チームビルディングとは?目的や取り組み方法を明確化しよう!

Googleも本気で取り組むチームビルディングとは

仕事においてチームワークが重要だということを否定する人は少ないでしょう。個人でできる仕事には上限があるだけでなく、スキルアップなどの成長も非効率になります。

日本経営協会の調査によると、組織やチームに問題がないと答えた従業員は36.3%のみで、60%以上の従業員が組織やチームに何らかの問題があると回答しています。問題となっているのは「メンタルヘルスに問題を抱える人が増えた」「仕事に対する個人のモチベーションが低下した」が挙げられています。

組織やチームにおける問題の状況
出典元『一般社団法人 日本経営協会』組織・チームにおけるメンバーのあり方と行動についての調査報告書

個人よりチームを重視するというと、日本人的な発想と思われるかもしれません。しかしチームワークの重要性は、個人主義の強い米国においても注目されています。

Appleの前CEOであるスティーブ・ジョブスは『全体の力は、部分として個人力を集めたよりもはるかに大きい。個人では決してなしえないことがチームなら可能となる。それがビジネスの素晴らしさだ』と、個人よりもチームの重要性を説明しています。

人事のデータ活用に積極的なGoogleでも、生産性の高いチームを構築するために、生産性の高いチームの共通点を探し出す調査を2012年に開始しました。何百万ドルもの資金と約4年の歳月を費やし、どんなチームが成功するのかの調査・分析が行われました。調査結果によると、個人力の合計とチーム力(組織力)がイコールではないこと、チームの生産性向上のためには、個々へのアプローチよりも集団的知性へのアプローチの方が効果的であることを明らかにしています。

Googleの調査では、個人として優秀な人材を寄せ集めてもチームとして成功するわけではないことを意味しています。チームとして成功させるためには、個人の能力以外の要素も考えなければならないということです。

世界のリーディングカンパニーが、チームの生産性をいかにして高めるかということに本気で取り組んでいます。ビジネスの現場では、メンバー1人ひとりが優秀であっても、リーダーや人事部門によるチームビルディングのための支援は不可欠であるという考え方が主流になってきています。

チームビルディングの目的とは?

チームビルディングとは「メンバーが目的遂行に向けて協力関係を気付きながら進んでいける、生産性の高い組織づくり」のことです。チームビルディングの目的は「チームの生産性向上」です。

会社組織は1つ以上のチームで成り立っています。チーム内で前向きな協力関係が築ければ、チームのメンバーが発揮する能力を最大化することができます。チームメンバーが最大限の能力を発揮するだけでなく、チームとしての相乗効果が生まれることで、生産性が高まりながら強く、大きく成長していくチームにすることができるのです。

「成功するチーム」が持つ共通点とは

自社でチームビルディングを進める場合には、ゴールのイメージを持っておく必要があります。チームの生産性を向上させるという最終目的に向けて、チームビルディングで育みたいものは何でしょうか。目指すべき「成功するチーム」の共通点を説明します

1.心理的安全性

心理的安全性とは、チームメンバー一人ひとりが気兼ねなく発言でき、本来の自分を安心してさらけ出せると感じる状態や雰囲気を意味しています。

心理的安全性がある状態では、自分の意見やアイディア、質問や感情などを気兼ねなく発言できます。自分のミスを認めたり、自分とは異なる意見であってもお互いに受け入れる土壌がある状態とも言えます。すべてのメンバーが均等に発言でき、深い話し合いやタフな議論を行うことができます。

心理的安全性がない状態では、チームメンバーは気軽に発言できません。チームメンバーとの調和を意識しすぎるあまり、チームメンバーとは違う意見を発言できなかったり、発言したとしても上司から怒られるなどの状況になってしまいます。自分の意見を気軽に発言できずに、チームの総意に従わざるを得ない状況では、メンバー一人ひとりの能力を最大限発揮することは不可能です。

Googleも、先に述べた成功させるチームの共通点を探る調査において『心理的安全性こそが、チームの生産性を高める唯一無二の成功因子である』と結論づけています。

2.相互の信頼性

チーム内で前向きな協力関係を築くためには、相互の信頼関係が前提になります。仕事をやり遂げようとする意欲や能力を持っている仲間として、一緒に仕事をするメンバー同士が信頼し合っているという状態です。

チームメンバーを信頼できなければ、相談することだけでなく仕事を依頼することも難しくなります。忙しいのに急な仕事の依頼をしたことで、手を抜かれるのではないかと疑心暗鬼になってしまっては、チームとして良い成果が出せないのは当然です。専門性が異なるメンバーを集めたチームにおいては、成果をチェックすることも難しくなります。

3.目標と計画の共有

成功するチームでは「チームの皆が、常にその目標に向かって頑張っている」という意識が共有されています。全体の目標や計画、さらに個々のチームメンバーの目標や計画も共有され、共通の認識が保たれていることが大切です。

目標と計画が共通言語で共有されていれば、メンバーは誤った方向に進まずにすみます。自分とは異なる意見に対しても「目指していることは同じ」と尊重できるのです。

専門的で今までに無いものを作る!と思っているメンバーと、新しいものを作って莫大な利益をもたらす!と考えているメンバーでは、意思疎通がうまくいかない可能性が生まれます。新しい製品を開発・設計するという目的は一緒かもしれませんが、目的に至るまでの過程と目標が異なってしまう可能性があります。

4.チームの仕事が生み出す価値を信じている

絶対必要というわけではありませんが、なるべくあったほうが良い要素です。

メンバーの一人ひとりが「自分たちの仕事は良い影響力がある」と信じていることです。自分たちの仕事が社会貢献につながるものだと確信して取り組めることは、仕事へのモチベーションを大きく高めることに直結します。

チームビルディングを行うメリットとは

チームビルディングによって、どのようなメリットがもたらされるのでしょうか。

「心理的安全性」「相互の信頼性」「目標と計画の共有」が育まれることによって、チームは以下のように変化していきます。

1.コミュニケーションの活性化

コミュニケーションがスムーズになることで、多くのチームが抱えている「モチベー
ション」や「メンタルヘルス」の問題の改善が期待できます。

コミュニケーションの不全は、人間関係の悪化を招きます。多くの労働者が「上司との人間関係が合わない」「同僚との人間関係が良くない」と悩み、最悪の場合には退職に至る現状からしても、コミュニケーションの活性化は非常に有意義です。

2.理念・ビジョンの浸透

企業の掲げるビジョンを念頭に置き、皆でひとつの目標に向かっているという意識を持つことで、チームの連帯感を高めることができます。社会への貢献感を感じながら仕事をすることが、モチベーションアップにもつながります。

3.モチベーションアップ

良い状態にあるチームの空気感や雰囲気は、仕事へのモチベーションを支えます。

チームで共通の目標を追いかけていくことで、より良い成果につながったときの喜びや達成感の度合いが深まります。チームメンバーの高いモチベーションによって、どのようなビジネス環境下にあっても、強くてしなやかなチームであり続けることができるのです。

4.アイデアの広がり

建設的なディスカッションが増え、組織のイノベーションが起こりやすいマインドセットも醸成されます。個人では成しえなかったアイデアが、チーム内の刺激や協力によって発露し、実現されていくのです。

チームビルディングを行う際の注意点について

チームビルディングを進める際には、手段と目的を明確にしておくことが大切です。

1.実施の目的を共有する

チームビルディングを成功させるには、各チームメンバーが主体的で動けることが必要不可欠です。

チームビルディングの目的や目標を明確に共有しておきましょう。意味のある目的はメンバーにプライドを与え、モチベーションを向上させます。

反対に、何を目指しているのかあいまいなままで進めると、メンバーの取り組みが消極的になるだけでなく、参加意欲すら削いでしまう可能性さえあります。

2.居心地をよくすることを目的にしない

チームビルディングの施策によってメンバー仲良くなったとしても、結果や成果を残せないようであれば本末転倒です。あくまでもチームビルディングの目的は「チームの生産性向上」であることを忘れないようにしましょう。

「個の競争」から「チームで共創」の時代へ

会社組織が成長し続けるためには、チームごとの生産性をあげていくという考え方が重要です。決められたことをいかに高い水準で行うかという時代は、能力の高い個人に競争させる方法が最も生産性が高い方法でした。しかし、日々状況が刻々と変化し続ける現代においては、個人よりもチームで価値を共創してくことがより重要度を増しています。

全体の6割という多くの企業がチームに対する課題を抱えている中で、チームの状態を整え、成功するチームへと導くチームビルディングが必要とされています。

資料ダウンロードフォーム

    「ミツカリ - 導入事例集」が無料でダウンロードできます


    ミツカリは採用活動における利用だけでなく、入社後のマネジメントにも利用できる適性検査として3,800社以上の企業に導入されています。サービスも5年以上の運用実績があり、効果検証に時間のかかる離職率改善等においても、多くの企業で成果を出しています。

    今回はミツカリを導入した企業における活用方法や導入後の効果について、代表的な7つの事例をまとめました。是非ダウンロードしてご参照ください。

    ダウンロードにはプライバシーポリシーの同意が必要です。

    プライバシーポリシー

    関連するタグ