雇用のミスマッチが起きる原因と対策とは?採用・人事担当者ができること

雇用のミスマッチは情報不全と特性不全によって起こる

人手不足の売り手市場。雇用のミスマッチは、今後ますます進行していくことが予想されます。

雇用のミスマッチは、情報不全と特性不全によって起こるとされています。

特に知名度の低い中小企業にとっては、情報不全の問題は有名企業との格差を広める、重要な問題です。特性不全の問題は、企業と求職者の間での情報共有が不透明な時に起こります。事前になるべく多くの情報を共有することで、雇用のミスマッチを防ぐことに繋がります。

人間関係や組織文化の情報は属人的には可視化しづらいので、HRテックサービスや適性検査を使う方法が有効です。

雇用のミスマッチが起きている背景とは

雇用のミスマッチとは、労働力の需要と供給のバランスが一致せず、人材不足が硬直する状態のことです。

厚生労働省の調査によると、有効求人倍率はリーマンショック以降右肩上がりで、人手不足の状況は緩やかに進行していると言えます。

 有効求人倍率出典元『厚生労働省』一般職業紹介状況(平成29年6月分)について

雇用のミスマッチが進行するにつれて、様々なことが懸念されます。

人手不足の現状では、即戦力が必要となりながらも、採用の早期化によりなかなか即戦力になる新卒生は望めません。人材獲得競争が激化すると、知名度と資金力に劣る中小企業がハンデを負うことになります。

入社3年以内の早期離職率は依然として約3割をキープしたままなので、人手不足の状態での早期離職は、以前にも増してコストが高いものになるでしょう。

つまり、雇用のミスマッチは各企業が抱える問題だと言えます。

本記事では、雇用のミスマッチを解決すべく、採用・人事担当者が採用を戦略的に施策していくための方法を考察していきます。

雇用のミスマッチの原因とは

雇用のミスマッチの問題を考えるには、まずマクロな視点とミクロな視点に分けると良いでしょう。

マクロなレベルでは情報不全によるミスマッチ、ミクロなレベルでは特性不全によるミスマッチ、に分類できます。

マクロな原因・情報不全

マクロ視点での雇用のミスマッチは、情報不全によるものだと言えます。

情報不全の状態とは、求職者が企業の情報をそもそも認識していないことによって起こるミスマッチです。例えば、売り手市場の状態では、企業間の情報格差が懸念されます。

リスクモンスター株式会社による「大学1、2年生が就職したいと思う企業・業種ランキング」調査から、就職したい企業は大手企業かつBtoC向けの事業が中心の企業、分かりやすい事業をしている企業に集中していることが伺えます。つまり、中小企業は認知度の低さによって、適切な人材に知ってもらえる機会がなく、雇用のミスマッチを生み出しています。

マクロな視点では、優良企業や大企業が都心部に集中することによって、地方の企業が苦戦する、地域格差の問題も伺えます。

超売り手市場で人手不足の現状では、中小企業やBtoB向けの事業が中心の企業が、優秀な人材を獲得することが非常に困難になっていくことが予想されます。

しかし裏を返せば、適切な人材とこれらの企業が少しでも近づくことが、マクロな雇用のミスマッチを解消することに繋がります。

ミクロな原因・特性不全

ミクロ視点での雇用のミスマッチは、求職者と企業の間の特性不全によるものだと言えます。

特性不全の状態とは、求職者の所有・期待する特性と企業側の提案する特性のミスマッチのことを言います。例えば、雇用条件や業務内容のミスマッチが挙げられます

特性不全のミスマッチが起こる原因としては、企業側が事前に透明な情報を共有していないことが挙げられます。

もう一つの特性不全の例としては、人間関係や組織風土のミスマッチが挙げられます。人間関係や組織風土と行った要素は、事前に計測して可視化することが困難です。

ミクロな視点で見る雇用のミスマッチは、早期退職の原因とも捉えることができます。

リアリティーショックとは、入社前に描いている職場や仕事の理想と現実のギャップのことを指す言葉です。ある調査では、入社後1か月という短期間にも関わらず、新入社員の6割以上がリアリティーショックを感じていると報告されています。理想と現実のミスマッチは、早期離職だけでなく、様々な問題を引き起こします。また、新入社員だけでなく...

雇用のミスマッチへの対策・解消方法について

採用・人事担当者が雇用のミスマッチの解消にどのようにして貢献できるのでしょうか。マクロな視点とミクロな視点にそれぞれ分けることで、適切な方法を実践しやすくなります。

マクロな雇用のミスマッチを解消

マクロな雇用のミスマッチは、資金力と知名度で不利な中小企業にとって急務の課題と言えます。

他社との差別化を図り、適切な人材層に認知してもらうために、採用ブランディングをしていきます。

採用ブランディングの第一歩は、求める人材像と採用ターゲットを明確にすることです。ハイパフォーマーの分析や、社風の分析をすることで、現状と補充したい人材像が見えてきます。

採用活動を成功させるためには、自社で活躍する可能性の高い応募者を見極めることが大切です。一般的に優秀とされている人物が自社で活躍する保証はないため、自社で活躍している社員から特徴を抽出するためにハイパフォーマー分析を行うことが、採用要件定義や教育研修などに落とし込む上で大切です。採用選考では、育成しやすいスキルよりも変...

競合に負けない採用ブランディングを成功した例で、お菓子メーカーの三幸製菓様の採用方法があります。

「カフェテリア採用」「日本一短いES」などユニークな採用方法を生み出しましたが、これらも明確な人材要件定義と採用ターゲットに裏打ちされています。採用学の服部教授によると、ユニークな採用だけれどコンセプトがしっかりしている採用であれば、採用ブランディング力は高まると言います。
出典元『HR Note』地方のお菓子メーカーの採用戦略とは

複数のメディアに一貫したメッセージを発信し続ける方法も、有効な手法です。一貫した内容の情報をメディアや企業説明会で発信することは、採用コンセプトがより多くの層に的確に伝わるだけでなく、求職者からの信頼感の向上にも貢献します。
出典元『ダイレクト・ソーシングジャーナル』採用学の知見から学ぶ、募集・選考・面接の各フェーズで考えるべき行動とは?

ミクロな雇用のミスマッチを解消

ミクロな雇用のミスマッチは通常、共有する情報の不透明さによっておこります。

採用ブランディングの過程で導き出したコンセプトはもちろん、雇用条件や業務内容についてのなるべく詳細な情報を、一貫して発信しましょう。特に業務内容のミスマッチは、ストレスを高め、早期退職に繋がります。

ポジティブな情報とネガティブな情報を両方共有することは、意外にも、高評価に繋がることが実証研究によって指摘されています。ポジティブな情報とネガティブな情報を両方さらけさすことで、入社後のダメージを事前に軽減する効果があると言います。

人材の獲得が難しくなっていく中、採用段階で早期離職を防止する施策にも注目が集まっています。採用の前に、自社のポジティブな情報だけでなくネガティブな情報も公表する「RJP理論(Realistic Job Preview)」がアメリカで1970年代に提唱され、広く研究・実証されているものがあります。日本では「ネガティブ情報...

ミクロな雇用のミスマッチを防ぐもう一つの方法は、人間関係のミスマッチや組織風土のミスマッチを事前に可視化しておくことです。事前に可視化しておくことで、入社後のミスマッチの起こりうる場合を予測し、採用の時点でミスマッチを防ぎます。

今まで人間関係などの性質的な部分は、面接を通して属人的に測定されてきました。しかし、少ない面接時間で人間像や人間関係の相性を正確に測定するのは難しく、可視化しづらい部分です。そんな時は、HRテックサービスであるミツカリなどの適性検査を使い、カルチャーフィットをカンタンに可視化することができます。

カルチャーフィットとは「会社のメンバーが共有している理念や風土の共有度」を意味しています。早期離職を防ぐ上でもカルチャーフィットは非常に重要です。しかしカルチャーもフィットも目に見えない抽象的な概念なため、実現方法にまで落とし込むことが難しいです。カルチャーフィットを実現するためには、カルチャーとフィットの定義を明確に...

ミスマッチの原因を理解することで、解消する

人手不足で超売り手市場の労働市場では、雇用のミスマッチが今後も続くことが予想されます。雇用のミスマッチは、情報不全と特性不全によって起きます。

マクロな雇用のミスマッチを防ぐには、一貫した情報を複数のメディアで拡散することで、採用ブランディングを高めていくのが有効です。ミクロな雇用のミスマッチを防ぐには、労働環境や雇用条件、組織文化の可視化によって、事前に多くの情報を共有することが有効です。

人間関係や組織文化の可視化は属人的に行うのは困難なので、適性検査などのHRテックサービスを使用することが有効です。

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