ストレス要因のランキングとは?労働者のストレスの原因を知ろう!

仕事で大きな「ストレス」を抱える現代の日本人

仕事のストレスは、働く人(労働者や社員)の健康と、彼らの所属する組織自体の健全な経営という、双方における大きな懸案事項であると、世界的にも広く認識されています。

ストレスを持つ人は、基本的に心身の一部もしくは全部が不健康で、モチベーションに乏しく、仕事の生産性も低い傾向にあります。そして、彼らの所属する組織も、競争市場において大きな成功をおさめにくいものです。

厚生労働省による「平成28年 労働安全衛生調査(実態調査)」では、強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者は59.5%と、過半数の労働者が強いストレスがあると回答しています。強いストレスとなっているものの1位は「仕事の質・量」2位は「仕事の失敗、責任の発生等」3位は「対人関係」が挙げられています。

強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の推移
出典元『厚生労働省』平成28年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況

産業医などの企業の健康相談や健康管理をサポートする医療サービス会社である株式会社ドクタートラストでは、ストレスチェックにおける健康リスクとして「仕事の負担・コントロール」と「上司・同僚とのコミュニケーション」の2軸で健康リスクを調査しています。業種によってリスクは異なるものの、「仕事の負担・コントロール」と「上司・同僚とのコミュニケーション」の2つのストレッサーについては注意しておく必要があるとも考えられます。

業種別・健康リスク総合ランキング
出典元『ドクタートラスト』[健康リスク]業種別ランキング

ストレス要因となるストレッサーやその強度は人によりさまざまです。まずはどういったストレス要因が人に強い影響を与えているのかを理解していくことが重要なのです。

ライフスタイル全般の「ストレス指数ランキング」

ストレスの度合いを測る測定法、ストレッサーを測定する有力な方法として『ライフイベント法』というものがあります。ライフイベント法でもっとも代表的なものが『ホームズとレイのストレス度表(社会的再適応評価尺度 Social Readjustment Rating Scale:S.R.R.S.)』です。

『ホームズとレイのストレス度表(社会的再適応評価尺度Social Readjustment Rating Scale:S.R.R.S.)』は、米国の社会学者ホームズと内科医レイによって1967年に作られました。「社会的再適応評価尺度」は、5,000人の患者を対象として実施したストレス要因を探る調査として、世界的に有名なものです。

一般的な人々のライフサイクルを中心に、過去10年間にわたる生活上の主な出来事を調査し、それに基づいて43項目のストレッサーからなる調査票を作成されています。個人が感じるストレスの程度を「結婚」の 50 を基準として、 0~100点の間でそれぞれのストレッサーの強度を自己評点しています。対象者における項目ごとの平均点を求め、「ライフイベント得点」として、発表した内容が以下になります。

社会的再適応評価尺度
出典元『ホームズとレイのストレス度表』

1年間の合計点数が300点を突破した人のうち、79%は翌年に何らかの身体疾患を訴えています。200~299点の層では51%に、150~199点では39%までに減少しています。この結果から、ストレスの蓄積と身体疾患を訴える頻度は比例することが明確になりました。

上位10位のストレス要因のなかでは、半分が結婚や夫婦生活にかかわるライフイベントであり、パートナーとの離別に関する項目が上位3位を占めています。夫婦のパートナーシップを重んじる米国文化ならではの結果かもしれませんが、家庭を持つ人にとって夫婦関係は人生の要でもあり、この関係性が崩れると何よりも大きな打撃となることが分かります。

11位以降は、夫婦(男女)の関係や、家庭の問題、仕事やお金の変化など、さまざまなライフイベントが登場します。11位以降の順位では、環境や活動、学業、生活習慣などにおける生活習慣の変化などがさらに多岐にわたり、ライフイベントも小項目のものが増え細分化していきます。

社会的再適応評価尺度で注目したいのは、7位の「結婚」、12位の「妊娠」や14位の「新しい家族ができる」のように、一般的に祝い事のようなものでも、ライフイベントが大きいとストレスも高くなることです。毎日が変化に富んで楽しく、愛情にあふれた生活を送っているとしても、ライフイベントが大きいと、本人も気づかないうちにストレスをためやすくなっているということです。

もちろんホームズらが示したのはあくまでも平均値で、実際は、人によって感じるストレスの度合いは異なることは留意する必要があります。

勤労者(労働者)のストレス指数ランキング(夏目誠氏ら調査)

ホームズらのライフイベント法は、その後多くの追跡研究がなされています。

日本では、夏目誠氏ら(大阪府立こころの健康総合センター部長など)が「勤労者のストレス度を知り、ストレスの気づきへの援助に活用するため」に、ホームズらのS.R.R.S.に準拠しながらライフイベントの内容を日本的に改変しています。新たに職場生活に関する項目を追加した『勤労者ストレス調査表(65項目)』を作成しました。

勤労者のストレス点数のランキング
出典元『精神神経学雑誌』出来事のストレス評価

少し古い調査ではありますが、調査対象は1630名(うち女性 308名)の勤労者で、個人が感じるストレスの程度を結婚=50とし、0-100 の間で自己評価により点数化したものです。

「会社の倒産(74)」「転職・会社を変わる(64)」「多忙による心身の過労(62)」「仕事上のミスと転職(61)」など、自分の会社や置かれた状況などが大きく転換する際に、誰しも、少なくないストレスを感じることがわかります。特に、失職や転職、過労などの長時間労働時にそれが顕著です。

特に注目したいのは『複数の要素が関係するストレスの大きさ』です。たとえば「転職(会社を変わる)」と「多忙(多忙による心身の過労)」を見てみましょう。

転職後、新しい仕事を覚えるために多忙になることはよくあることですが、この2項目の数値の合計は64+62=126となります。この数値は「親族の死(73)」を大幅に超えるストレス数値になっています。プライベートと同様にビジネスの現場では、複数のネガティブ要因が絡み合うことがストレスの度合いを高めていることは、往々にしてあるのです。

他にも、ライフスタイルと仕事が相互に関係するストレスも見逃せません。「仕事を解雇されて失業し(8位、47点)家計が苦しくなった(16位、38点)」。「住宅ローンを返却できず家を手放し(21位、30点)、引っ越しをした(32位、20点)」。

その後「新しい仕事を見つけて職についた(18位、36点)労働条件も変わった(31位、20点)」というように、人が人生を歩む上では、さまざまなケースが想定されます。

ここ数十年の間に、日本はもちろん、世界中でさまざまな変化が起こっています。リーマンショックなどの歴史的な大不況や震災の影響、グローバル化などによる企業の海外移転などで、仕事や自宅などを失い、新しい仕事が見つからない、転職ができたとしても新たなストレスにさらされている人は少なくないでしょう。

自らの努力では解決しにくいライフスタイルや仕事の問題を抱えることは、心身の健康にとって非常に大きなリスクとなるのです。

ストレスをマネジメントするためにストレッサーの強さを知る

ストレスは学術的にも長年研究されており、ストレス要因の種類も明らかになっています。何らかのライフイベントの変化が起きた際は、それに付随して環境やライフスタイル、経済状態が変わっていくものです。

転職や結婚など、大きなライフイベントが重なると自分が感じる以上にストレスは蓄積されるものです。そういう時は、適度に休養をとったり、気分転換をするなどして、ストレスの解消を心がける必要があります。

社員のストレス要因を緩和するためにはどのような対策を行うべきかを考えることが、組織全体のストレスマネジメントを行う上でのスタートラインとなるのです。

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