したいと考え、スキルマッチを導入したのです。
スキルマッチの重要性が低下している原因とは?
スキルマッチの重要性が低下している原因としては、VUCA時代といわれる将来の予測が困難な時代になり、採用時に重視したスキルが陳腐化しやすくなったことが挙げられます。現在有効とされているスキルが今後通用しなくなる可能性が高いため、採用時のスキルを重要視する必要がなくなったのです。
スキルマッチよりもカルチャーマッチが重要視されるようになった理由としては、たとえ求めるスキルを持っている人材を採用できたとしても、カルチャーマッチを無視した採用ではミスマッチによる早期離職が起こりやすいことが挙げられます。
スキルマッチを重視した採用では、カルチャーマッチを重視した採用に比べて、社員の離職が6年間の平均で約14か月早いという研究結果が出ています。同研究では、14か月早く辞められてしまうことによる損失は、一人当たり最大で470万円に及ぶとされています。
カルチャーマッチを重視した採用を行うためには、応募者の性格や価値観といった見極めが難しい要素を評価した上で、採用基準を採用担当者間で共有する必要があります。
弊社サービス「ミツカリ」では、AIによって会社全体や部署ごとの価値観と人材の価値観を可視化し、採用・配属におけるマッチ度を測りミスマッチを防ぐことができます。カルチャーマッチを重視した採用を行うための採用支援ツールとして、是非導入をご検討ください。
スキルマッチを重視する場合でもカルチャーマッチを軽視してはいけない!
スキルマッチとは、企業の採用活動において、応募者の持つスキルを重視する採用手法を意味する言葉です。
スキルマッチは主に中途採用で重視されていましたが、変化の激しいビジネス界では採用時のスキルが陳腐化しやすく、またカルチャーマッチしていなければミスマッチによる早期離職を引き起こすことなどから、重要性が低下しています。
スキルマッチの重要性が低下しているとはいえ、増員や欠員補充などで即戦力人材が必要な場面は存在します。スキルマッチを重視した採用を行う場合は、求めるスキルを具体的に明確化した上で、せっかく採用した人材が早期離職しないようにカルチャーマッチも軽視し過ぎないようにしましょう。