採用ブランディングに動画は必要なのか?
採用ブランディングの手法として、近年ではよく動画が用いられています。
動画は視覚・聴覚など、様々な情報を伝えることが可能です。人間が感じる五感のうち、視覚が8割、聴覚が1割と言われるぐらい、動画では多くの情報を伝えることができます。
動画を効果的に使えば、採用ブランディングのための非常に有効な媒体になります。当然のことながら、自分本位な動画を作ったり、動画を作ること自体が目的になってしまっては本末転倒です。採用ブランディングでは、ターゲットとなる層に多く視聴してもらう、視聴してもらった後にどのようなことを感じてほしいのかを常に考えながら作ることが大切です。
今回は採用ブランディングに動画を用いることのメリットや必要性について説明します。
採用ブランディングに動画を使うことのメリットや注意点とは?
動画は多くの情報を伝えることができる手段です。しかし安易に動画を使えば良いというわけではありません。採用ブランディングに動画を使うことのメリットや注意点について確認しましょう。
採用ターゲットとなる若年層は、動画に親しみがある
採用の主な対象となる比較的若い層は、Youtubeなどで日頃から動画に慣れ親しんでいる人が多いため、動画でのアプローチは対象者に受け入れられ易いです。
若い人の多くは文字を多く読むことよりも、動画や画像などのわかりやすいアプローチを好む上、動画はその性質上、一度開いてしまえば、ページをめくる、画面をスクロールするなどといった能動的な作業を必要とせず、最後まで見てもらうことが容易なコンテンツでもあります。
「なんとなく動画を観始めて気づいたら最後まで観ていた」なんて経験がある人は多いでしょう。ある程度魅力のある動画に仕上げられれば多少長くても最後まで目を通してもらえる確率は他のコンテンツに比べてぐっと高くなります。
動画は文章や画像よりも多くの情報を伝えられる
動画の大きなメリットは、文字で書くより遥かに多くの情報量を伝えられることにあります。効果的に文や画像、あるいは映像、音楽を組み合わせれば視覚だけでなく聴覚など総合的な感覚に訴えることができます。
実際に作り上げるコンテンツの種類もそれゆえ非常に幅があり、アニメーションやストーリー仕立て、あるいはドキュメンタリーなどから好みの表現方法を選べるのも動画を用いたブランディングの大きなメリットです。
社内の雰囲気など上手く言葉にできないことも動画によって容易に対象に伝えることができます。実際に働く事になる職場や、将来の上司の雰囲気や人柄を感じることでそこで実際に働く自分をイメージしやすくなりますし、工夫次第では、例えば、採用にかける「熱」のようなものも伝えることが出来るかもしれません。
動画を用いる上での注意点とは
動画を採用に用いる上での一番の注意点は、自己満足にならないことです。
動画は細かな編集などを繰り返しているうちに、作ること自体が目的となって、やたらと「かっこいい」ものにしようとしたり「おもしろければいい」という風に本来の目的を見失いがちです。
一方で「わかりやすければいい」わけでもないのが採用ブランディングの難しいところです。自社の全てを見せるということは必ずしもいい結果につながるとも限りません。ブランディングとして、見せるべき部分と見せるべきでない部分を設定して戦略的に動画を作成することが魅力あるブランディングを行う上での重要な要素となります。
「ただただオフィスの様子を撮影して流す」といったやり方では不十分です。常に相手の目線に立って、それを見たターゲットにどのような印象を残せるかを意識することを忘れないようにしましょう。
目的を明確にすることも非常に重要です。知名度の向上が目的であれば、再生数などの指標で効果測定が可能ですが、理解度や特定のイメージの喚起などが目的の場合はそれに見合った測定方法で効果を測る必要があります。
動画の様々な活用方法とは
動画は採用活動の様々な場面に用いることができ、また目的に応じた戦略があります。
単純に会社の認知度を上げるための動画ならターゲットへのインパクトを重視してあえてギャップのあるワードや内容を取り入れることが効果的ですし、説明会への参加を促すための動画なら会社のことをもっと知りたいと思うような楽しそうな様子を取り入れてみる、あるいは社内の制度や雰囲気を知ってもらうための動画であれば、新入社員へのインタビューを入れるなど、それぞれの目的に沿ったアプローチを考えましょう。
採用ブランディング動画は必須ではないが、有効な手段である
採用ブランディングに必ず動画を使う必要はありません。動画を使うことはあくまで手段の一つなので、総合的な採用ブランディングの戦略の枠組みの中で、有効だと感じれば使っていくことをおすすめしますが、他社が使っているからといって使わなければならないといったものではもちろんありません。
動画を使うブランディングにおいても、ほかのブランディングと同様に、どのような目的でどのように効果を測定するのか事前に決めておくことで、効果がよくわからないまま続けるといった陥りがちな問題を回避することができるでしょう。
求職者に伝えたいことが動画で伝えることが有効なのか、他の手段で伝えることが有効なのかを常に考えながら、動画を作ることが目的にならないように、常に意識して活用しましょう。